2020/05/02 12:00 168PV

自宅でもできる次世代のチャンバラ”SASSEN”、その魅力とは【スポタス人インタビュー】

スポタス人とは

スポーツだけではなく、プラスアルファの形でスポーツと関わるキラキラした人物。

スポタスでは、『スポタス人』のインタビューを通じてスポーツとの様々な関わり方を発信しています。

スポタス人紹介

本村 隆馬(もとむら りゅうま)

1990年生まれ  生涯スポーツ・全日本サッセン協会 Japan Sassen Association(JSA) 代表 兼 JSA公認上級インストラクター

日本空手道 風林火山武術道場 師範代

2016年に”SASSEN”という新しい競技を立ち上げ、普及に挑む。

HP:https://sassen.jp/

Twitter:https://twitter.com/sassen_frkz

Instagram:https://www.instagram.com/sassenjp/?hl=ja

ITの力で侍の戦いを再現

赤木:まず、SASSENという競技について教えて下さい。

本村:SASSENのコンセプトは”ITの力でサムライの勝負を現代に再現する”というもので、私達はこれを次世代スポーツと呼んでいます。SASSENでは”SASSEN刀”という発泡ポリエチレンの刀にセンサーを内蔵させて相手と戦います。SASSEN刀が相手に当たるとセンサーが反応して、連携しているスマートフォンのアプリ上に判定が表示されるしくみです。こうすることで、相手に怪我させることなくサムライの勝負をする事ができます。

▲試合のイメージ動画

▲SASSEN刀。内部に小型のセンサー(圧力センサー)が入っていて、Bluetoothでスマートフォンアプリに送られる仕組みになっています。

 

赤木:最新のテクノロジーを使って昔の戦いを再現するっていうコンセプトが面白いですね。誰でも小さい時は道端の棒を持ってチャンバラごっこをしたことがあるでしょうし、そういう童心に帰る意味でも面白そう。この競技はどうやって生まれたんですか?

本村:元々私の実家が空手の道場で、父が師範、私は師範代でした。40年くらい続いている道場で、護身術を主としています。その中でナイフで襲われた時の対策や捌き方の訓練としてSASSEN刀を使っていたのが始まりです。

赤木:最初は護身術の訓練用だったんですね!

本村:と言っても最初からあの形じゃなく、最初はエアコンの断熱ホースを使ってたんですけどね 笑 もちろんセンサーなんかは入っていません。こういうのは私の道場だけじゃなく、他の道場でも似たような訓練としてやっていると思いますし、遡るとお侍さんの稽古でもあったんじゃないかと思います。

それが私の道場では、門下生の方や子どもさんが訓練自体を面白がって、最近になってレクリエーションになりました。SASSENの名前がついたのは平成28年の12月22日です。

赤木:本当にまだできたばかりの競技なんですね。

本村:特許を取ろうという事になった時に名前が必要だったんで、そこでSASSENという名前にしました。由来は「颯爽(さっそう)と、風を切るさま」という意味である颯然(さつぜん)から取ったものです。その他にも、宮本武蔵の二天一流剣術「指先(さっせん)」からもヒントを得たことから、口にしやすいよう「SASSEN(サッセン)」と呼んでいます。

優秀なエンジニアの相棒とタッグを組んで実現

赤木:このSASSEN刀にしてもアプリにしても作るのに技術がいると思うんですが、これはどうやって作られたんですか?

本村:開発者が元々筑波大学の出で、ロボカップで世界2位にまで入ったエンジニアなんですが、実は地元が同じでたまたま同じ道場に通ってたんです。それでたまたま同席した会合で「こういう訓練をやってるんだけど、どっちが早く当てたか分かったらいいのに・・・」と相談したところ、「普通にできますよ」と言われ、そこからSASSEN刀やアプリの開発がスタートしました。

赤木:凄い偶然!

本村:これは武道をやっている者だと誰しもが思った事があると思うんですが、判定を正確にしたいという気持ちがあって、それを機械で解決できるなら凄く面白いなと思って、SASSEN刀やアプリの開発が始まりました。最初は武道に関わる人達向けに広めようとしていたんですが、誰でも楽しめる生涯スポーツとしてもニーズがあると分かったので、そこから競技としてのSASSENができてきました。

年齢・性別関係なく誰でもどこでも手軽に戦える

赤木:SASSENのルールについて教えて頂けますか?

本村:SASSENのルールは日々変わっていて、大会によっても規定が変わっていますが、基本のルールは以下になります。

公式ルール【2020年度】

・試合時間は60秒。・選手は専用のセンサー付きSASSEN刀を持ちます。

・フィールドは5m×5m 内で行います。

・攻撃できるのは1試合を通して5スイング(5打)まで。相手の体(頭部は除く)に1打当てると「一本」となります。

・「二本」先取 もしくは 60経過時点で本数の多いほうが勝利。

・フィールドの外に出ると「場外」として相手に一本。

【禁止・反則事項】

故意に相手を攻撃する行為
センサー刀を相手に投げること

その他主審が危険とみなす行為

(相手に怪我を負わせる可能性がある行為は状況をみて禁止。相手に1本もしくは失格とします。)

赤木:凄くシンプルですね。相手にSASSEN刀を当てるだけっていうのは分かりやすいし、子どもでもすぐ覚えられそう。

本村:本当に仰る通りで、ルールが分かりやすいというのは競技のハードルをかなり下げてくれます。

赤木:怪我をさせる事がないというのも良いですね。

本村:相手が高齢者でも同じルールでできますし、相手に怪我をさせる心配もなくできます。

赤木:実際に高齢者の方がSASSENをされるケースってありますか?

本村:そうですね。小学校5年生と70歳のおじいちゃんが戦って、おじいちゃんが勝ったという事もあります。お孫さんと戦って勝ったりする事はできますね。他にも老人ホームでレクリエーションとして楽しんで頂く事もあります。

赤木:似た競技としてスポーツチャンバラがあると思うんですが、スポーツチャンバラとの違いってどの辺りにありますか?

本村:やはり大きな違いはセンサーの有無ですね。あとはSASSENの方がよりカジュアルな雰囲気でできると思います。誰でも簡単にできるので、できるだけ”武道感”を出したくないと思っています。

赤木:例えば企業の部活動でやる場合におススメのポイントなどありますか?

本村:まずは運動不足の解消ですね。SASSENはルールがシンプルなので、やってみると目の前の戦いに集中できます。そのため短い時間でも体力を使う事ができます。他には団体戦でのチームワークですね。格闘技の試合のように先鋒~大将戦までやっていけばそこでコミュニケーションが生まれます。

赤木:例えば学生の採用活動でも活用できそうですね。

本村:スペースとSASSEN刀とアプリがあればその場ですぐできますからね。着替えなくてもできますし。

赤木:スペースも会議室くらいの広さがあればできそうですし、そういう意味でも良さそうですね。

人を傷つけない競技として

赤木:本村さんのスポーツ経験についてもお聞きしていいですか?

本村:私は3歳の頃から空手をやってきています。私の道場では『負けない、人を守れる、相手を怪我させない』という点を大事にしていて、それは今のSASSENのルールにも繋がっています。自分を鍛えるけど、技を披露しない。それでも何かあった時には自分や周りの人を守れるように鍛えておく。こういった考えが源流にあります。

赤木:確かに、人を傷つけないという点に一番の重きを置いているのはSASSENに通じるものがありますね。

自粛生活のストレスを自宅で解消!7つの家遊び

赤木:SASSENをやろうと思ったらどこでできるんですか?

本村:東京では秋葉原のA-LABOという場所で体験する事ができます。5月の30日・31日には関東大会も企画していますが、新型コロナウィルスの影響があるので確実に開催できるとは言い切れない状態です。ですが、代わりにSASSEN刀を使って家でできる遊びをYouTubeにアップしています。SASSEN刀の販売もしていますので、これを使ってSASSENを体験して頂けます。

赤木:自宅でもできる遊びは有難いですね。特に子どもはストレスが溜まってたり、運動不足で眠れなかったりしているみたいですし。

生涯スポーツとしてのSASSENを追求

赤木:今後の目標など教えて頂いていいですか?

本村:年齢・性別・手軽さを追求して誰もがSASSENをできるようにしていきたいです。例えば幼稚園・小学校・高齢者施設などで広めたいですね。ITについては機能を追加して手軽さを追求していって、将来的にはパラリンピックみたいなところも目指していきたいと思っています。

文:赤木 勇太

  

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スポタス編集部

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丹羽:在学中もモデルをやってたりしていたんですが、特にモデルを目指していたわけではありませんでした。在学中に就職先も決まっていましたし、OBの話を聞いたりしていたんですが、違和感を感じていたというか、自分がこの会社で何年後かになりたい姿が想像できない事に危機感を感じていました。 赤木:「将来の自分像が見えない」というのは就活生もよく悩むところですね。 丹羽:それで「こういう生き方かっこいい」と思える人を考えていたら俳優やアーティスト、ダンサーなど、自己表現で人を勇気づけたり活力や元気を与える人達が思いついて、自分もそうなれる可能性があるならやってみたいと思って役者を目指し東京に来ました。 スパーリングパートナーから全国優勝へ 赤木:役者を目指していたところから格闘技にというのはかなり大きな変化だと思いますが、何かきっかけがあったんですか? 丹羽:役者をやってた中で知り合った人の中に映画監督がいて、その人の繋がりでK-1のHAYATO選手を紹介されました。その時ちょうどHAYATO選手がK-1に出場するということで、対戦相手が日本拳法出身者だったのでスパーリングパートナーをやることになったんですが、ここで「筋がいい」と言われ、私もアマチュアの大会に出場する事になりました。 赤木:ここでも筋が良いと言われるのがさすがですね。確かに、上手い人のスタイルを真似するのが得意な人はスパーリングパートナーとして最高ですね。 丹羽:それでRISE KAMINARIMONというキックボクシングの大会に出場したんですが、そこで全国優勝しました。 赤木:全国優勝! 丹羽:65キロで出場したら負け無しの状態で、これならプロとしてもやっていけるという手ごたえを感じた瞬間でしたね。 赤木:やっぱり才能が有ったんですね。 丹羽:当初は役者としての自己表現で仕事をしていきたかったんですが、役者の場合は、ずば抜けて圧倒的な売れるものがないと売れない、それが自分には何なのか悶々と考えてました。そんな時に人にはないもので、圧倒的に表現できるもの、結果を出せるものが格闘技、キックボクシングでした。そこで、自分の軸である『自己表現で人に活力、元気を』を格闘家として実現しようと思って格闘技に軸足を置きました。そこからHAYATOさんが引退してジムを立ち上げたタイミングで選手兼トレーナーとしてキックボクシングでプロ活動を始め、2010年7月には同じくRISEで新人王になる事ができました。 順調なスタートから一転、、 赤木:このまま一気に駆け上がっていきそうな感じがありますね。 丹羽:そう思いますよね。私もこのままいけると思って天狗になっていましたが、スパー中に顎を骨折してしまったり、腕を3回も折ってしまったりといった出来事がおきて、2年半も選手活動ができなくなってしまいました。 赤木:予期せぬアクシデントですね。 丹羽:これについてはアクシデントよりも慢心によるものが大きかったと思います。生活習慣の乱れだったり、疲れたまま仕事をしたりしていたので、他にも寝不足や二日酔いで集中できていなかったこともありますし。「自分は強いから大丈夫」とたかをくくっていました。 赤木:怪我そのものより、活動ができなくなることの方がショックは大きいですね。 丹羽:そうですね。身も心もズタボロになっていました。やはり私達は練習してなんぼ、試合組まれてなんぼの世界にいるので。後輩が試合に出てるのを応援するしかできないというのが地獄のようで、何のために生きてるんだろうとさえ思うようになりました。 赤木:自己表現で活力を与えるという自分の軸を失ってしまっていたんですね。 丹羽:その時は藁にもすがる思いで色んなものに手を出しましたね。厄払いに行ったり、引っ越したり、お守りを買ったり。それでも自分のメンタルが整わないまま練習をしてまた怪我をしたりと。 赤木:何をやっても上手くいかないという状態ですね。 自分と向き合った2年半、そして復活へ 丹羽:怪我した後はずっと人のせいや環境のせいにしていましたが、2年半の時間を経て、ようやく自分と向き合えるようになりました。どうしたら怪我しない生活ができるか、24時間全て見直して生活を整えるようにしました。 赤木:そこで自分自身を振り返る事ができたのは大きな変化ですね。 丹羽:復帰してからは怪我せず11連勝して、RISEのタイトルマッチに挑んだんですが、それでもどうしても勝てない。マイナスな状態から抜けられない。 赤木:そこで新しい壁がまた出てくるんですね。 丹羽:結局2回タイトルマッチを挑んだんですけどそれでも勝てなくて、海外挑戦したけどそれでも勝てませんでした。 弟の言葉で環境を一新 丹羽:ある時、Jリーガーの弟(丹羽大輝選手 FC東京所属、元日本代表)に今の状況について相談しました。そこで「このまま悩んで迷いながら練習や試合しても絶対チャンピオンになれないから、覚悟決めて環境を整えて、全て自分の責任で、これだけやってチャンピオンなれなかったら諦めるって思える状態にしないと無理だ」と言われ、そこでジムから独立することになりました。 赤木:トップアスリートであり、小さい頃から兄を知っている弟さんが言うと説得力が違いますね。 丹羽:それで海外に修行に行ったり出稽古に出たりしていくなかで那須川天心選手のいるTEPPENジムに行って、「本当に強くなりたいならいてもいい」と言ってもらい、今のチームができました。そこで2019年にREBELSに初参戦して4連勝。新設された63キロの階級では優勝する事ができました。 ▲最高最強のチームと共に勝ち取ったチャンピオンベルト 赤木:ついにここで優勝を果たすんですね。 丹羽:10年間チャンピオンになりたいと思ってたのが初代日本王者という形で叶いました。そこからKNOCK OUTというチャンピオンにしか出られない大会への出場も果たしました。 新しい挑戦へ 丹羽:チャンピオンの夢が叶って感じたことは『チャンピオンはまだまだスタート地点でしかなくて、その価値を高めるための挑戦をし続けなければならないという事と、どれだけその挑戦をする事でドキドキワクワクしてもらえるか、それを共に戦ってもらえるか』でした。個人としての実績はもちろんのこと、チームや仲間、格闘技界を盛り上げる為に何ができるかという事です。プロデビューして10年、紆余曲折ありました。ベルトを腰に巻いた瞬間は夢のような気持ちで、勝った時のコメントとかも考えてたんですがその瞬間に言葉が出てこなくなって、ただ「ありがとうございました」としか言えませんでした。 赤木:10年間の色んな積み重ねがあったんですよね。文字通り「言葉にならない」状態だったんですね、 丹羽:改めて、人との出会いやきっかけの有難さを感じましたね。求めるタイミングで求めていた人に出会える、自分はそうやって命を繋いできたんだと。自分もそうありたいと強く思います。身近では弟がJリーグで活躍していますし、沖縄拳法空手の菊野克紀さんは独立する時や、色んな節目で相談に乗ってくれた兄さんのような存在です。 赤木:色んな人達との出会いによって今の場所に立ってるというのが良く分かります。 丹羽:自分も誰かが前進するためのきっかけの一部になりたい、これは私が戦う目的やテーマの一つです。 ▲KNOCK OUT出場時 人生におけるネガティブをちょこっとだけ楽しく良くする 丹羽:私の大きなテーマとして、『人生におけるネガティブをちょこっとだけ楽しく良くする』というものがあります。年齢、障害、病気、怪我。こういった誰しもが持ってるネガティブに対してちょこっとだけ戦う勇気、「よし、やろう!」というスイッチ、自分の挑戦を通じてそういうきっかけの一部になりたい。 これは今までもらったきっかけに対する恩返しでもあります。 赤木:今まで自分が受けてきたものを、今度は与える側になるんですね。 丹羽:私は痛いのも苦しいのも嫌いです。それでも今の年齢でも現役でやれているのは、そういう誰かのきっかけになれて、そのエネルギー交換がし続けられているからです。キックボクシングの試合は3分3ラウンドのたった9分間ですけど、その9分間の中に選手の生き様や強さ、弱さ、色んなものが凝縮されてリング状で表現されます。リングには全てが詰まってるんです。 赤木:凄く神聖な時間や空間なんですね。 丹羽:例えば試合を応援してくれる方。その方達も、選手を応援しているというよりそれぞれの戦いを持ち寄り、一緒に戦ってくれてるんです。そういう意味では共に戦うチーム戦です。 赤木:それぞれにとって、自分の戦いの場でもあるんですね。 丹羽:3分×3ラウンドの中に、自分だけじゃなく一緒に戦ってくれる人の人生を載せる事ができる。全てがそこにハッキリ出る。そこで戦う事が大事なんです。 日常生活では命をかけて戦うってことはなかなかありません。でも、リングでは勝つ事で命を繋ぎ、負ける事で一つの命が消えるんです。それは個人競技だけど同時にチーム戦でもあって、トレーナー・セコンド・お客さん・対戦相手も、リングに上がるまでに至った全ての人が合わさったチーム戦なんです。 赤木:対戦相手もまた共闘相手でもあるんですね。 丹羽:対戦相手がいないと練習にも気持ちが入りにくいですし、減量や追い込みができませんからね。 勝った試合であっても、その一つの勝利には色んな因果が隠れています。例えば1ラウンド終わったら1分のインターバルがありますが、その時のセコンドの指示でも戦い方は変わります。そこで信頼おける言葉を言ってもらえるかでも試合の舵取りは変わりますし、チームへの信用・信頼によっても変わってきます。それは火事場のバカ力と呼ばれるものになったり、強運を引き寄せる事に繋がったりします。 赤木:例えば試合中に"ゾーン"に入るような事もですか? 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