
スポーツだけではなく、プラスアルファの形でスポーツと関わるキラキラした人物。
スポタスでは、『スポタス人』のインタビューを通じてスポーツとの様々な関わり方を発信しています。
泉 栄子(いずみ えいこ)
開脚の女王 「Eiko」。100万部突破 ベストセラー著者。「どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになる すごい方法」(サンマーク出版 2016年4月発売)は、世界25ヶ国以上で翻訳出版されている。エアロビクス・インストラクターとして10年間勤務後、ヨガインストラクターに転身。ヨガ教室“シェイクヨガ”を主催し、インストラクターの養成、派遣も行う。70代の人でも ベターッと開脚できる方法を考案。「ジョブチューン」「ぴったんこカンカン」「金スマ」「嵐にしやがれ」「オンリーワン」「シューイチ」「グッデイ」「ゴーイング」「ヒルナンデス」「中居正広のミになる図書館」その他 多数 テレビ出演
Instagram:https://www.instagram.com/shakeyoga/
赤木:今まではどんなスポーツを経験されてきたんですか?
Eiko:中学の時はバスケ部で、高校では陸上部でした。
赤木:種目は何でした?
Eiko:中距離で400mと800mです。その後ジャズダンスを何年かやってたり、趣味で水泳やボディボードをしていました。
赤木:色々な競技を経験されてきているんですね。
Eiko:エアロビクスのインストラクターも10年やっていて、その後ヨガインストラクターになって今に至ります。
赤木:ヨガインストラクターになったきっかけをお聞きしていいですか?
Eiko:35歳までエアロビクスのインストラクターをしていたんですが、妊娠を機に引退しました。その後落ち着いて仕事復帰したいと思った時、体力的にエアロビクスのインストラクターだとキツいなと思ってました。そんな時、たまたまスポーツクラブで参加したヨガが気持ち良くて、そこからヨガに興味を持ちました。
赤木:きっかけはヨガクラスだったんですね。
Eiko:そのヨガクラスはストレッチ中心だったんですが、ストレッチはエアロビクスをやっていた時に私も教えていたので「これだったら私もできそう!」と思ってヨガの勉強を始めました。
Eiko:39歳からヨガインストラクターになったんですが、ヨガを始めて体の調子がとてもよくなりました。
赤木:具体的にどういったところが変わりました?
Eiko:私は元々腰痛が酷くて、立ってるだけで腰が痛かったんです。エアロビクスをやってた時も、妊娠してた時も腰痛を抱えてました。でも、ストレッチをすると腰の筋肉が緩んで腰痛が改善されたんです。
赤木:そんなに劇的に変わったんですね。
Eiko:エアロビクスは動きがハードで、反り腰状態でジャンプすると腰に負担がかかります。その点、シェイクヨガはストレッチをかけながらゆすって筋肉をほぐす事ができるので、腰痛改善に効果があります。
赤木:確かに、ヨガと言うとあまりハードというイメージではないですね。
Eiko:実はそうでもなくて、私がヨガを学んでいたときは「パワーヨガ」ブームで、これはヨガの中でもきついものなんですが、
ハリウッドセレブ達が痩せると言って、流行っていた頃で、パワーヨガを学んでいました。
赤木:なるほど、ヨガの中でも強度が変わってくるんですね。
Eiko:私は自分の教室で整体ヨガとしてストレッチを教えてたんですが、その中でストレッチしながら体をゆすったりしてほぐす『シェイクヨガ』を考案しました。
赤木:シェイク(ゆする)ヨガなんですね。
Eiko:体が固くてヨガのポーズが取れない年輩の方に試したところ、腰痛・肩こり・膝の痛みが改善されて、自分自身も腰の痛みが大きく改善されました。
赤木:それは凄いですね!腰の痛みは全く無くなったんですか?
Eiko:今も全く腰痛がおきないということはないですが、大幅に改善されましたね。
赤木:Eikoさんは著書が大ヒットしていますが、これはどういう経緯で出版の流れになったんですか?
Eiko:きっかけはYouTubeです。YouTubeで私のストレッチを動画にしたいと仰る方がいて、開脚できるようになるストレッチ方法アップしました。それが人気になって、今では896万回くらい再生される程になりました。
赤木:約900万回再生ですか!それは凄いですね!
Eiko:200万回を突破した時に出版社の方から声をかけてもらって出版の流れになりました。担当の方も体が硬くて、「これだ!」と思ったみたいで、東京から大阪まで会いに来て下さいました。
赤木:担当者の方も確信があったんでしょうね。
Eiko:お蔭で本はミリオンセラーになって、世界で25か国くらいで翻訳されるほどになりました。
▲海外でも大好評
赤木:ヨガと言うとインド発祥だと思うんですが、インドにはこういうシェイクヨガというものはあるんですか?
Eiko:インドにも無い発想ですね。基本的にヨガはポーズをとるものなんですが、シェイクヨガではポーズは1割、ストレッチが7割、筋トレが2割という構成になっています。
赤木:ストレッチと筋トレ中心なんですね。
Eiko:ポイントは全身のストレッチをする事によって筋肉のコリがとれることですね。これは競技者にとっても大事なことなんですけど、良い筋肉は筋力だけじゃなく、柔軟性やしなやかさがあります。
赤木:確かに『しなやかな筋肉』みたいなのってありますね。
Eiko:筋力もあって、力抜いたときに柔らかい筋肉が理想的なんですが、シェイクヨガをする事で両方に効果があります。ストレッチをして筋肉をゆるめ、筋トレで引き締めます。それでも各部位にかかる負荷は少ないので、体を痛める事もないです。
赤木:高齢の方にもおすすめできそうですね。
Eiko:私も20代の時はマシンジムのトレーニングをやっていましたし、マシントレーニングも好きだったんですが、40代50代になると、急に重たい負荷をかけると筋肉を傷めてしまうようになっていました。でも、シェイクヨガなら筋肉を傷めることなくできます。
赤木:年齢が上がるとトレーニング方法にも悩みますよね。
Eiko:他にもスポーツ選手やアスリートは筋肉を酷使しますからね。ストレッチせずにハードな運動を繰り返すと筋肉はつきますけどカチカチの固まった筋肉になってしまいます。運動をする人にこそ、ストレッチが大事ですね。
赤木:特に競技によっては負荷のかかる箇所が決まってたりしますからね。
赤木:例えば競技者の方にお勧めするストレッチってどういったものがありますか?
Eiko:お勧めはタオルを使ったストレッチですね。肩や背中がほぐれ、脇のリンパも流れて、目の疲れ、胃の調子を整えてくれますし、家で自分でする事もできます。
赤木:家で自分でできるのは良いですね。
Eiko:意外と家でできる柔軟は多いんです。血流が良くなると冷え性が改善されて基礎代謝が上がり、消費カロリーも上がります。結果、太りにくい体質作りになります。
赤木:開脚に関してもできるようになるコツなどありますか?
Eiko:開脚のコツは、めちゃくちゃ硬い人でなければ、脚を開いて座り両手を後ろについて上半身を反らせてから、上体を前に倒すのを5回繰り返します。後屈してから前屈すると前屈しやすくなります。
最初は膝の内側や太ももの内側が痛くても、ストレッチを続けると体が柔らかくなって、開脚して床に肘が付くようになり、おでこが床につくようになっていきます。
▲参考動画
赤木:意識すべきポイントなどはありますか?
Eiko:あくまでコツコツと継続していく事ですね。まず、スタート地点として体の硬さは人それぞれですが、1ヶ月くらい継続する事でベターっと開脚できるようになる人もいれば、肘がつくくらいの人もいます。
赤木:個人差がかなりあるんですね。
Eiko:でも、体が凄く硬い人でも半年以上続けるとかなり柔らかくなります。1分で構わないので、毎日継続する事が大事ですね。体が柔らかくなって、地面に肘やおでこがつくようになると痛みもなくなってきますので、そうなってくると楽しくなってきます。ですので、そこまで毎日続ける事が大事になります。
赤木:確かに、効果が出て来て痛みがなくなると楽しくなってきそうですね。
Eiko:更に続けると今度は足の付根だけが痛くなってきますので、ある意味痛みとの戦いです 笑 3日休むと元に戻ってしまったりしますし。
赤木:例えば私なんかはお酒を飲む事も多いんですが、そういう人にアドバイスするとしたらどうしますか?
Eiko:私がアドバイスするとしたら『飲んでもやる』ですね。例えば家で飲んでいたとして、酔って寝て目覚めて、シャワーを浴びますよね?
赤木:そうですね。
Eiko:そしたらその後に少しだけ開脚をやるんです。少しでもいいから、とにかく習慣づける。後は『ながら時間』を活用するのもいいですね。例えばテレビ見る時に床に座って足を開いてテレビを見たり。手を前にして、ちょっとだけ痛い程度にしながら見たり。
赤木:なるほど、必ずしもストレッチに集中する必要はないんですね。
Eiko:ストレッチのやり方は色々ありますが、結局はコツコツやる事が近道です。
▲レッスン時の一枚
赤木:今後の目標などお聞きしてもいいですか?
Eiko:目標の一つとしては、シェイクヨガをもっと多くの人にやってもらう事です。今は開脚の著書は25ヵ国で出版されていますが、今後は、シェイクヨガも世界に向けて広めていきたいと思っています。
赤木:例えばインドでも広まると凄く面白いですね。
Eiko:高齢の方に向けて世界にも発信したいです。高齢の方が介護を受けず、自分の生活を自分でできるように。
健康で体も元気だと、心も明るくなれるので。
赤木:いわゆる健康寿命を延ばすといった考え方ですね。
Eiko:今、高齢者の方向けにシェイクヨガのレッスンをしています。この規模を大きくして、高齢者向けのコミュニティ広場のようにできないか考えています。
赤木:そういったニーズは大きそうですね。
Eiko:そこで食事も提供し、皆が楽しく過ごしていけるような空間を作りたいと思っています。皆必ず高齢者になるわけですから、その時に子どもの世話にならずに生きていく事が子どもに対する孝行だと思います。
赤木:そうですね。私ももし自分が親であれば、自分だけで生活できるようにいたいと考えるでしょうし。
Eiko:あと、今年の秋冬にEikoブランド『Enable』のウェアを発売予定です。
赤木:それも楽しみですね。