
スポーツだけではなく、プラスアルファの形でスポーツと関わるキラキラした人物。
スポタスでは、『スポタス人』のインタビューを通じてスポーツとの様々な関わり方を発信しています。
平田 雄大(ひらた ゆうだい)
2016年 大王製紙株式会社 入社
2018年 株式会社ワンディエゴ丸出版社 起業メンバー
Jリーグオフィシャルライセンスマンガ『キング・オブ・エンブレム』を発刊
2019年 株式会社スポマ 入社
スポーツマンガ・イラストコミュニティサイト『スポマ』運営
広告マンガ制作サービス『マンガデザインドットコム』編集・営業
『スポマ』:https://spoma.jp/
『マンガデザインドットコム』:https://manga-design.com/
Twitter:https://twitter.com/Vokehazama
赤木:Sports worldの取り組みについてお伺いして良いですか?
平田:Sports worldは、様々なベンチャースポーツを幅広い人達に体験してもらう為の団体です。主にコーフボール・チュックボール・ゆるティメット(アルティメットをカジュアルにプレーする競技)・クィディッチをやっています。
赤木:これって前々から気になっていたんですけど、マイナースポーツと呼ばずに敢えて『ベンチャースポーツ』と呼んでるんですよね。
平田:そうですね、発展の見込みのあるスポーツという意味合いで、『ベンチャースポーツ』と呼んでいます。と言っても、参加者の方に普及を強いるつもりはないですが。
赤木:純粋に競技に触れて楽しんで欲しいという感覚ですね。
平田:そうですね。ベンチャースポーツ競技者って、『部活動文化』みたいなものが苦手な人が結構いて、そういう部活動みたいな感覚じゃなく競技を楽しみたい、楽しんで欲しいという考えの人も多いですね。
赤木:それは分かります。私も『体育会!』みたいなのってあまり好きではなかったので 笑
平田:ベンチャースポーツってあんまり縦社会な感じじゃないですし、競技を普及したい人が多いので新しい人に寛容ですから、そういう部活動文化抜きにスポーツを楽しみたい人には合ってると思います。
赤木:なるほど。
平田:私は大学で体育会のサッカー部に所属していましたが、そこは『先輩の言う事は絶対』といった環境でした。体育会文化にも良いところはありますし、全て否定している訳ではないですが、これからの社会には合わないなという感覚はありますね。
赤木:色んな価値観が増えていますからね。体育会文化以外の価値観が現れるのも自然な事だと思います。
▲クィディッチの仲間との一枚。
赤木:今の活動を始めたきっかけについてお聞きしても良いですか?
平田:私は仕事でスポーツ漫画に関わっていまして、その関係でスポーツ業界の方とお会いする事が多くありました。その中で先日取材頂いた眞柴さんと出会って、眞柴さんの活動を知った事がきっかけです。眞柴さんの活動や想いに共感して、面白いと思って今の活動を一緒に始めました。
赤木:眞柴さんは私も取材していて凄く面白かったです。コーフボールの為にオランダに移住までしてしまうんですもんね 笑
平田:眞柴さんは本当に凄いですね。彼の考え方や取り組みは本当に刺激になります。
赤木:平田さんの思うベンチャースポーツのお勧めポイントってどういう点だと思いますか?
平田:やはり『日本代表を目指しやすい』という点じゃないでしょうか。私はずっとサッカーをやっていて、世界と戦う日本代表選手の姿も見てきました。サッカーで日本代表になれるのは本当に一握りの選手ですが、ベンチャースポーツなら競技が違っても同じ舞台に立てる可能性があるのは魅力ですね。
赤木:私もテニスを長くしていますが錦織選手や西岡選手みたいになるなんて想像もできないですからね 笑
平田:競技者としては日本代表選手へのリスペクトがありますからね。そんな日本代表になれるというのは魅力です。
後は身体的な格差をカバーできるルールが多いのもポイントですね。例えばチュックボールなのであれば相手の妨害自体が禁止されていますし。フィジカルでゴリゴリとやれば勝てるという競技ではないので、老若男女楽しめます。
赤木:確かに、近代的なスポーツってそういった点に配慮したルールが多いですね。
平田:それに、ベンチャースポーツであれば自分が日本代表でなくても日本代表選手と接したりもできますしね。
赤木:確かに! 笑 「俺、日本代表の〇〇と友達なんだぜ!」はなかなかインパクトありますよね。Sports world参加者の年齢層とか男女比ってどれくらいですか?
平田:年齢層は様々ですね。高齢の方も来ますし、高校生も来たりします。男女比もあまり偏りなく参加されますね。
赤木:その人達ってどういうルートで来られるんですか?
平田:「SNSを見ました」と言ってくる方が多いですね。Twitterが一番多いように思えます。特にクィディッチは学生が多いですね。
赤木:そうなんですね!?意外です。
平田:クィディッチは日本では早稲田大学から広まった競技ですので、早稲田大学の学生が多いんです。
赤木:なるほど、競技の盛んな大学みたいなのもあるんですね。一人で参加される方もいらっしゃいますか?
平田:たまにいますね。そういう人が参加する時は、内輪だけで固まらないように工夫しています。競技人数が少ないベンチャースポーツだからこそ、クローズにならないように心がけています。
赤木:今の活動で今後やっていきたい事ってありますか?
平田:先にご紹介した競技以外の競技も普及していきたいと思っています。後は私達の仲間で何かしらの競技の日本一になりたいですね。
赤木:日本一!それは凄い。
平田:ベンチャースポーツにはそれくらいの可能性がありますからね。でもまずはスポーツに慣れ親しんでくれる人が増えて欲しいと思っています。
赤木:これはベンチャースポーツに限らずという事ですか?
平田:そうですね。まずはスポーツをする人達を増やす事が大事だと思います。上手い人達だけが楽しむのではなく、誰でも気軽にスポーツに接して、スポーツ全体の規模を大きくしていく事が大事だと思います。
赤木:確かにそうですね。働き方改革によって余暇が増えるとすると、そこでスポーツが貢献できるポイントが生まれそうですし。
▲目指すは日本一。
赤木:ベンチャースポーツが地域に貢献できるポイントってどの辺りにあると思いますか?
平田:ベンチャースポーツに限らず、スポーツの良さは一緒に笑って一緒に泣けるところだと思います。地域の繋がりが薄くなっている中で、ベンチャースポーツで日本一を目指すことで地域の繋がりを強くする事ができます。もしその地域のチームが日本一になったら、その地域は日本一のチームがある地域ですからね。
赤木:確かに、特定の競技で日本一になったということで地域がまとまりそうですね。
平田:例えばカーリングなんかがそうですね。オリンピックの影響で選手たちの出身地が一躍話題になりました。カーリングはウィンタースポーツですしどうしても場所が限られてしまいますが、良い成功事例だと思います。
平田:私は川崎フロンターレのファンなんですが、初優勝した時に凄く泣けました。10年以上応援してからの優勝だったので。
赤木:10年越しの感動は大きいですね。
平田:大人になってからはそういう経験をする事が少なくなってしまいます。大の大人が泣いて叫ぶことってあんまりないですよね。本気でガッツポーズしたりとか。
赤木:確かに、社会人になって誰かが本気で無く姿ってほとんど見なくなりました。
平田:でもスポーツならそれができるんです。そういうものを世の中に伝えていきたい。そして自分自身でも体験したい。そう考えています。
赤木:川崎フロンターレの感動と同じものを色んな人に伝えたいんですね。
赤木:平田さんは今はスポーツ漫画に関するお仕事をされているんですよね?
平田:はい。『スポマ』という、誰でもスポーツ漫画を気軽に投稿できるプラットフォームサイトを運営しています。海外の有名サッカー選手が『キャプテン翼』を読んでサッカーを始めたという話もあるように、漫画はスポーツ普及の大きな推進力になると思います。
赤木:確かに、『スラムダンク』が出てからバスケが一躍メジャースポーツになりましたし、私も『アイシールド21』を読んだおかげでアメフトのルールが理解できるようになりました 笑
平田:例えば漫画でクラブチームを紹介したりするようなコンテンツができればいいと思っています。キャプテン翼はフィクションですが、実在するチームならノンフィクションの作品として出せますから。
▲スポマ社が編集に携わった作品「高速スライダー」。
文:赤木 勇太