2020/02/29 11:00 176PV

相手のジャマをしてはいけない平和的スポーツ!チュックボール普及に懸けるスポタス人【スポタス人インタビュー】

井野大輔

スポタス人とは

スポーツだけではなく、プラスアルファの形でスポーツと関わるキラキラした人物。

スポタスでは、『スポタス人』のインタビューを通じてスポーツとの様々な関わり方を発信しています。

スポタス人紹介

井野 大輔(いの だいすけ)

チュックボール歴は約15年。
2014年アジア選手権に日本代表初選出。
2017年東アジア選手権には選手兼マネージャーとして参加。
2019年、日本初開催の国際大会となった東アジア選手権では、男子日本代表監督に選ばれた。

現在は第一線を退き、日本チュックボール協会理事、東京都立川市を拠点に活動しているクラブチーム代表として、メディア出演など競技の普及活動に務めている。

Facebook
https://www.facebook.com/inodaisuke

Twitter
https://twitter.com/ino_daisuke1114

▲チュックボールのイメージはこちらの動画をご覧下さい。

赤木:まず、チュックボールの歴史からお伺いしてもいいですか?

井野:発祥国はスイスです。1970年にスイスの生物学者が考案したもので、ハンドボールとペロタ(スカッシュを素手や木ベラで打つスポーツ)を組み合わせて作ったスポーツと言われています。

赤木;比較的最近の競技なんですね。ルールもお聞きしていいですか?

井野:見た感じで言うとハンドボールに近いですが、ルールはバスケとバレーを足したようなイメージです。トランポリンみたいなネットがあって、そこにむかてボールを投げる。跳ね返ったボールを相手チームが取れなかったら得点になります。

特徴としては、妨害が一切禁止な点ですね。

赤木:球技ではかなり珍しいですね。何か理由があるんですか?

井野:過去の論文にあるのですが、当時のレジャースポーツは平和的じゃないとされていて、フィジカルが強い人が勝つようにルールが決まっていました。これは学校の体育でもそうで、学校だと運動神経が良い人が目立ってそうじゃない人はパスもらえなくなります。

その為、競技の中で体のぶつかり合いが無く、人を妨害する事を排除する競技が求められました。

赤木:そういった理由があって妨害禁止のルールになったんですね。

井野:身体接触を避けるためにいかなる妨害も避けるようにできています。

赤木:そういった場合、ディフェンスをどうやってするかが悩むところだと思いますが、途中のやりとりに戦略性とかってありますか?

井野:ゴールの跳ね返りについて戦略性が高いと思います。通常、ディフェンス側はボールが跳ね返る方向に動きます。ですので、オフェンス側は相手のいる再度と逆にパスを振ってゆさぶったりします。チュックボールのゴールではネットが自陣と敵陣それぞれにありますが、これはどちらを狙っても得点になります。

赤木:そうすると、パスを反対ゴールに向けて打つ事もできるんですか?

井野:できますね。そういった攻め方を前提にしたフォーメーションや守りのフォーメーションもあります。

赤木:自陣のゴールも相手ゴールも狙えるってことは、コート真ん中から反対側にいきなりロングシュートなんかもできてしまえるって事ですよね?それだとディフェンスは防ぎようがないように思えますが。

井野:その場合、シュートを打って失敗すると相手の得点になるので、簡単にはロングシュートは打てないです。

赤木:失敗というと?

井野:コート外に行ってしまうと失敗とみなされます。また、ネット前に立ち入り禁止エリアがあるんですが、跳ね返ったボールがその立ち入り禁止エリア外に落ちてしまっても失敗とみなされます。

赤木:なるほど、リスクが大きくなるとなかなかロングシュートは打てなくなるんですね。チュックボールの競技人口は何人くらいですか?

井野:国内では1000人くらいですね。世界で言うと50万人くらいいます。チュックボールは日本には1980年に入って、群馬の前橋で1981年に協会ができました。主にレクリエーションスポーツの一環として親しまれています。

赤木:例えば世界大会を目指しているような選手だと何人くらいになりますか?

井野:世界大会目指している人は30~40人くらいですね。

同級生の紹介でチュックボールを始め、日本代表を目指す

赤木:井野さんのチュックボール歴についても教えて頂いていいですか?

井野:チュックボールは15年やっています。

赤木:凄く長いですね!日本の競技者の中でもかなり長い方なんじゃないですか?

井野:いえ、私よりもっと長い人もいて、日本代表の最年長では25年くらい競技をしている人もいます。

赤木:チュックボールを始めたきっかけは何だったんですか?

井野:中学の同級生の紹介です。アルバイトにいったところに中学の同級生がいて、その人に紹介されたのがきっかけです。

赤木:同級生が競技者だったんですね。

井野:バスケみたいにマンツーマンとかできない強度も強くないからできそうと思って始めたんですが、その同級生が打ったシュートが取れなかったのが悔しくて、それで一気にはまってしまいましたね。

赤木:井野さんご自身のスポーツ歴もお聞きしていいですか?

井野:小学校で野球をやって、中学ではバスケをやっていました。

頑張れば日本代表を目指せる競技

赤木:チュックボールの競技としての魅力をお聞きしてもいいですか?

井野:チュックボールの魅力は、スポーツの能力が凄い人じゃなくても日本代表になれる事ですね。

赤木:お聞きする感じだと確かにそうですね。フィジカルが勝ち負けに影響しにくい印象です。

▲JAPANのユニフォームはやはり特別です

井野:例えば何かのスポーツで『日本代表』の看板を持ちたいと思う人にはお勧めですね。そういったガチの目的じゃなくても、運動不足を解消したい人に対してもお勧めです。運動強度もそれほど高くありませんので、カジュアルに楽しむ事ができます。ボールを投げることと取ることができればOKなので、大会ではおじいちゃんおばあちゃんが参加するようなクラスもあります。

赤木:そういった意味では年齢の差があまり無いのも魅力なのかもしれないですね。

井野:そうですね。ぶつかり合いもないので、年齢性別まざってプレーできるのは他の競技と異なる点だと思います。子どもにもお勧めで、私も児童館に依頼されて小学生にやってもらったりします。男女差もなくできる競技ですので男女混合でできるのも良いですね。

赤木:相手の邪魔をしてはならないというルールがあるのが良いですね。

井野:シュートも力じゃなく狙い方を工夫すれば得点が取れますし、運動神経よくない人でもシュート決めてチームが盛り上がります。

赤木:その中でもチュックボールに向いてる人ってどういう人ですか?

井野:競技の特徴として、守備が有利という点があります。相手がシュート失敗すると得点になるので、守りがそのまま攻めにもなるんです。そういった点から考えると、例えば空いているスペースみつけたりできる空間認識能力がある人ですね。あとは相手の動きを予測できるであればポジショニングも上手いので有利です。

子どもの運動能力をチュックボールで向上

井野:チュックボールの利点で言うと、子どもの運動能力向上にも役立つという事が言えます。

赤木;それは他のスポーツと比較してという事ですか?

井野:はい。チュックボールをプレーすると他のスポーツでも活きると思います。例えば先ほどの空間認識力が養われる事で俯瞰でコートを見れるようになります。俯瞰でコートを見る事は集団競技の中でとても大きなアドバンテージになります。他にも車の運転など、日常生活でも役立つ能力が養われますね。小学校から依頼されて子どもにチュックボールを教える時も、相手の動きを予測するように教えています。

赤木:相手の動きを予測するのは個人競技では必須の能力ですよね。

井野:競技の性質として相手の邪魔ができないので、ディフェンスは必然的に相手の動きを予測する必要があります。そういった点を通じて予測力を養う事ができます。それに身体接触が無いので、子どもでも怪我の心配なく競技できるのも良いですね。

赤木:身体接触がない中で怪我する事はそうそう無いですよね。

井野:あるとしたら、ボール取る時の突き指と着地する時くらいですね。人と人がぶつかる事がほぼ無いので、捻挫などもあまり見た事はないです。

企業でチュックボール部を作って盛り上げる為には

赤木:例えば企業内部活動でチュックボール部を始める場合のメリットなどありますか?

井野:新人から上司、男女の能力差がなくフラットにできる競技なので、部や課をそのままチュックボールチームにする事ができる事が利点です。そのまま大会にだって出られますし。

他にはボールを思い切り投げられるのがストレス発散になるという点も良いですね。嫌いな人の顔を思い出してネットに投げたり 笑

赤木:そういう理由で競技をしている人もいるんですね 笑

井野守備の時などはお互い助け合ってプレーするので、助け合いの精神が養われますので、チームの醸成にも良いですね。

世界のチュックボール

赤木:チュックボールで強い国はどこになるんですか?

井野:国で言うと台湾が一番強いですね。国際チュックボール協会も台湾にありますし。男女共にダントツで強い国です。何と言っても小学校の授業でチュックボールをプレーしたりしていますからね。

赤木:小学生の頃からチュックボールに慣れ親しんでいたら強いですね。

井野:ヨーロッパだと地域総合型スポーツクラブでプレーされたりする事が多く、年齢層も幅広いです。アジアの国だと学生が多いですね。台湾だと学生の部活動としても盛んです。アジア・ヨーロッパは世界的に見ても強豪地域ですね。

赤木:日本のランキングってどのくらいに位置していますか?

井野:世界50か国の中で44位くらいですね。ただこれは必ずしも実力を反映している訳ではなく、国際大会に出てないとポイントがつかないという点も大きいです。

赤木:実力的にはどれくらいだと思いますか?

井野:実力的には大体ベスト16くらいだと思います。アジアは激戦区で台湾のブロックに入ってしまうとそこで負けてしまうのでなかなか戦績を出すのが難しいですが。実際、世界大会ベスト8の半分がアジアの国なので、激戦地域ではあります。

赤木:台湾がダントツと仰っていましたが、例えばコーフボールでも台湾は凄く競合だと聞きました。台湾ってそういったベンチャースポーツに特化した施策があるんでしょうか?

井野:それで言うと、台湾の学校制度や進路指導に特徴があります。台湾では小学校や中学校で得意なスポーツを見極めて、強豪校に進学するのが一般的です。学校によってある部活動がバラバラなので、ベンチャースポーツが強い高校がある環境です。

赤木:日本だと生徒数の多い学校以外はほとんど一部のメジャースポーツだけですからね。

井野:あとは国民性もありますね。何でもいいから中国に負けないようにしたいという機運があるように思えます。例えばベンチャースポーツでも台湾代表の遠征は政府から補償が出たりしますし。他には体育館が多い事も有利な点です。台湾はバスケが人気で体育館が多くあるんですが、バスケのコートがあれば他のベンチャースポーツもかなりカバーできるので、普通の公園や空き地と同じ感覚で体育館があるのはとても良い環境です。

仕事と競技両立のコツ

赤木:競技者としても競技普及者としても活躍されていると思いますが、仕事と両立していく上で意識しているポイントなどありますか?

井野:私の場合は選手としては一線から退いているので厳密に競技者と言えるかは微妙ですが、会社員として、面接段階でチュックボールやってる事を言って了承頂いているのは大きいです。

赤木:入社時点で会社の了解を頂いているのは凄いですね。

井野:職場の協力を得られているのは大きいですね。チュックボールの世界大会で協賛金だして頂いたりもしていますし。その代わりちゃんと仕事はこなすようにしています。言われた事以上をやって『信用の貯金』をつくるようにしていますね。

赤木:『信用の貯金』というのは分かりやすいですね。例えば大会の予定と仕事が重なったりした事はないですか?

井野:それは無いようにしています。事前に諸々調整して、前もって穴を埋めるようにしていますので。今までそれでトラブルになった事はないですね。

赤木:今までに何人もベンチャースポーツ競技者の方にお話お聞きしましたが、皆さん会社でも活躍されているんですよね。やはりそういった『自立心』みたいなものがベンチャースポーツを通じて養われるのかもしれないですね。

今後の目標

赤木:今後の目標や目指していきたい事など教えて頂いても良いですか?

井野:今、立川でチュックボールのチームを運営しているんですが、ここを日本のチュックボールを牽引する存在にしたいですね。それは競技者としての牽引というより、競技普及の意味合いです。他にはチームにスポンサーを得る為の活動もしていきたいです。チュックボールの活動をビジネス化して収益できるようなモデルを作っていきたいです。

赤木:ベンチャースポーツで収益化は凄いですね。

井野:可能性はあると思っています。お陰様で国民的アイドルユニットの冠番組に呼んで頂いた事もありますし、それがキッカケでファンの女性から私のTwitterアカウント宛てに参加希望のDMがきたりしていますので。

赤木:追い風が吹いてる感じですね。

井野:これはチュックボールに限らず他のベンチャースポーツにも言える事ですが、とにかく食わず嫌いせずに一度やってみて欲しいと思いますね。体験会に来てくれた方のリピート率って凄く高くて、満足度もとても高いです。ぜひ一度チュックボールに触れて頂きたいと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

チュックボールの普及、仕事との両立。沢山のノウハウの詰まったインタビューだったのではないでしょうか。

スポタスでは『スポーツ+何か』を持った人をこれからもご紹介していきます。

この記事の記者紹介
スポタス編集部

おすすめ記事

【SPOTAS+新歓】vol.3 早稲田大学CROSST.C.

  『入学式が中止になって新入生を勧誘できない!』 『このままだとサークルの継続が難しくなってしまう!』 こういった声が増えています。 スポタスではこうした声に応えるべく、大学のスポーツサークルを記事として紹介していきたいと思います。 今回ご紹介するサークルはこちら――― 早稲田大学CROSST.C. ────活動地域を教えて下さい。 主に木場公園や浮間公園、稀に井の頭公園や上水公園でも活動しています。 ────レベル(例:初心者~上級者まで)を教えて下さい。 レベルは初心者から中級者まで様々で、初心者でも1から教えるので大丈夫です。   ────サークルの目標はありますか? 目標は新早連2部昇格、そして楽しくしっかりテニスをすること、です。   ────練習頻度を教えて下さい。 練習頻度としては曜日不定で週2回行っているので、時間割が苦しいという方でも月に1回は参加出来るとおもいます。   ────直近の練習日程と場所を教えて下さい。 新型コロナウイルスの影響でテニスコートが使えない為、直近の練習についてはまだ見通しがたっていません。   ────年間スケジュールを教えて下さい。 5月、8月、10月、2月にそれぞれ新歓合宿、夏合宿、強化合宿、春合宿があり、春と秋には対抗戦があります。年数回のイベントでも交流を深めています   ────問い合わせ先があれば教えてください。 こちらのメールアドレスまでお気軽にお問合せ下さい。 hazuki2624@icloud.com ────最後に読者の皆さんにPRをお願いします。 このサークルではしっかりテニスをしているので、テニスが大好き!という方には特におすすめです。また、私達はお酒の強要を一切しませんので、そのような心配入りません。CROSS一同新入生の方々を心よりお待ちしています! 早稲田 CROSS T.C. 35thのTwitterはこちら Tweets by CTC35th
2020/05/12 39PV

  • インタビュー

自宅でもできる次世代のチャンバラ"SASSEN"、その魅力とは【スポタス人インタビュー】

スポタス人とは スポーツだけではなく、プラスアルファの形でスポーツと関わるキラキラした人物。 スポタスでは、『スポタス人』のインタビューを通じてスポーツとの様々な関わり方を発信しています。 スポタス人紹介 本村 隆馬(もとむら りゅうま) 1990年生まれ  生涯スポーツ・全日本サッセン協会 Japan Sassen Association(JSA) 代表 兼 JSA公認上級インストラクター 日本空手道 風林火山武術道場 師範代 2016年に"SASSEN"という新しい競技を立ち上げ、普及に挑む。 HP:https://sassen.jp/ Twitter:https://twitter.com/sassen_frkz Instagram:https://www.instagram.com/sassenjp/?hl=ja ITの力で侍の戦いを再現 赤木:まず、SASSENという競技について教えて下さい。 本村:SASSENのコンセプトは"ITの力でサムライの勝負を現代に再現する"というもので、私達はこれを次世代スポーツと呼んでいます。SASSENでは"SASSEN刀"という発泡ポリエチレンの刀にセンサーを内蔵させて相手と戦います。SASSEN刀が相手に当たるとセンサーが反応して、連携しているスマートフォンのアプリ上に判定が表示されるしくみです。こうすることで、相手に怪我させることなくサムライの勝負をする事ができます。  ▲試合のイメージ動画 ▲SASSEN刀。内部に小型のセンサー(圧力センサー)が入っていて、Bluetoothでスマートフォンアプリに送られる仕組みになっています。   赤木:最新のテクノロジーを使って昔の戦いを再現するっていうコンセプトが面白いですね。誰でも小さい時は道端の棒を持ってチャンバラごっこをしたことがあるでしょうし、そういう童心に帰る意味でも面白そう。この競技はどうやって生まれたんですか? 本村:元々私の実家が空手の道場で、父が師範、私は師範代でした。40年くらい続いている道場で、護身術を主としています。その中でナイフで襲われた時の対策や捌き方の訓練としてSASSEN刀を使っていたのが始まりです。 赤木:最初は護身術の訓練用だったんですね! 本村:と言っても最初からあの形じゃなく、最初はエアコンの断熱ホースを使ってたんですけどね 笑 もちろんセンサーなんかは入っていません。こういうのは私の道場だけじゃなく、他の道場でも似たような訓練としてやっていると思いますし、遡るとお侍さんの稽古でもあったんじゃないかと思います。 それが私の道場では、門下生の方や子どもさんが訓練自体を面白がって、最近になってレクリエーションになりました。SASSENの名前がついたのは平成28年の12月22日です。 赤木:本当にまだできたばかりの競技なんですね。 本村:特許を取ろうという事になった時に名前が必要だったんで、そこでSASSENという名前にしました。由来は「颯爽(さっそう)と、風を切るさま」という意味である颯然(さつぜん)から取ったものです。その他にも、宮本武蔵の二天一流剣術「指先(さっせん)」からもヒントを得たことから、口にしやすいよう「SASSEN(サッセン)」と呼んでいます。 優秀なエンジニアの相棒とタッグを組んで実現 赤木:このSASSEN刀にしてもアプリにしても作るのに技術がいると思うんですが、これはどうやって作られたんですか? 本村:開発者が元々筑波大学の出で、ロボカップで世界2位にまで入ったエンジニアなんですが、実は地元が同じでたまたま同じ道場に通ってたんです。それでたまたま同席した会合で「こういう訓練をやってるんだけど、どっちが早く当てたか分かったらいいのに・・・」と相談したところ、「普通にできますよ」と言われ、そこからSASSEN刀やアプリの開発がスタートしました。 赤木:凄い偶然! 本村:これは武道をやっている者だと誰しもが思った事があると思うんですが、判定を正確にしたいという気持ちがあって、それを機械で解決できるなら凄く面白いなと思って、SASSEN刀やアプリの開発が始まりました。最初は武道に関わる人達向けに広めようとしていたんですが、誰でも楽しめる生涯スポーツとしてもニーズがあると分かったので、そこから競技としてのSASSENができてきました。 年齢・性別関係なく誰でもどこでも手軽に戦える 赤木:SASSENのルールについて教えて頂けますか? 本村:SASSENのルールは日々変わっていて、大会によっても規定が変わっていますが、基本のルールは以下になります。 公式ルール【2020年度】 ・試合時間は60秒。・選手は専用のセンサー付きSASSEN刀を持ちます。 ・フィールドは5m×5m 内で行います。 ・攻撃できるのは1試合を通して5スイング(5打)まで。相手の体(頭部は除く)に1打当てると「一本」となります。 ・「二本」先取 もしくは 60経過時点で本数の多いほうが勝利。 ・フィールドの外に出ると「場外」として相手に一本。 【禁止・反則事項】 故意に相手を攻撃する行為 センサー刀を相手に投げること その他主審が危険とみなす行為 (相手に怪我を負わせる可能性がある行為は状況をみて禁止。相手に1本もしくは失格とします。) 赤木:凄くシンプルですね。相手にSASSEN刀を当てるだけっていうのは分かりやすいし、子どもでもすぐ覚えられそう。 本村:本当に仰る通りで、ルールが分かりやすいというのは競技のハードルをかなり下げてくれます。 赤木:怪我をさせる事がないというのも良いですね。 本村:相手が高齢者でも同じルールでできますし、相手に怪我をさせる心配もなくできます。 赤木:実際に高齢者の方がSASSENをされるケースってありますか? 本村:そうですね。小学校5年生と70歳のおじいちゃんが戦って、おじいちゃんが勝ったという事もあります。お孫さんと戦って勝ったりする事はできますね。他にも老人ホームでレクリエーションとして楽しんで頂く事もあります。 赤木:似た競技としてスポーツチャンバラがあると思うんですが、スポーツチャンバラとの違いってどの辺りにありますか? 本村:やはり大きな違いはセンサーの有無ですね。あとはSASSENの方がよりカジュアルな雰囲気でできると思います。誰でも簡単にできるので、できるだけ"武道感"を出したくないと思っています。 赤木:例えば企業の部活動でやる場合におススメのポイントなどありますか? 本村:まずは運動不足の解消ですね。SASSENはルールがシンプルなので、やってみると目の前の戦いに集中できます。そのため短い時間でも体力を使う事ができます。他には団体戦でのチームワークですね。格闘技の試合のように先鋒~大将戦までやっていけばそこでコミュニケーションが生まれます。 赤木:例えば学生の採用活動でも活用できそうですね。 本村:スペースとSASSEN刀とアプリがあればその場ですぐできますからね。着替えなくてもできますし。 赤木:スペースも会議室くらいの広さがあればできそうですし、そういう意味でも良さそうですね。 人を傷つけない競技として 赤木:本村さんのスポーツ経験についてもお聞きしていいですか? 本村:私は3歳の頃から空手をやってきています。私の道場では『負けない、人を守れる、相手を怪我させない』という点を大事にしていて、それは今のSASSENのルールにも繋がっています。自分を鍛えるけど、技を披露しない。それでも何かあった時には自分や周りの人を守れるように鍛えておく。こういった考えが源流にあります。 赤木:確かに、人を傷つけないという点に一番の重きを置いているのはSASSENに通じるものがありますね。 自粛生活のストレスを自宅で解消!7つの家遊び 赤木:SASSENをやろうと思ったらどこでできるんですか? 本村:東京では秋葉原のA-LABOという場所で体験する事ができます。5月の30日・31日には関東大会も企画していますが、新型コロナウィルスの影響があるので確実に開催できるとは言い切れない状態です。ですが、代わりにSASSEN刀を使って家でできる遊びをYouTubeにアップしています。SASSEN刀の販売もしていますので、これを使ってSASSENを体験して頂けます。  赤木:自宅でもできる遊びは有難いですね。特に子どもはストレスが溜まってたり、運動不足で眠れなかったりしているみたいですし。 生涯スポーツとしてのSASSENを追求 赤木:今後の目標など教えて頂いていいですか? 本村:年齢・性別・手軽さを追求して誰もがSASSENをできるようにしていきたいです。例えば幼稚園・小学校・高齢者施設などで広めたいですね。ITについては機能を追加して手軽さを追求していって、将来的にはパラリンピックみたいなところも目指していきたいと思っています。 文:赤木 勇太   
2020/05/02 121PV

  • インタビュー