2020/02/22 10:00 309PV

新感覚ARテクノスポーツ『HADO』のトップチームインタビュー【スポタス人インタビュー】

スポタス人とは

スポーツだけではなく、プラスアルファの形でスポーツと関わるキラキラした人物。

スポタスでは、『スポタス人』のインタビューを通じてスポーツとの様々な関わり方を発信しています。

スポタス人紹介

チーム名:わちゃごな☆ピーポー

ARテクノスポーツHADO日本ランキング4位チーム。HADO誕生期より続く最古参チームであり、HADO WORLD CUP2017年の優勝チームでもある。HADO界を代表するチームとしてHADOの競技普及活動を行う。

【メンバー】

KODAI(写真左端)

TAKA(写真右端)

SHOTA(写真中央左)

YUKARI(写真中央右)

DAI(監督兼メンタルコーチ。写真後掲)

Twitter:https://twitter.com/massy47

Facebook:https://www.facebook.com/gonna.wacha/

 

▲HADOの様子はこちらの動画を参照下さい。

新感覚スポーツHADO

赤木:まずはHADOについてお伺いしても良いですか?

KODAI:HADOはAR(拡張現実)の技術を使った『テクノスポーツ』と呼ばれるジャンルの競技です。eスポーツの一種とも言えますが、ARスポーツとも呼ばれます。3対3のチーム戦で、エナジーボールと呼ばれる光の球を打ち合ってライフと呼ばれる4枚の羽根を削ってポイントを取り合います。選手はスマホ内蔵のゴーグルをつけてそれらを見る事ができ、エナジーボールが当たらないようにかわしたり、シールドと呼ばれる防御壁でガードしたりできます。

赤木:エナジーボールはどうやって発射されるんですか?

KODAI:腕にipodtouchのアームセンサーを巻き付けているんですが、そのセンサーが腕の動きを感知して発射されます。

赤木:イメージとしてはサバイバルゲームやドッジボールに近い印象ですね。「こういう人はHADOに向いてる」みたいな適正などはありますか?

YUKARI:特に無いかなぁ。

KODAI:直接的な人体接触が無い競技なので、体格差は関係ないですね。他の国の代表選手にも小柄な選手はいますし。

SHOTA:デバイスを使った競技なのでゲーム要素も出てきますから、どれだけやり込めるかという点も大事ですね。ゴーグル越しの画面で相手の動きを見極めるスキルなども重要ですね。

KODAI:スポーツ競技者がHADOを始めるパターンと、ゲーム好きがHADOを始めるパターンとありますね。

YUKARI:確かに、どれだけやり込んだかは重要ですね。

SHOTA:どれだけ運動神経が良くても、マーカー(背後の壁)から視線が外れると羽が動かなくなってしまいますし、デバイスに慣れないと勝てないというのはありますね。

赤木:羽が動かなくなるとどうなるんですか?

KODAI:自分はエナジーボールを躱してるつもりでも、的が止まっている状態では意味がありません。

DAI:ちなみに横を向いてしまうと反則になります。ゴーグルの額にセンサーがついてて、それが相手の壁を感知して羽の動きになりますので。

▲監督兼メンタルコーチのDAIさん(写真右)

赤木:デバイスによってかなり制限を受けるんですね。ゴーグル越しの視界は見えにくくないですか?

SHOTA:慣れれば大丈夫ですよ。ポケモンGOなんかも現実世界にARでポケモンが出てきますよね。それに近いイメージです。

それぞれのHADOを始めたきっかけ

赤木:皆さんがHADOを始めたきっかけについてお聞きして良いですか?

SHOTA:僕は『ソクスポ』という色んなスポーツを体験するイベントがキッカケです。ソクスポで色んなマイナースポーツをやっていた時にHADOに出会ってのめり込みました。他にも色んなスポーツをソクスポでやったんですが、ずっとやりたいと思ったのはHADOでした。元々SFとかが好きだったんで、プレーしてて心躍りましたね。

KODAI:僕はTAKAさんに誘われたのがきっかけです。TAKAさんがHADO WORLD CUPの広告を見たらしく、もんじゃ焼き屋で誘われたのが最初です 笑

その時は「よく分からないスポーツのよく分からない大会に誘われた」って感覚で、あまり行きたくなかったんです 笑 それが2016年のHADO WORLD CUPでした。

赤木:渋々参加したデビュー戦がワールドカップって言うのも面白いですね 笑

KODAI:TAKAさんと僕とYUKARIさんは元々ダンス仲間で、YUKARIさんはプロのダンサーです。それでチームを組んで出場したんですが、当日ちょっと練習しただけで結構勝てて、本気でやったらもっと上を狙えそうだなと思って今に至ります。

YUKARI:私も最初は「TAKAさんがまた変な事言ってるけど、付き合いで行くか」くらいの感覚でした。

赤木:TAKAさん発信で始まったんですね。TAKAさんはどうやってHADOを知ったんですか?

TAKA:Facebookで友達が「面白そう」ってつぶやいてて、そのリンクを辿って見つけました。

赤木:よくそれでやろうと思いましたね 笑

TAKA:最初はスルーしてたんですけど、2回目に見かけた時に「やってみようか」と思って 笑

KODAI:それでこの3人と後のわちゃわちゃ☆ピーポー(HADO日本ランキング1位)の選手で出場したんです。ちなみにHADO WORLD CUPは2016年から始まってますが、2016年から直近開催された2019年のHADO WORLD CUPまで出場しているのはわちゃごなピーポーだけです。

SHOTA:TAKAさんがチームを作って無かったらわちゃごなピーポーも無かったんですからね。そう考えたらレジェンドの3人です。凄く恐れ多い 笑 画面に流れてる3人を見てカッコいいと思って、半年後には自分も入っていました。

YUKARI:私はその後わちゃわちゃ☆ピーポーに所属して、去年の9月にわちゃごな☆ピーポーに移籍しました。

赤木:HADOではチーム移籍は結構頻繁にあるんですか?

KODAI:結構ありますね。よりレベルの高いチームを求めたり、一度辞めたけどオファーをもらって再度所属したりと、背景は様々です。

赤木:DAIさんはメンタルコーチという立場でチームに関わっていると思いますが、いつからわちゃごな☆ピーポーと関わりがありましたか?

DAI:関わり始めたのは9月ですね。SHOTAと同じく、ソクスポでHADOを体験したのがきっかけです。SHOTAともそこで知り合って、彼がわちゃごな☆ピーポーにジョインした半年ほど後に私も参加しました。

メンタルコーチの存在

赤木:先日のHADO WORLD CUP 2019でも思いましたが、わちゃごな☆ピーポーは追い込まれてからが強いですよね。その辺り、やはりDAIさんの存在が大きいですか?

SHOTA:そうですね。負けてる状態でもDAIさんと練習したコミュニケーションを取る事でひっくり返す事ができたりしています。

KODAI:以前は負けるとしゅんとなって声出なくなるんですが、今は何があっても気持ちをフラットに戻せるようになりました。今回のHADO WORLD CUPは特にそれが大きかったですね。

赤木:他のチームにもDAIさんみたいな役割の方っているんですか?

DAI:そうですね。ゲームに入る前のメンタルを整える役割の人はいます。僕らはゲーム中のメンタルの整え方を3か月くらいかけて探していました。それで、お互いに声を出し続ける事でチームの雰囲気が良くなると分かって、最終的にはゲーム中も声を出しあうようにする事を決めました。

KODAI:勝てた試合は練習の時にできた事がうまくできてました。逆に負けた試合は練習の時にできた事ができていなかったですね。

赤木:HADO WORLD CUPの決勝トーナメントは2ゲーム先取のルールでしたが、ゲーム間にどんなやりとりをしているんですか?やっぱり「次はこうしよう!」みたいな話とかですか?

YUKARI:その辺りは事前に決めてるので、戦術的な話はあんまりしないですね。空いてる時間は円陣組んで、「最後まであきらめねーぞ!」みたいにワーワー言ってます。

KODAI:コミュニケーションの声とレスポンスについてルールを決めていましたんで、その通りに進めていましたね。

DAI:チームの『ノリ』や流れを意図的に作るように事前に決めていました。

KODAI:DAIさんがジョインしてくれるまではその辺りがよく分かってなく、勝ってる時の共通点が見えていませんでした。それが分かるようになって、自分達で意識的にそれを再現するようにしています。

突然のアクシデントとそれを超えての勝利

SHOTA:実はHADO WORLD CUPはTAKAさんがスタメンで出る予定で戦略を決めていました。

TAKA:ところが前々日に急性腸炎になってしまって。

赤木:それはピンチですね!

KODAI:点滴打ったりして何とか回復してもらって、僕らはTAKAさんが出られても出られなくてもいける準備だけしていました。それで当日の朝に復活したとTAKAさんから連絡があってホっとしたんですが、今度はギックリ腰になってしまったんです。

赤木:立て続けにピンチが訪れますね。

KODAI:まずは物販ものをどうやって運ぼうかってところから始まりました 笑

DAI:TAKAさんは去年も監督枠で選手としては出場していませんでしたが、そこから復帰して1年トレーニングを積んでいました。そこでこのアクシデントなので、チームの動揺は大きかったですね。

SHOTA何とかTAKAさん抜きで予選リーグに挑んだんですが、2試合目で負けてしまい、3試合目で勝てないと決勝トーナメントに上がれなくなります。でもそこで戦う相手が『あひる組』という強豪で、今までほとんど勝てなかった相手です。僕らの中にも諦めに近い空気が流れてました。

でもそこでTAKAさんが駆けつけてくれたんです。腰が痛いのでまともに歩けない状態で、壁沿いに這いながら来てくれて。その姿を見て、「ここで負けられない」と火がつきました。あの場面でTAKAさんが来れなかったら勝ててたかどうか分からないですね。

KODAI:本当、TAKAさんは来れないと思ってましたね。

YUKARI:壁沿いを歩く姿を見て思わず笑ってしまって 笑

KODAI:良いリラックスになって、同時に「やるしかない」と気持ちが一つになりました。

SHOTA:それであひる組に勝てたんですが、TAKAさんが跳ねあがりながらステージに上がって来て、凄い心配しました 笑

TAKA:痛み止めで無理矢理痛みをごまかしてました 笑

DAI:ギックリ腰で痛いはずなのによく歩けるな~と思いましたね。

TAKA:朝起きた時は1時間くらいヒキガエルみたいになってましたよ 笑

KODAI:厄年だったんですよね?

TAKA:そう、今年は厄年 笑

KODAI:それ、前にTAKAさんから聞いてたからフラッシュバックしましたよ。

YUKARI:TAKAさんが出るなら私はスタメンにならない予定だったんですけど、なんだかんだで自分は出ないだろうって気持ちと、出たいって気持ちの両方がありました。だからTAKAさんのギックリ腰の話を聞いた時、自分がTAKAさんの分まで戦おうと決意しました。最初はフィールド外から叫んで応援するイメージでいたんですけどね 笑

印象に残った試合

赤木:激戦が続いていたと思いますが、その中でも特に印象に残ってる試合ってありますか?

KODAI:やっぱり『わちゃわちゃ☆ピーポー』との試合は特別でしたね。

DAI:わちゃわちゃ☆ピーポーは漫画の『スラムダンク』でいうところの『山王工業高校なんです』

赤木:山王工業高校というと、高校バスケの絶対王者みたいなチームですよね?

KODAI:そうです。現日本ランキング1位のチームで、前日にも練習試合をしてたんですが30試合やって4回しか勝ててないようなチームです。

DAI漫画では主人公のチーム『湘北高校』が全国大会2回戦でこの山王工業と当たります。わちゃごな☆ピーポーも、決勝トーナメント1回戦でわちゃわちゃピーポーと当たりました。その試合で勝つ事ができたのは本当に漫画みたいな話でしたね。

DAI:このあたりは特にYUKARIさんが感じてたんじゃない?

YUKARI:元々わちゃわちゃ☆ピーポーに所属してグランドスラムも取った事がありますし、多くの経験をさせてもらったチームだったので、色んな気持ちがありましたね。あの試合で全部やりきった感じがあって、ヘロヘロで疲れ切ってしまいました。

KODAI:実はわちゃわちゃ☆ピーポーは僕らと兄弟チームで、毎週一緒に練習しています。月200試合くらいは練習試合していますし。お互いにリスペクトがあるので、あの大舞台で勝てたのは嬉しいですね。それでもわちゃわちゃ☆ピーポーは強くあり続けてくれるチームだし、目標でもあるチームですからまだまだ学ぶ事は多いです。ある意味感謝の気持ちもあります。

YUKARI:バスケのブザービーターじゃないですが、最後の0.1秒まで諦めない気持ちで向かっていくことができたと思います。

DAI:前に皆で「チームとして何を大事にするか」を話合った事があります。底力が大事だと言うのは共通の認識であったんですが、SHOTAさんは無邪気さや魅せるプレーを、KODAIさんはエンターテイメント性、YUKARIさんは熱さ、TAKAさんはスポーツマンシップと、それぞれ大事にしているものがありました。HADO WORLD CUPではそれらが形になったと思います。

YUKARI:前の大会とかでは全くかみ合わなくて、大丈夫かと心配していましたけど、最後に皆の理想が一つになりました。

KODAI:大会を盛り上げた『ベストパフォーマンス賞』を取る事ができましたが、自分達でそういう実感は全く無かったんですが、そういったものが伝わったのかと思えて嬉しかったです。

YUKARI:自然にやってたので、「え!?自分達が?そんな賞あるの?」って感じでした。

DAI:漫画の『スラムダンク』で安西監督が「ぶるっ」ってきたのって分かりますか?

赤木:主人公チームの監督ですよね。主人公の桜木花道が自分の期待を遥かに超えるパフォーマンスを見せたとき、「ぶるっ」って震えたんですよね。

DAI:今回のHADO WORLD CUPはまさにそんな感じでしたね。

赤木:確かに、逆境の中、一人一人の個性が噛み合ってチームとしての力を発揮する姿はスラムダンクを彷彿としますね。

目指すはHADO界の発展

KODAI:一年前、TAKAさんとやってる時は勝つ事しか考えてませんでした。でも今は順位が下でも、自分達のやりたい事が明確、それがHADO WORLD CUPで伝わったのが嬉しいですね。

YUKARI:確かに。昔は一位以外は考えられなかった。

KODAI:お客さんも少なかったですし、昔は自分達の勝ち負けに重きを置いていましたね。

赤木:これから先の方向性などは皆さんの中で決まっていますか?

SHOTA:実は今度、これからのチームの事を話し合う予定なんですが、個人的にはHADO自体をもっと盛り上げていきたいと思っています。チームとして魅せる事、勝つ事も大事ですけど、わちゃごな☆ピーポーからHADOを盛り上げる活動を増やしていきたいです。後は小さい子の為のキッズスクールとかもやっていきたいですね。

KODAI:僕もSHOTAさんに近いですね。HADOは楽しいし、個人としてもチームとしてもトップを目指し続けたいです。でもそれを追い求めるには、HADOが続いている事が大事です。もっと言うと、HADOでお金がまわるようにする必要があります。わちゃごな☆ピーポーとして、自分達以外にもHADOにのめり込んでくれる人が増えるような世界を作りたいですね。

今までは多少はできていましたけど、外を見れていませんでした。これからプレーヤーとしての練習と並行して、外を目指してHADOを普及するような動きをしたいですね。

YUKARI:HADO界では女性は1割~2割程です。私はHADO界で女性プレーヤーを増やして、男女比率を同じくらいにしたいと思います。HADOは女性だから男性に勝てないというわけじゃありません。だから女子選手の代表として、男女で一緒にできるスポーツを目指してもっと女性プレーヤーを引っ張っていきたいと思っています。その為にも女性初のゴールデンエナジー賞(個人MVP)を獲れるようになりたいですね。

TAKA:ウチのチームはこの3人みたいに外に向かって打ち出せるメンバーが多いので、自分はチームの中身、底固めをしたいと思います。今のチームは初めて3か月の粗削りなチームで、HADO WORLD CUPでは偶然、一瞬歯車がかみ合いました。これが外れないようにできるようしたいです。

なんだかんだで他の大会では負けているので、負けてる理由を見つけて改善していきたいです。個々のスキルが変わっている訳ではないので、そこをいかに伸ばして、本当の頂点を目指していきたいです。

後は個人としては最年長プレーヤーとして現役を続けていきたいと思います。サッカーのキングカズ(三浦知良)は52歳で現役ですが、カズが引退する年齢までは続けていきたいと思います。

DAI:長期的な目線で言うと、愛されるチームを作りたいと思います。スポーツチームである以上、強さから外れては駄目です。でも強さだけでも良くない。人に勇気を与えられるチームを目指していきたいです。HADO WORLD CUPでは見ていた人に「見ていて勇気をもらえた」と言ってもらえました。自分達のプレーを見て、人が勇気を持ってもらえるようなチームであるようにしたいですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

HADOという次世代でトップを走りながら、競技の普及を目指す姿は他競技のトップ選手と同じと感じました。

スポタスでは『スポーツ+何か』を持った人をこれからもご紹介していきます。

この記事の記者紹介
スポタス編集部

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