2020/02/01 10:00 661PV

アルティメット元日本代表×競技協会×会社員として競技普及を目指すスポタス人

アルティメット 中野

スポタス人とは

スポーツだけではなく、プラスアルファの形でスポーツと関わるキラキラした人物。

スポタスでは、『スポタス人』のインタビューを通じてスポーツとの様々な関わり方を発信しています。

スポタス人紹介

中野 源一(なかの げんいち)

1994年生まれ、神奈川県川崎市出身。慶應義塾高等学校卒業。
2017年3月慶應義塾大学経済学部卒業
2017年4月株式会社リクルートキャリア入社、2019年4月退職
2019年5月Ascenders株式会社入社、東京都フライングディスク協会事務局を兼業

大学生からフライングディスクを使った競技「アルティメット」に取り組み、元日本代表選手として代表復帰に向けて現役選手として活動中。アルティメットの2028年の五輪種目化に向けて、競技者としてだけでなく国内での普及活動にも尽力している。主には東京都内の小中学校を中心に、授業内もしくは放課後での競技体験会の企画・運営を行なっている。また、Ascenders株式会社では前職の人材業界での経験を活かし、スポーツ業界の企業に特化した採用支援に取り組む。

Twitter:https://twitter.com/gnch_ultimate

東京都フライングディスク協会:https://www.flyingdiscs.tokyo/

 

▲アルティメットの競技はこちらのイメージ動画を参照下さい

「日本代表になれる」と言われてアルティメット選手に

中野源一

赤木:アルティメットはいつから始められたんですか?

中野:大学に入ってからですね。アルティメットという競技の事を知ったのは高校3年生の時、テレビでアルティメットのワールドカップ特集をやっていたのを見たのが最初です。でも高校3年生まではサッカーをやっていて、10年くらいゴールキーパーでした。

赤木:ずっとサッカーをした後でアルティメットに転向されたんですね。確かにゴールキーパーならキャッチの専門家ですし、イメージは合いますね。

中野:大学でサッカーを部活としてやるイメージがわかなかったので、大学に入ったら別の競技を始めようと思っていました。そんな時、大学の新入生歓迎会に誘われて参加したんですが、そこにアルティメット日本代表の先輩がいて、「君も日本代表になれる」と言われたのが一番の決め手でした。

赤木:ベンチャースポーツ競技者にとって一番のキラーワードですね 笑

中野:やはりスポーツをやってきた人間として、日本代表として日の丸を背負って戦うのは憧れますからね。

アルティメットの競技性

赤木:アルティメットと言うと、フライングディスクを使ったラグビーというイメージですが。

中野:そうですね。ラグビーやアメフトの要素も有りますし、ディスクを持ったら歩いてはいけないというという制限があったりしますのでそういう意味ではバスケにも近いです。

赤木:競技人口は何人くらいですか?

中野:日本では5000人くらいですが、世界では15万人ほどいます。

赤木:決まったポジションってあるんですか?

中野:パス専門のプレーヤーやランプレー専門のプレーヤー等、ざっくりとした役割は決まっています。

赤木:『こういった競技経験者が向いている」という適性みたいなものってありますか?

中野:実は不思議なくらいに『この競技経験が有利』っていうものが無いんです。実際にアルティメットをやっている選手のバックグラウンドは多様で、野球・サッカー・バスケ・バレー・空手や少林寺経験者もいます。

赤木:本当に様々ですね。

中野:必要な能力で言うと、走る・投げる・取る・飛ぶといった要素が大事になりますが、その中でも最も重要なのは走りの点ですね。

赤木:中野さんご自身の得意なプレーなどはありますか?

中野:やはりキャッチングですね。元々ゴールキーパーだった事もありますので。ただ、世界と戦う場合は空中戦で勝ちづらくなってしまうのでその点は難しいなと感じます。

赤木:アルティメットというとアメリカが強いと聞きますが、やはりフィジカルの差が大きいですか?

中野:フィジカルもですが、アメリカではそもそもフリスビーを投げる文化がベースにあるので、小さい頃からフリスビーを投げる事に慣れているのが大きいですね。

赤木:確かにそのイメージはありますね。向こうでは親子のキャッチボールの代わりにフリスビーやアメフトのボールを投げたりしているらしいですからね。

中野:日本でフリスビーを投げだすのは大学からが多いので、その差は大きいですね。

大学在学中に日本代表選手に!

赤木:大学からアルティメットを始めたという事ですが、そこから日本代表にまでなったんですよね。

中野:そうですね。日本代表は大学3年生の時に選抜されて、アジアオセアニアのミックス(男女混合)部門に参加しました。4年生の時にはワールドカップにも出場しています。

赤木:先輩に言われた通り、日本代表になって活躍されたんですね。

中野:はい。当初の目標は達成できたので、アルティメットは学生で引退するつもりでした。ですが就活終わってすぐにワールドカップに出場して、そこでは6位に終わりました。

赤木:十分凄い結果だと思いますが、、

中野:それでも男子は決勝まで進出して、スタジアムで決勝を迎え、私は観客席でそれを応援しているだけというのが悔しくて、「同じ日本代表なのに…」と強く思いました。それが理由で、社会人になってもアルティメットを続けることにしました。

赤木:社会人になってからの戦績もお聞きして良いですか?

中野:社会人1年目の終わりに24歳以下のワールドカップのミックス部門にキャプテンとして出場し、準優勝しました。あとは3年目の6月と7月にアジアオセアニアのビーチアルティメットと通常のアルティメットのミックス部門でそれぞれ準優勝となっています。

赤木:学生時代の無念を晴らす事ができたんですね。

中野:とはいえアジアの他の国もレベルアップしていますので、その中で上位でありつづけるのはなかなか難しくなってきています。

赤木:その辺り、競技人口の増加も関わってきそうですね。

中野:アジア全体の底上げを考えると良い事なんですけどね。現状ではアメリカがダントツに強いので、そこに対抗する為にはアジア全体としてレベルアップしていく必要がありますので。

言葉の壁、宗教の壁、性別の壁を超えるアルティメット

赤木:中野さんから見て、アルティメットの魅力って何だと思いますか?

中野:競技者目線で言うなら、やはり日本代表が狙えるところでしょうか。やはり国を背負って戦える事はとても魅力です。他には国際交流の観点でも魅力を感じています。

赤木:国際交流ですか?

中野:これはアルティメットに限りませんが、スポーツは言葉の壁や宗教の壁、性別の壁を超える事ができると思います。特にアルティメットはセルフジャッジ制で、ワールドカップでも審判はいません。ですので判定をする上で選手同士のコミュニケーションが必要になります。

赤木:ワールドカップでも審判がいないのは驚きですね。セルフジャッジならちょっとぐらいズルしてしまおうとか思ってしまいですけど 笑

中野源一

中野:その辺りは皆フェアにやっていますね。お互いの信頼関係で成り立っていますので。でも元々サッカーをやっていた身からするとカルチャーショックはありましたね 笑

赤木:サッカーではファウルを誘うテクニックもあったりしますからね 笑

中野:実は私、小学校2年生から中学校2年生まではインドネシアに住んでて、そこでサッカーをしていたんです。

赤木:そうなんですか!?

中野:まさに『ボール一つあれば言葉は通じなくても気持ちが通じ合える』世界です。色んな背景を持った人達がボール一つで繋がる。スポーツで色んな壁を越えていける。これが原体験になっているので、私は今もスポーツを続けています。

競技と仕事の両立

赤木:中野さんはアルティメットの競技者としてだけではなく、会社員としても日々活躍されていますよね。これもなかなか簡単じゃないと思うんですが。

中野:私が思うには、サッカーの競技者よりは恵まれているかと思います。アルティメットに限らず、ほとんどの競技者は仕事と両立していますし、毎週末には合宿みたいな形で練習に打ち込んでいます。これがサッカーだと、平日の出社前や仕事終わりにも練習していたりしますから。

赤木:確かに、サッカーもかなりハードですよね。

中野:私達も平日仕事終わりにトレーニングなどはしますが、平日に集まっての練習は現状ほとんどないため、両立できているんだと思います。

赤木:試合当日にトラブルがあって出場できないという事はなかったですか?

中野:私は無いですね。ただ、チームの人で試合の合間に電話をかけたりしている人はいました。

私の場合は職場環境にも恵まれていて、会社としてアルティメットの活動を尊重してくれるカルチャーがあったのは有難かったです。24歳以下の世界大会が年始にあったんですが、年始休みから連続でお休みを頂く事になって。それでも周りは送り出してくれました。

赤木:競技活動を応援してくれる環境は頼もしいですね。でもそれだと完全なオフって全く無いんじゃないですか?

中野:たしかに完全なオフはなかなか無いですね。雨の日は練習が休みになるんですが、そういう時もやる事がなくて、結局ジムに行ったりしてる事も多いです 笑 それでも競技をやっている時が一番リフレッシュになるんですけどね。

オリンピックが転職のきっかけに

赤木:中野さんは前職からAscenders株式会社に転職されたと聞いていますが、転職のきっかけについてお聞きして良いですか?

中野:お話したように、アルティメットはアメリカが最も盛んで、とても知名度もあります。競技の性質上、セルフジャッジや男女混合競技でもあるため、2028年のロサンゼルスオリンピックでは競技種目に選ばれる可能性も十分あります。ですが、仮にそこでオリンピック競技種目になったとしても、結局日本で根付かないのではないかという懸念もあります。

赤木:オリンピックで一時的に盛り上がっても定着しないという可能性はありますね。

中野:そんな中、東京都フライングディスク協会の事務局で人の募集がありました。そこで競技者だけではなく、協会にも所属する形で競技普及に尽力できないか考えるようになりました。同じタイミングで今の会社で新規事業立ち上げの話があり、その事業で得られる知見がフライングディスク協会にも活かせると思って今の会社に転職を決めました。

赤木:そこまで競技普及に懸ける情熱が凄いです。

競技者・スポーツビジネス・競技協会それぞれの立場から見えるもの

赤木:最後に、今後の目標をお聞きしても良いですか?

中野:まずは選手としてですが、2028年のロサンゼルスオリンピックでアルティメットが正式種目になった時、競技日本代表選手として選ばれる事ですね。そして2020年・2024年にアルティメットのワールドカップが開催されるので、そこで日本代表として選出されたいと思っています。

赤木:日の丸を背負って世界と戦うわけですね。

中野:これはサッカーをやっている時から一貫しているんですが、『後ろ向きな人に勇気を、前向きな人に刺激を』という言葉を大事にしていて、常にそんな選手でいたいと思っています。サッカーの元ドイツ代表ゴールキーパーでオリバー・カーン選手ってご存知ですか?

赤木:はい。ちょうど私達世代がワールドカップで見ていた選手ですね。

中野:大会中、カーン選手の1セーブ、1プレーで皆が沸きました。あんな選手でいられたら最高です。

赤木:競技協会としての目標もお聞きして良いですか?

中野:東京都フライングディスク協会の活動としては、学校教育でアルティメットを広められるようにしたいと思います。

赤木:学校教育でですか?

中野:はい。アルティメットのセルフジャッジの観点は教育にも親和性が有りますし、衝突NGのルールは怪我のリスクも少ないです。また、子どもの頃からフリスビーを投げる事に慣れ親しんでおけば将来的な選手のレベルアップにも繋がります。

赤木:今はカレッジスポーツのイメージがあるものをもっと早い段階から始めるんですね。

中野:併せて興味を持ってくれた子どもたちがアルティメットを続けていけるような仕組みも必要だと思いますね。

あとは競技普及としては『ゆるティメット』という、社会人が仕事終わりにカジュアルにアルティメットを楽しめる会を開催しているので、こちらも今よりもっと広めていきたいと思っています。

赤木:様々な階層の人達にアルティメットを広めて、オリンピックでブームになった時の受け皿を作っておく形ですね。

中野:そうですね。こういった活動は私にしかできない事だと思っています。現役選手であり、スポーツビジネスに携わる人間であり、競技協会として活動もできる事が面白いと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

アルティメットの為に全てをかける情熱、2028年まで見越したビジョン、どちらもこれからの競技普及の中で大事なエッセンスだと感じました。

スポタスでは『スポーツ+何か』を持った人をこれからもご紹介していきます。

この記事の記者紹介
スポタス編集部

おすすめ記事

【ワタシの家トレ】vol.2 心身の状態をリセットする家トレ(パーソナルトレーナー 川上 陽子さん)

  ──今だからこそ、家で手軽に運動を──     大型イベントの中止や外出自粛のムードが広まり、社会不安が高まっています。 そこでSPOTAS+では、スポーツに関わる人達の家トレ(家でできるトレーニング)を紹介し、少しでも皆さんが健やかに日々を過ごしていけるようお手伝いします。 今回ご紹介する方はこちらーーー   川上 陽子 さん  パーソナルトレーナー。 2014年から2016年にかけ、TIP.X TOKYO SHIBUYAにてトレーニング指導やパーソナルセッションを実施。2016年から2018年まで、岩手県沿岸部(大槌町・釜石市・大船渡市・陸前高田市)にて仮設住宅や災害公営住宅、地域の公民館、フィットネスジムなど、全50ヶ所以上で運動指導を行う。 現在はイマレ生活リハビリサポートセンターにて介護認定を受けた方々に運動指導や講義、移動・排泄介助をおこなう。 並行して、パーソナルトレーニングセッションの実施や岩手県釜石市における運動イベントの主催にも力を注いでいる。日常生活で無意識・意識的に選択している姿勢のとり方や身体の使い方、ライフスタイルを掘り下げながら、目的に合わせた身体づくりを包括的に指導する。解剖学や運動力学、神経生理学、心理学、栄養学、中医学などを学び、筋肉のみに特化しない、多角的なアプローチを実施。パーソナルトレーニングのご依頼はこちらから     自律神経のバランスを整える   川上 今回はカラダと心のスイッチを切り替えしやすくする種目をご紹介したいと思います。自律神経って聞いた事ありますよね? 内臓の働きを24時間365日休まずにコントロールしてくれている神経ですよね。 川上 はい、私たちは、いわば『戦闘モード』である交感神経と『休養・消化モード』の副交感神経のバランスを、必要に応じて整えていくことが大事になります。仕事やストレスフルな環境においては、交感神経を積極的に働かせることで乗り越えやすくなります。ですが、その際にガチガチになってしまった心身が、就寝時など本来リラックスしていいときにも緩まないことがあります。そうすると、睡眠の質の低下やカラダの冷え、浅い呼吸などにつながりやすくなります。 交感神経が働き続けてしまうことで様々なデメリットが出てしまうんですね。 川上 今回ご紹介する家トレは、心身の状態をリセットしやすくして、ストレスの軽減や睡眠の質の改善、仕事の効率の向上などポジティブな連鎖が期待できるものです。 ぜひ教えて頂きたいです! 身体をほぐして呼吸を整える   川上 いくつかありますので順にご説明しますね。まずは股関節まわりをゆるめます。下の2枚の写真のように足裏を合わせながら足をパタパタと上下に動かします。これはご自身が心地良いと思うスピードや動きの大きさでおこなってください。 一定のリズムは自律神経を整えることに有効です。「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンは、一定のリズムの動きの際に生成されやすいのです。 ▲足をパタパタと上下に動かして股関節をゆるめます。   一定のリズムでするのがポイントなんですね。 川上 次は下の写真のように、背中とお腹まわりをゆるめます。まず、足裏を合わせて手のひらを上に向けて足の下にくぐらせます。頭の重みに身を委ねながら首の力を抜き、口もぽかんと開けて全身を脱力させます。丸まった背中に新しい酸素を取り込み、背中が膨らんだししぼんだりするイメージで呼吸をしましょう。 ▲身体の力を抜いて丸くなる。   身体がほぐれていくのが分かりますね。 川上 次は下の写真のように、お腹まわりをゆるめていきます。手を重ねて、主に手の付け根をお腹に触れさせます。上に溜まっているものを下に流していくようなイメージで、強さはご自身が心地よい加減でおこないます。 ▲上に溜まっているものを下に流していくようなイメージで。   身体の中がキレイになってる感じがあります。 川上 ストレスや食生活などによる冷え、日常の姿勢などで、お腹は意外とかたくなっています。筋肉がかたいとその奥に入っている内臓もかたく、機能が落ちやすくなる。逆も然りで、外側からゆるめてあげることで、内臓にもアプローチすることができます。 内臓も整えることができるんですね! 川上 最後に呼吸に関係の深い部分です。下の写真のように、鎖骨近辺など胸まわりをゆるめます。胸まわりはストレスの影響を受けやすく、かたくなりやすい部分のひとつでもあります。鎖骨や肋骨の間は、筋肉で敷き詰められているので、骨と骨の間を指の腹でほぐしていくことが大事です。ご自身の手の温かみを伝えながらおこないましょう。胸まわりがほぐれることで、深い呼吸がおこないやすくなります ▲胸まわりがかたい状態では、深い呼吸をしようとしても胸まわりが広がりにくい。   なるほど、胸まわりの筋肉をほぐして呼吸がスムーズにできるようにする... 心地よさの追求が家トレ継続のコツ 家トレ継続のポイントについても教えて下さい。 川上 大事なのはご自身の声に耳を傾け、心地よさを追求していくことです。今までおこなっていないこと、ルーティンに含まれていないことを実践し、さらに継続することは簡単なことではありません。まずは実践し、それに対してご自身の心身がどのように変容しているのかを観察してみることです。 自分の心身の変化に意識を向けるんですね。 川上 意外と、普段ご自身のお身体に触れることは多くないと思います。例えば、お腹に触れてみて初めて冷えやかたさに気付いたりするものです。かたさや冷えが気になるところを重点的に温めることで、次第にお腹がゆるみ、深い呼吸につながっていきやすくなります。さらには今の状態に気付いたあと、「何でだろう…」と想いを巡らせてみて、「そういえば、最近暖かくなってきて冷たい飲み物を飲む機会が増えていたな」と思い返すかもしれません。 そういう変化を感じることができたら、冷たい飲み物を控えたり、お腹を温めるアイテムを使ったりするような具体的なアクションに繋がりそうですね。 川上 今ご自身のカラダや心がどのようなことを感じ、どのような状態に導いていきたいのか、そのために、何をしていくのか、一つひとつ丁寧におこなってみてください。カラダや心の心地よさを追求していれば、自然と結果的に「継続」が達成されているものです。 川上さんから読者の皆さんへ  お読みいただき、ありがとうございます!  このご時世の中で、ワークスタイルをはじめライフスタイルに変化が及んでいる方々も少なくないかもしれません。とくにこれまでと変わらない日々を過ごされている方々も、漠然とした閉塞感や不安感を抱いているかもしれません。  私も、今回の一件の影響を受けやすい立場の一人でもありますが、今の環境を最大限に活かしたいと思いながら日々過ごしています。例えば、在宅勤務の環境をより快適にするために、観葉植物を育ててみる。早起きしてカーテンと窓を開け、部屋をポジティブなエネルギーで満たしてしいく。仕事がキャンセルになった時間で読みたかった本を読んでみる。仕事の合間に散歩をして、春の訪れを感じる。これらは、今の状況に置かれたからこそ実現出来たことです。  そもそも、現代は、VUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)の時代と言われて久しいですが、それをあらためて思い出させてくれている機会であるように感じています。私たち自身の心身も、取り巻く環境も、常に変化し続けています。それらの揺らぎを受容しながら、個人や周囲の心地よさを追求し続けていくという積極的な姿勢が今、求められているのかもしれません。 制限されることが増えることで、ご自身が本当に大切にしたいことが見えやすくなることもあります。  ぜひ、一緒に心地よさを追求しながら日々を過ごしていきましょう!

自宅でもできる次世代のチャンバラ"SASSEN"、その魅力とは【スポタス人インタビュー】

スポタス人とは スポーツだけではなく、プラスアルファの形でスポーツと関わるキラキラした人物。 スポタスでは、『スポタス人』のインタビューを通じてスポーツとの様々な関わり方を発信しています。 スポタス人紹介 本村 隆馬(もとむら りゅうま) 1990年生まれ  生涯スポーツ・全日本サッセン協会 Japan Sassen Association(JSA) 代表 兼 JSA公認上級インストラクター 日本空手道 風林火山武術道場 師範代 2016年に"SASSEN"という新しい競技を立ち上げ、普及に挑む。 HP:https://sassen.jp/ Twitter:https://twitter.com/sassen_frkz Instagram:https://www.instagram.com/sassenjp/?hl=ja ITの力で侍の戦いを再現 赤木:まず、SASSENという競技について教えて下さい。 本村:SASSENのコンセプトは"ITの力でサムライの勝負を現代に再現する"というもので、私達はこれを次世代スポーツと呼んでいます。SASSENでは"SASSEN刀"という発泡ポリエチレンの刀にセンサーを内蔵させて相手と戦います。SASSEN刀が相手に当たるとセンサーが反応して、連携しているスマートフォンのアプリ上に判定が表示されるしくみです。こうすることで、相手に怪我させることなくサムライの勝負をする事ができます。  ▲試合のイメージ動画 ▲SASSEN刀。内部に小型のセンサー(圧力センサー)が入っていて、Bluetoothでスマートフォンアプリに送られる仕組みになっています。   赤木:最新のテクノロジーを使って昔の戦いを再現するっていうコンセプトが面白いですね。誰でも小さい時は道端の棒を持ってチャンバラごっこをしたことがあるでしょうし、そういう童心に帰る意味でも面白そう。この競技はどうやって生まれたんですか? 本村:元々私の実家が空手の道場で、父が師範、私は師範代でした。40年くらい続いている道場で、護身術を主としています。その中でナイフで襲われた時の対策や捌き方の訓練としてSASSEN刀を使っていたのが始まりです。 赤木:最初は護身術の訓練用だったんですね! 本村:と言っても最初からあの形じゃなく、最初はエアコンの断熱ホースを使ってたんですけどね 笑 もちろんセンサーなんかは入っていません。こういうのは私の道場だけじゃなく、他の道場でも似たような訓練としてやっていると思いますし、遡るとお侍さんの稽古でもあったんじゃないかと思います。 それが私の道場では、門下生の方や子どもさんが訓練自体を面白がって、最近になってレクリエーションになりました。SASSENの名前がついたのは平成28年の12月22日です。 赤木:本当にまだできたばかりの競技なんですね。 本村:特許を取ろうという事になった時に名前が必要だったんで、そこでSASSENという名前にしました。由来は「颯爽(さっそう)と、風を切るさま」という意味である颯然(さつぜん)から取ったものです。その他にも、宮本武蔵の二天一流剣術「指先(さっせん)」からもヒントを得たことから、口にしやすいよう「SASSEN(サッセン)」と呼んでいます。 優秀なエンジニアの相棒とタッグを組んで実現 赤木:このSASSEN刀にしてもアプリにしても作るのに技術がいると思うんですが、これはどうやって作られたんですか? 本村:開発者が元々筑波大学の出で、ロボカップで世界2位にまで入ったエンジニアなんですが、実は地元が同じでたまたま同じ道場に通ってたんです。それでたまたま同席した会合で「こういう訓練をやってるんだけど、どっちが早く当てたか分かったらいいのに・・・」と相談したところ、「普通にできますよ」と言われ、そこからSASSEN刀やアプリの開発がスタートしました。 赤木:凄い偶然! 本村:これは武道をやっている者だと誰しもが思った事があると思うんですが、判定を正確にしたいという気持ちがあって、それを機械で解決できるなら凄く面白いなと思って、SASSEN刀やアプリの開発が始まりました。最初は武道に関わる人達向けに広めようとしていたんですが、誰でも楽しめる生涯スポーツとしてもニーズがあると分かったので、そこから競技としてのSASSENができてきました。 年齢・性別関係なく誰でもどこでも手軽に戦える 赤木:SASSENのルールについて教えて頂けますか? 本村:SASSENのルールは日々変わっていて、大会によっても規定が変わっていますが、基本のルールは以下になります。 公式ルール【2020年度】 ・試合時間は60秒。・選手は専用のセンサー付きSASSEN刀を持ちます。 ・フィールドは5m×5m 内で行います。 ・攻撃できるのは1試合を通して5スイング(5打)まで。相手の体(頭部は除く)に1打当てると「一本」となります。 ・「二本」先取 もしくは 60経過時点で本数の多いほうが勝利。 ・フィールドの外に出ると「場外」として相手に一本。 【禁止・反則事項】 故意に相手を攻撃する行為 センサー刀を相手に投げること その他主審が危険とみなす行為 (相手に怪我を負わせる可能性がある行為は状況をみて禁止。相手に1本もしくは失格とします。) 赤木:凄くシンプルですね。相手にSASSEN刀を当てるだけっていうのは分かりやすいし、子どもでもすぐ覚えられそう。 本村:本当に仰る通りで、ルールが分かりやすいというのは競技のハードルをかなり下げてくれます。 赤木:怪我をさせる事がないというのも良いですね。 本村:相手が高齢者でも同じルールでできますし、相手に怪我をさせる心配もなくできます。 赤木:実際に高齢者の方がSASSENをされるケースってありますか? 本村:そうですね。小学校5年生と70歳のおじいちゃんが戦って、おじいちゃんが勝ったという事もあります。お孫さんと戦って勝ったりする事はできますね。他にも老人ホームでレクリエーションとして楽しんで頂く事もあります。 赤木:似た競技としてスポーツチャンバラがあると思うんですが、スポーツチャンバラとの違いってどの辺りにありますか? 本村:やはり大きな違いはセンサーの有無ですね。あとはSASSENの方がよりカジュアルな雰囲気でできると思います。誰でも簡単にできるので、できるだけ"武道感"を出したくないと思っています。 赤木:例えば企業の部活動でやる場合におススメのポイントなどありますか? 本村:まずは運動不足の解消ですね。SASSENはルールがシンプルなので、やってみると目の前の戦いに集中できます。そのため短い時間でも体力を使う事ができます。他には団体戦でのチームワークですね。格闘技の試合のように先鋒~大将戦までやっていけばそこでコミュニケーションが生まれます。 赤木:例えば学生の採用活動でも活用できそうですね。 本村:スペースとSASSEN刀とアプリがあればその場ですぐできますからね。着替えなくてもできますし。 赤木:スペースも会議室くらいの広さがあればできそうですし、そういう意味でも良さそうですね。 人を傷つけない競技として 赤木:本村さんのスポーツ経験についてもお聞きしていいですか? 本村:私は3歳の頃から空手をやってきています。私の道場では『負けない、人を守れる、相手を怪我させない』という点を大事にしていて、それは今のSASSENのルールにも繋がっています。自分を鍛えるけど、技を披露しない。それでも何かあった時には自分や周りの人を守れるように鍛えておく。こういった考えが源流にあります。 赤木:確かに、人を傷つけないという点に一番の重きを置いているのはSASSENに通じるものがありますね。 自粛生活のストレスを自宅で解消!7つの家遊び 赤木:SASSENをやろうと思ったらどこでできるんですか? 本村:東京では秋葉原のA-LABOという場所で体験する事ができます。5月の30日・31日には関東大会も企画していますが、新型コロナウィルスの影響があるので確実に開催できるとは言い切れない状態です。ですが、代わりにSASSEN刀を使って家でできる遊びをYouTubeにアップしています。SASSEN刀の販売もしていますので、これを使ってSASSENを体験して頂けます。  赤木:自宅でもできる遊びは有難いですね。特に子どもはストレスが溜まってたり、運動不足で眠れなかったりしているみたいですし。 生涯スポーツとしてのSASSENを追求 赤木:今後の目標など教えて頂いていいですか? 本村:年齢・性別・手軽さを追求して誰もがSASSENをできるようにしていきたいです。例えば幼稚園・小学校・高齢者施設などで広めたいですね。ITについては機能を追加して手軽さを追求していって、将来的にはパラリンピックみたいなところも目指していきたいと思っています。 文:赤木 勇太   
2020/05/02 158PV

  • インタビュー