2020/01/20 19:00 348PV

アスリートにこそソーシャルメディアを!ソーシャルメディア活用で選手のキャリアを応援するスポタス人【スポタス人インタビュー】

五勝出拳一

スポタス人とは

スポーツだけではなく、プラスアルファの形でスポーツと関わるキラキラした人物。

スポタスでは、『スポタス人』のインタビューを通じてスポーツとの様々な関わり方を発信しています。

今回は、『アスリートのためのソーシャルメディア活用術』の著者、五勝出さんにインタビューをさせて頂きました。

スポタス人紹介

五勝出 拳一(ごかつで けんいち)

株式会社電通テック・電通ライブにてプロモーション領域の仕事に従事した後、株式会社Reviveにて、PR Managerを務める。

東京学芸大学では蹴球部に所属し、全日本大学サッカー選抜の主務を経験。

現在はアスリートのSNS活用や事業開発のサポートを始め、アスリートの価値と選択肢を広げることを目的として日々活動している。特定非営利活動法人izm 理事。

2019年12月、国内初のアスリートのソーシャルメディア活用本『アスリートのためのソーシャルメディア活用術』を出版。

ブログ:https://note.com/gokatsu

Twitter:https://twitter.com/gokaken1

著書:『アスリートのためのソーシャルメディア活用術』

赤木:サッカーはいつから始められたんですか?

五勝出:幼稚園からですね。そこから大学までサッカーを続けていました。友達に誘われたのがきっかけです。もともとあまりコミュニケーションを取るのが得意じゃなかったんですが、サッカーを通じて友達の輪ができたり、家族を含めたコミュニティがそこにできた事は自分の人生にとって本当にプラスになりました。

中学では柏レイソルの下部組織に入って、大学も一般入試でしたがセンター試験半分、サッカー半分で入学しました。センター試験が一次試験で、サッカーが二次試験にあたります。

赤木:サッカーで順調に道を拓いてきたんですね。

五勝出:ですが大学入学後に足首の怪我が思わしくないことが分かりました。手術をするかどうか悩んだのですが、将来スポーツに関わる仕事をしたかったことと、自分の競技レベルを考え、現役を引退することにしました。

赤木:入学1年目のタイミングでそれは辛いですね。

五勝出:その後4年間は学連(関東大学サッカー連盟)で運営や企画に携わりました。

大会運営の裏側を経験

赤木:学連ではどういった役割でしたか?

五勝出:インカレ決勝のPR責任者をやっていました。いかにお客さんを呼ぶかを考え、有名な元プロ選手やサッカー解説者の方をお招きしたトークショーを企画したり、事前告知やPR戦略の立案、実施などをやっていました。

他にはユニバーシアードが2年に1度開催されるので、大学サッカー日本代表のマネージャーとして選手のスケジュール管理や備品管理、運営まわりと告知PRなどもしていました。

赤木:学生でそんな大きな大会の運営を任されるものなんですか!?

五勝出:大学サッカー連盟は学生がリーグを運営しているので、実働は学生がしています。やろうとすればその分だけ任せてもらえる環境なので、全体のPR戦略も任されるようになります。社会人になる前にこういった経験をさせて頂けたのはその後の仕事にもとても役立ちました。

赤木:学生でそこまで経験させてもらえる機会はなかなかないですよね。

五勝出:実は炎上も経験しましたし(笑)

赤木:そうなんですか!?

五勝出:あまり詳しくは言えませんが、匿名掲示板に載ったりしていましたね。

赤木:その頃から既にソーシャルメディアとの関わりが始まっていたんですね(笑)

電通ライブへの入社とアスリートのセカンドキャリア支援

五勝出:就職先を選んだきっかけもリーグ運営の経験がきっかけです。

赤木:就職先は電通ライブでしたよね?

五勝出:はい。リーグ運営やお客さんへのPRをしていくなかで、プロモーションによって人を動かす事の難しさを感じました。と同時に、人を動かす事ができればそれは大きな力になると感じて広告・PR業界を志望しました。そこで、東京オリンピックにも関わりたいという想いもあって電通テック(途中から電通ライブへ分社化)への入社を決めました。

赤木:入社後はどんな業務を担当していたんですか?

五勝出:主にはイベントプロデュースです。企画からPM・現場運営・進行など幅広く担当していました。領域も広く、飲料メーカーやカメラメーカー、金融系のクライアントも担当しました。

赤木:確かにこれは学生時代の経験がフルに活きそうですね。

五勝出:広告系という事もあって決して楽ではなかったですが、充実した日々を送らせて頂きました。その時に仕事とは別でアスリートのセカンドキャリアについて情報発信をはじめました。

赤木:アスリートのセカンドキャリアというと、アスリートが引退した後にどんなキャリアを形成していくかという話ですよね。

五勝出:はい。これは学生の頃から課題意識を持っていて、学生時代から色んな情報を集めたりセカンドキャリア支援の会社を経営している方にお会いしたりお手伝いをしていました。また、社会人3年目の時にキャリアコンサルタントの資格も取得しました。

赤木:働きながらキャリアコンサルタントの資格取得は凄いですね。

五勝出:そんな中で自分なりにセカンドキャリアにアプローチするならどういう形が良いのか考えて、キャリアコンサルティングについて得た体系的な知識をアスリート用にカスタマイズしたプログラムを作り、色んな現役選手にフィードバックを頂きました。

赤木:五勝出さんのnoteにはアスリートのキャリアについての記事が沢山ありますが、それらもその一部ですか?

五勝出:はい、いくつかは切り出してnoteに掲載しています。そして現役選手から頂いたフィードバックを元にブラッシュアップした結果、今回出版させていただいた書籍のテーマ、アスリートのソーシャルメディア活用という一つの答えに行きつきました。

仮説と実際のギャップ

赤木:現役選手からフィードバックを頂いたということでしたが、最初に想定していた仮説と実際のギャップのようなものはありましたか?

五勝出:そうですね。私の想定していた仮説では、アスリートとしてのキャリア(引退)までではなく、人生を通した、いわばビジョナリーキャリアを想定し、そのゴールから逆算して日々の活動に落とし込むというものでした。ですが、実際に現役選手にそのプログラムを実施したところ、『言ってる事はわかるけど、初めの一歩で何をしたら良いか分からない』という感想をいただきました。

赤木:なるほど。企業の会社員であればゴールから逆算する思考はどこかで学ぶ事が多いですが、アスリートの場合はそうとも限らないんですね。

五勝出:もちろんゴールから逆算する方もいますが、多くのアスリートは目の前の課題を一つ一つこなして積み上げていくことが得意な人達です。その為、目の前で何を改善するか、どんなアクションがとれるかという小さな一歩を示す事が大事だと感じました。その観点で、ソーシャルメディア活用がフィットすると考え、アスリートに対してソーシャルメディア活用の支援を始めました。

赤木:ソーシャルメディアであれば無料で始められますし、情報発信のハードルも低いですからね。

五勝出:そこを支援することで、アスリートの価値を高められる。大きな絵を見据えながらも一歩を歩む。そうやって現役選手の中にある空気感を変えていきたいと思っています。私はアスリートではないですが、そんな私だからこそできる領域があると思っていますし、その中でアスリートから必要とされる役割を果たしたいです。

出版までの経緯

赤木:でもnoteで人気になったのがきっかけとはいえ、noteを始めてまだそれほど経っていないですよね?書籍化ってなかなかそんなにすぐにはできないと思うんですが。

五勝出:noteで情報発信を始めたのは一昨年の7月くらいですが、たまたま出版社の方が同様のテーマで江藤美帆(えとみほ)さんにオファーを出されていて、その共著者としてお声をかけて頂きました。

私が発信していた内容はあくまでも外部からアスリートを支援する側の視点ですが、えとみほさんはITベンチャーの創業を経て栃木SCの経営を担っている方ですし、同じく共著の飯高悠太さんはマーケティングのプロフェッショナルと言える方です。

そのようなトップランナーの皆さまとタッグを組み、アスリートの視点、クラブ運営者の視点、ソーシャルメディア運営者の視点も交えた事例を盛り込む事で、ソーシャルメディア活用の全体像が見えるような一冊になっていると思います。

赤木:アスリートにとってソーシャルメディア活用のガイドラインみたいな一冊ですね。noteで人気になるまでに工夫された事などもありましたか?

五勝出:これはテクニック的な要素でもあるんですが、自分の書いた記事の内容が誰に向けて刺さるかを明確にイメージして書いていました。それで面白いと思って下さったアスリートの方やインフルエンサーの方がTwitterで拡散して下さって、認知して頂けるようになったと思います。これも仮説検証を繰り返して勉強しながらスモールステップでやっていましたね。

赤木:まさに本の内容をご自身で実践されたんですね。

社長との出会いから転職へ

赤木:現在は株式会社Reviveに所属されているかと思いますが、 転職のきっかけをお聞きして良いですか?

五勝出:きっかけは弊社代表の前田との出会いです。共通の先輩の紹介で会ったのが最初なんですが、その前から前田は私のnoteを読んでくれていて私の事は知っていたそうです。ちょうど私も広告の仕事からアスリートのサポートへ仕事の軸足を移したいと思っていたところだったので、今の会社への転職を決めました。Reviveはアスリートの価値を最大化させる事を目的にしており、アスリートのマネジメントやアスリートのソーシャルメディアアカウントを育てて得た収益をレベニューシェアするビジネスモデルを作っています。面白いのは社長の前田自身が現役のアスリートで、Xリーグで活躍するアメフト選手という事ですね。

赤木:現役のアメフト選手で社長というのも凄いですね。

五勝出:スタートアップ企業ですが去年の6月に資金調達も実施しています。やはり現役アスリートが社長というのはインパクトが大きいですし、これも現役アスリートが持つ価値だと思います。

消費されるアスリートたち

五勝出:今のアスリートを取り巻く課題でキャリアと同じく深刻なものとして、選手たちが『消費』されているという点があります。

赤木:『消費』ですか?

五勝出:アスリートがピッチの外で価値を出すにはテレビや広告で企業や商品の宣伝をするのがメジャーですが、その場合、アスリートのキャラクターはメディアや広告主の意向によって変わってきます。ですが、選手がピッチの外で輝き続けるのは難しく、引退後も同じように価値を出し続けるのは困難です。これはアスリートに限らずタレントやアーティストもそうですが、彼らは現役でいられる時間がとても長い。

赤木:確かに、年齢でパフォーマンスが落ちるという事があまり無いですからね。

五勝出:だからこそアスリートの生涯の価値を高めていくパートナーが必要で、その為に私達のような会社があります。

アスリートの価値を広く高めたい

赤木:今後の目標についてお聞きして良いですか?

五勝出:個人としてはアスリートのセカンドキャリアや価値を高める仕組み、エコシステムを確立したいと思います。それはReviveの事業も含めて、どんな在り方が良いか模索しています。一つの取り組みとして、JFLの地域リーグ、育成年代の保護者や指導者向けにアスリートのキャリア教育をしています。これはボトムアップを狙っての活動で、ボトムのリテラシーを底上げする事で全体の意識を変えていく事を目的にしています。併せてトップ層へのアプローチも行っていて、トップアスリートのピッチ内外での行動が変わるようにお手伝いしています。後はアスリートのキャリアに関する資格も作りたいと思っています。

赤木:キャリアコンサルタントのアスリート版ですか?

五勝出:そのイメージです。例えばアスリートフードマイスターという、アスリート専門の食事プログラムを作る資格があります。キャリアコンサルタントについても同様で、アスリート専門のキャリアコンサルティングのプログラムを作って、保護者や指導者が選手の人生に寄り添う手助けができるようにしたいと思っています。

赤木:なるほど、アスリートのキャリアについて体系的に指導できるように設計されているわけですね。

五勝出:そうです。そういった情報を体系的にまとめて配布することで全体のリテラシーを底上げして、アスリートの価値を広く高めたいと思っています。今まさに、同世代のJリーガーおよびアスリートの皆が次のキャリアに悩み始めています。彼らの助けになれるよう、私自身がスポーツ界でポジションをとって明確にサポートできるようになりたいと思っています。

赤木:素晴らしい目標ですね。

五勝出:私は自分のキャリアにおいて、スポーツ×広告×キャリアという三つの軸を持っていると思っているので、この組み合わせを活かしてできる事を模索していきたいですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回はアスリートの生涯価値を高めるためのソーシャルメディア活用術という、新しい発想でアスリートを支援するスポタス人をご紹介しました。

スポタスでは『スポーツ+何か』を持った人をこれからもご紹介していきます。

この記事の記者紹介
スポタス編集部

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