2020/01/26 10:30 308PV

全日本総合選手権・SJリーグ金沢大会を終えた坂井一将選手。金沢学院クラブ移籍で得たものとは(後編)【スポタス人インタビュー】

スポタス人とは

スポーツだけではなく、プラスアルファの形でスポーツと関わるキラキラした人物。

スポタスでは、『スポタス人』のインタビューを通じてスポーツとの様々な関わり方を発信しています。

今回はバドミントンの全日本総合選手権(以下全日本総合)とSJリーグ金沢大会を終えたばかりの坂井一将選手にインタビューをしました。

スポタス人紹介

坂井 一将(さかいかずまさ)

1990年石川県生 金沢学院クラブ所属。

10歳の頃からバドミントンを始める。

高校卒業と同時に単身インドネシアに。3年間でバドミントンの腕を更に磨く。

2011年に帰国し社会人リーグトップの日本ユニシスに所属し、2014年~2016年で全日本社会人選手権大会3連覇の偉業を達成する。2017年には自身初の日本ランキング1位に輝く。

2020年1月現在も日本ランキング4位に位置し、トッププレーヤーとしてバドミントン界を牽引する。

オフィシャルサイト:SAKAI KAZUMASA OFFICIAL WEB SITE

Twitter:https://twitter.com/kazumasa_sakai

前編はこちら

金沢学院クラブに移籍して変わった事

赤木:やはり金沢学院クラブに移籍した事で環境がガラッと変わりましたか?

坂井:そうですね。学校の職員として学校がバックアップしてくれるのは有難いです。職場の人もバドミントンの練習を優先してくれていますので、今後も結果で恩返ししていきたいと思っています。

赤木:他にも変化はありましたか?

坂井:スポンサーが個人についた事は大きいですね。日本ユニシスにいた頃は個人にスポンサーがつくということは無かったので。バドミントン選手で個人にスポンサーがついている選手は本当に限られています。そんな中で色んなスポンサーがついて下さると簡単には負けられないと感じますね。

準々決勝の時のように点差が開いても「負けたくない!まだいける!」という心理状況を作れるようになって、それがベスト4に入った要因でもあります。

赤木:そういった期待を背負う事で力に変えているんですね。

坂井:そうですね。ユニフォームにスポンサーのロゴがつくのは自分にとっても頑張る源になっています。

▲スポタスのロゴも坂井選手の力になれたなら感無量です。

赤木:練習環境についてはいかがですか?

坂井:純粋な設備面などで言うと、やはり日本ユニシスにいた時の方が整っていますね。日本ユニシスではコーチがいてノック出ししてくれたり、チーム専属のトレーナーがいます。そういう意味では日本ユニシスでは恵まれていたと思いますし、良い環境を与えてもらっていた事には感謝しています。

赤木:やはりそういう面では日本ユニシスの方が恵まれているんですね。

坂井:でも、それ以上に地元である金沢が自分にフォーカスしてくれて全日本総合の後も応援し続けてくれていますので、それが大きなモチベーションになっています。

練習環境に関しても、それを言い訳にしたくないと思っているので。むしろ日本ユニシスでやってきた経験を活かして、自分で練習メニューを組んだりチームのメンバーに教えて全員でレベルアップしていけるようにしたいと思っています。

赤木:坂井選手はそういった自分で切り拓くというスタイルが凄く合いますね。

坂井:それに、応援の質が変わったと感じるようになりました。

赤木:応援の質ですか?

坂井:全日本総合でベスト4に入った時は地元の新聞で大きく取り上げてもらいました。SJリーグ金沢大会の時も夕刊の一面や朝刊に出る事ができて、テレビで特集を組んで放送してもらったりもしました。こういった事は日本ユニシスにいた頃には無かったので、地元金沢という大きなコミュニティが自分の活動を応援してくれていると感じます。

SJリーグ金沢大会での勝利

赤木:先日SJリーグ金沢大会でチームとして今期初勝利を飾りましたが、SJリーグについてもお話頂いていいですか?

坂井:SJリーグは日本ユニシス・NTT東日本・トナミ運輸などが参加している国内最高峰のリーグ戦ですが、クラブチームとしてSJリーグに入っているのは2チームほどで、ほとんどのチームは企業の実業団です。そんな中でも地元金沢のクラブチームとして勝ち星をあげる事ができたのは嬉しかったです。

赤木:チーム戦だと坂井選手だけが勝つというわけにはいかないですからね。。チームとして勝利する為に何か工夫した事などありますか?

坂井:まずはチームとしての意識をトップチームに近づけるようにしました。意識がトップチームに近づかないと話にならないので。他には練習に取り組む姿勢だったり、試合に臨むにあたっての気持ちの入れ方だったりについて、自分なりにやってる事や意識しているポイントについて伝えるようにしています。

赤木:日本トップの選手が教えると説得力がありますね。

坂井:それが正解なのかは分からないので強要はしませんが、選手達に『そういう考えもあるのか』という選択肢が増えるようにしています。

赤木:技術的なコーチングなどもされるんですか?

坂井:私自身がシングルスの選手なので、シングルスの選手には技術の話もしたりしますね。ダブルスのついては練習に取り組む姿勢だったり、ウォーミングアップの方法を教えるくらいですね。

赤木:実質的な選手兼監督みたいな立ち位置に近いですね。

坂井:それはありますね。私が言うから説得力がある事もありますし。その為にも結果を出して選手達がついて来てくれるように、皆の見本になるような自分になりたいと思っています。選手としても今年以上の結果を求められますし、もっと自分にプレッシャーをかけないといけないと感じています。

SJリーグでは私が1勝しても、ダブルスでの1勝が必要になります。自分のレベルアップだけじゃなく、他の選手もレベルアップしてもらわないと困るので、金沢学院クラブというチームを強化していかないといけないと思っています。

怪我との付き合い

赤木:腰痛が酷いなかで大会に臨んだという事でしたが、今はもう大丈夫ですか?

坂井:現在は完治しています。腰痛は全日本総合の時がピークでしたね。ここ3年ほど、怪我で世界選手権に出られなかったり、全英オープンやアジア大会も出場できなかったりして悔しい思いをしてきました。怪我についてはセルフケアを一層大事にしていきたいと思っています。

赤木:そういったケアもご自身でされているんですね。

坂井:そうですね。でも、今は自分で練習量をコントロールできるので、休むべき時は休んで追い込む時は追い込むようにメリハリをつけています。甘えだけは出ないようにしていきたいですね。

赤木:その辺りも自分でコントロールできる意思が凄いです。

様々な役割をこなすことで得られるもの

赤木:日本ユニシスにいた頃に比べると役割が凄く増えていると思いますが、大変だと感じる事はないですか?

坂井:大変な部分も多いですが、それ以上に得られるものの方が多いですね。日本ユニシスにいた頃はバドミントンを中心にやっていましたが、今はクラブ全体の事・学生へのバドミントン指導・学生募集と多岐に渡ります。そのお陰で、選手としての視点だけじゃなく指導者としての視点も得られますし、クラブ全体を見る視点も得る事ができます。

例えば大学生に指導している時は、自分の感覚だけで伝えるのではなく、相手にどう伝えたらレベルアップできるのかを考えるようにしています。こういった環境のお陰で、『考える』ということを強く意識できるようになりました。だからこそ、全日本総合でファイナルゲームになっても柔軟に考えて戦略を立てられるようになったんだと思います。

赤木:なるほど、視点が増える事によって試合でも思考の幅が広がったんですね。

坂井:これは大学生の指導でも大事にしていて、『自分で考えて行動するように』というのは常に伝えています。

もう一度日本一を

赤木:最後に、今後の目標についてお聞きできますか?

坂井:日本ユニシスに移籍して人生初の日本一を経験する事ができました。今度はそれを金沢学院クラブで経験できるようにしたいです。

赤木:それは全日本総合で優勝という事ですか?

坂井:全日本総合もそうですが、他にも全日本社会人やランキングサーキットなど、日本一を決める大会でもう一度優勝できるようにしたいです。そして、学校・チーム・応援して下さる方に日本一を取ったと報告したいです。

▲目指すは金沢の地から日本一

まとめ

いかがでしたでしょうか。

地元の期待を一身に背負い、新しい道を進む姿はまさに挑戦者です。

スポタスでは『スポーツ+何か』を持った人をこれからもご紹介していきます。

この記事の記者紹介
スポタス編集部

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スポタス人とは スポーツだけではなく、プラスアルファの形でスポーツと関わるキラキラした人物。 スポタスでは、『スポタス人』のインタビューを通じてスポーツとの様々な関わり方を発信しています。 スポタス人紹介 本村 隆馬(もとむら りゅうま) 1990年生まれ  生涯スポーツ・全日本サッセン協会 Japan Sassen Association(JSA) 代表 兼 JSA公認上級インストラクター 日本空手道 風林火山武術道場 師範代 2016年に"SASSEN"という新しい競技を立ち上げ、普及に挑む。 HP:https://sassen.jp/ Twitter:https://twitter.com/sassen_frkz Instagram:https://www.instagram.com/sassenjp/?hl=ja ITの力で侍の戦いを再現 赤木:まず、SASSENという競技について教えて下さい。 本村:SASSENのコンセプトは"ITの力でサムライの勝負を現代に再現する"というもので、私達はこれを次世代スポーツと呼んでいます。SASSENでは"SASSEN刀"という発泡ポリエチレンの刀にセンサーを内蔵させて相手と戦います。SASSEN刀が相手に当たるとセンサーが反応して、連携しているスマートフォンのアプリ上に判定が表示されるしくみです。こうすることで、相手に怪我させることなくサムライの勝負をする事ができます。  ▲試合のイメージ動画 ▲SASSEN刀。内部に小型のセンサー(圧力センサー)が入っていて、Bluetoothでスマートフォンアプリに送られる仕組みになっています。   赤木:最新のテクノロジーを使って昔の戦いを再現するっていうコンセプトが面白いですね。誰でも小さい時は道端の棒を持ってチャンバラごっこをしたことがあるでしょうし、そういう童心に帰る意味でも面白そう。この競技はどうやって生まれたんですか? 本村:元々私の実家が空手の道場で、父が師範、私は師範代でした。40年くらい続いている道場で、護身術を主としています。その中でナイフで襲われた時の対策や捌き方の訓練としてSASSEN刀を使っていたのが始まりです。 赤木:最初は護身術の訓練用だったんですね! 本村:と言っても最初からあの形じゃなく、最初はエアコンの断熱ホースを使ってたんですけどね 笑 もちろんセンサーなんかは入っていません。こういうのは私の道場だけじゃなく、他の道場でも似たような訓練としてやっていると思いますし、遡るとお侍さんの稽古でもあったんじゃないかと思います。 それが私の道場では、門下生の方や子どもさんが訓練自体を面白がって、最近になってレクリエーションになりました。SASSENの名前がついたのは平成28年の12月22日です。 赤木:本当にまだできたばかりの競技なんですね。 本村:特許を取ろうという事になった時に名前が必要だったんで、そこでSASSENという名前にしました。由来は「颯爽(さっそう)と、風を切るさま」という意味である颯然(さつぜん)から取ったものです。その他にも、宮本武蔵の二天一流剣術「指先(さっせん)」からもヒントを得たことから、口にしやすいよう「SASSEN(サッセン)」と呼んでいます。 優秀なエンジニアの相棒とタッグを組んで実現 赤木:このSASSEN刀にしてもアプリにしても作るのに技術がいると思うんですが、これはどうやって作られたんですか? 本村:開発者が元々筑波大学の出で、ロボカップで世界2位にまで入ったエンジニアなんですが、実は地元が同じでたまたま同じ道場に通ってたんです。それでたまたま同席した会合で「こういう訓練をやってるんだけど、どっちが早く当てたか分かったらいいのに・・・」と相談したところ、「普通にできますよ」と言われ、そこからSASSEN刀やアプリの開発がスタートしました。 赤木:凄い偶然! 本村:これは武道をやっている者だと誰しもが思った事があると思うんですが、判定を正確にしたいという気持ちがあって、それを機械で解決できるなら凄く面白いなと思って、SASSEN刀やアプリの開発が始まりました。最初は武道に関わる人達向けに広めようとしていたんですが、誰でも楽しめる生涯スポーツとしてもニーズがあると分かったので、そこから競技としてのSASSENができてきました。 年齢・性別関係なく誰でもどこでも手軽に戦える 赤木:SASSENのルールについて教えて頂けますか? 本村:SASSENのルールは日々変わっていて、大会によっても規定が変わっていますが、基本のルールは以下になります。 公式ルール【2020年度】 ・試合時間は60秒。・選手は専用のセンサー付きSASSEN刀を持ちます。 ・フィールドは5m×5m 内で行います。 ・攻撃できるのは1試合を通して5スイング(5打)まで。相手の体(頭部は除く)に1打当てると「一本」となります。 ・「二本」先取 もしくは 60経過時点で本数の多いほうが勝利。 ・フィールドの外に出ると「場外」として相手に一本。 【禁止・反則事項】 故意に相手を攻撃する行為 センサー刀を相手に投げること その他主審が危険とみなす行為 (相手に怪我を負わせる可能性がある行為は状況をみて禁止。相手に1本もしくは失格とします。) 赤木:凄くシンプルですね。相手にSASSEN刀を当てるだけっていうのは分かりやすいし、子どもでもすぐ覚えられそう。 本村:本当に仰る通りで、ルールが分かりやすいというのは競技のハードルをかなり下げてくれます。 赤木:怪我をさせる事がないというのも良いですね。 本村:相手が高齢者でも同じルールでできますし、相手に怪我をさせる心配もなくできます。 赤木:実際に高齢者の方がSASSENをされるケースってありますか? 本村:そうですね。小学校5年生と70歳のおじいちゃんが戦って、おじいちゃんが勝ったという事もあります。お孫さんと戦って勝ったりする事はできますね。他にも老人ホームでレクリエーションとして楽しんで頂く事もあります。 赤木:似た競技としてスポーツチャンバラがあると思うんですが、スポーツチャンバラとの違いってどの辺りにありますか? 本村:やはり大きな違いはセンサーの有無ですね。あとはSASSENの方がよりカジュアルな雰囲気でできると思います。誰でも簡単にできるので、できるだけ"武道感"を出したくないと思っています。 赤木:例えば企業の部活動でやる場合におススメのポイントなどありますか? 本村:まずは運動不足の解消ですね。SASSENはルールがシンプルなので、やってみると目の前の戦いに集中できます。そのため短い時間でも体力を使う事ができます。他には団体戦でのチームワークですね。格闘技の試合のように先鋒~大将戦までやっていけばそこでコミュニケーションが生まれます。 赤木:例えば学生の採用活動でも活用できそうですね。 本村:スペースとSASSEN刀とアプリがあればその場ですぐできますからね。着替えなくてもできますし。 赤木:スペースも会議室くらいの広さがあればできそうですし、そういう意味でも良さそうですね。 人を傷つけない競技として 赤木:本村さんのスポーツ経験についてもお聞きしていいですか? 本村:私は3歳の頃から空手をやってきています。私の道場では『負けない、人を守れる、相手を怪我させない』という点を大事にしていて、それは今のSASSENのルールにも繋がっています。自分を鍛えるけど、技を披露しない。それでも何かあった時には自分や周りの人を守れるように鍛えておく。こういった考えが源流にあります。 赤木:確かに、人を傷つけないという点に一番の重きを置いているのはSASSENに通じるものがありますね。 自粛生活のストレスを自宅で解消!7つの家遊び 赤木:SASSENをやろうと思ったらどこでできるんですか? 本村:東京では秋葉原のA-LABOという場所で体験する事ができます。5月の30日・31日には関東大会も企画していますが、新型コロナウィルスの影響があるので確実に開催できるとは言い切れない状態です。ですが、代わりにSASSEN刀を使って家でできる遊びをYouTubeにアップしています。SASSEN刀の販売もしていますので、これを使ってSASSENを体験して頂けます。  赤木:自宅でもできる遊びは有難いですね。特に子どもはストレスが溜まってたり、運動不足で眠れなかったりしているみたいですし。 生涯スポーツとしてのSASSENを追求 赤木:今後の目標など教えて頂いていいですか? 本村:年齢・性別・手軽さを追求して誰もがSASSENをできるようにしていきたいです。例えば幼稚園・小学校・高齢者施設などで広めたいですね。ITについては機能を追加して手軽さを追求していって、将来的にはパラリンピックみたいなところも目指していきたいと思っています。 文:赤木 勇太   
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