2019/12/08 12:00 262PV

高い壁に挑み続けるプロクライマーのストーリーとは【スポタス人インタビュー】

スポタス人とは

スポーツだけではなく、プラスアルファの形でスポーツと関わるキラキラした人物。

スポタスでは、『スポタス人』のインタビューを通じてスポーツとの様々な関わり方を発信しています。

スポタス人紹介

八木 名恵(やぎ なえ)

1984年大阪府生まれ

2001年・2002年の近畿高校クライミング大会を連覇し、マレーシアで行われたアジアユース選手権で3位入賞を果たす。

高校卒業後、JOCジュニアオリンピックカップ・ジュニアの部で優勝、国民体育大会成年女子の部2位(ともに03年)、第7回JFAユースチャンピオンシップ優勝(04年)、アジア選手権8位(05年)、日本各地での多くのカップ戦なども含めて好成績を残し続ける。

09年シーズンよりアイス・クライミングに軸足をシフトし、日本初の実業団クライマーとして活動。

2013年シーズンよりプロとして、日本人で初めてアイスクライミングのワールドカップ全戦に参戦中。

Web:http://www.rockandwall.jp/nae.php

instagram:https://www.instagram.com/nae_yagi/?hl=ja

戦歴

2001年:第6回近畿高校クライミング大会 優勝

2002年:アジアユース選手権マレーシア大会 3位

2003年:第6回ジュニアオリンピック ジュニア 優勝

2003年:国民体育大会(成年女子の部) 2位

2005年:アジア選手権イラン大会 8位

2008年:日本選手権 5位

2011年:Ice Climbing World Cup Cheonsong 15位

2013年:Ice Cllimbing World Tour 年間ランキング 18位

2014年:Ice Cllimbing World Tour スピード部門 総合 10位

2014年:ソチ五輪クライミングフェスタ出場

クライミングとの出会い、そしてアジアユース第3位へ

赤木:クライミングを始める前は何か別の競技をされていたんですか?

八木:お稽古事の範囲だと水泳をやっていたり、地域のスポーツコミュニティに入っていたりしていました。本格的に部活動として始めたのは中学の陸上部です。実はその前に水泳部にも入ったんですが、3日で辞めてしまいました。

赤木:何か特別な理由があったんですか?

八木:公立中学校で夏場しかプールが開いていなくて、それ以外は陸トレーニングになります。そうなると、小さい頃から地元の水泳クラブに入っていた人が有利で差を埋める事が難しくなります。陸上ならスタートは一緒なので、陸上部に入る事にしました。

赤木:その切り替えの早さは面白いですね。先日取材した菊野さんも『僕は肉体的な才能があるわけじゃないし世界一努力する根性は無いから、僕だけの武器が欲しかった』といった内容を仰っていました。そういった合理的判断はとても重要だと思います。

クライミングはいつから始められたんですか?

八木:高校に入ってからですね。

赤木:クライミングを始めたきっかけは何かあったんですか?

八木:17歳の頃に新しく別の競技を始めたいと思ったんですが、今から世界を狙える競技を探していました。その中で候補に挙がったのが自転車・弓道・アーチェリー・クライミングで、その中でも一番向いていそうな競技という事でクライミングを選びました。

赤木:世界を狙える競技で絞ったのは凄いですね。確かに高校から始めて世界を狙える競技はなかなか少ないですが、本気で世界を狙っていた事が良く分かります。

八木:やるから絶対にやると決めていたので。本気で取り組むと周りの人達も協力してくれますし。

赤木:でも当時ってまだまだクライミングジムは多くなかったですよね?どうやって練習されていたんですか?

八木:まずはインターネットでクライミングジムを探しました。当時はインターネットもまだまだ普及しきっていない時代だったので探すのに苦労しましたが、大阪で3件のジムを見つけて、その中で環境やシステムが分かりやすい方に通う事にしました。

赤木:大阪府内で3件だったんですね。。

八木:その場所も遠くて苦労しました。私は堺市に住んでいたんですが、ジムは大阪市の淀川区にあって片道1時間半かけて通っていました。

赤木:学校終わりにすぐジムに行って、家に帰るのはかなり遅い時間になりそうですね。なかなかそんな若い人はいなかったんじゃないですか?

八木周りのクライマーはビックリしていましたね。クライミングのカルチャーは広く自由で、生涯スポーツとしての意味合いも強いです。その中で競技者として真剣に取り組む若者が出て来たのは珍しかったんだと思います。

でもその甲斐あって、高校2年生の頃にはアジアユース第3位になれました。日本は決してレベルが低い訳じゃななかったですし、関東の選手は特に強いんですが、そこに食らいついての3位は嬉しかったですね。

アイスクライミングへの転向

八木:その後2009年にアイスクライミングに転向しました。

赤木:アイスクライミングと言うと、凍った滝を登るクライミング競技ですよね。日本の競技人口ってどれくらいいたんですか?

▲アイスクライミングのイメージ動画

八木:凍った滝以外にも人工的に凍らせた氷の壁を登る事もあります。競技人口は当時の日本代表で3~4人くらいです。趣味でやってる人や、山登りの技術の応用としてやっている人はいましたが、アイスクライミングを専門でやっている人は少なかったです。

赤木:アイスクライミングへの転向にあたって不安は無かったですか?

八木:不安が無かったわけではないですが、そこは覚悟の問題だと思ってました。できるかできないかを考えた上で、できるようにする事が当たり前で、その上で結果に拘るのがプロだと思っています。

赤木:プロとしての意識が強く合ったんですね。

八木:プロについての自分の定義を確立する事で意識が磨かれたというのは有ります。もちろん競技の結果に波が出る事はありますが、結果を出さなきゃいけない時に結果を出し続ける事がプロの条件だと思っています。そしてそれができるのはチームが支えてくれているからです。

アイスクライミングの魅力

赤木:八木さんが思うアイスクライミングの魅力についてお伺いしても良いですか?

八木:これはスポーツクライミングもアイスクライミングもそうですが、課題となる壁には特有の攻略方法があって、選手は限られた時間だけその壁の特徴を見る事ができます。その中で壁の攻略法を見つけ出して踏破していく。中には苦手な技を使わないとクリアできないようになっていたり、それでも得意技でねじ伏せるように登ったりする事ができます。

こういったところはアイスクライミングの面白い所だと思います。

▲ほぼ垂直の氷を登っていく

『アーバンクライミング』というジャンルについて

赤木:八木さんはご自身のインスタグラムで『アーバンクライミング』という写真を投稿されていますが、アーバンクライミングについてもお伺いして良いですか?

八木:アーバンクライミングは街中や建物の中でクライミングを行うもので、視覚的にもカッコよく魅せやすいのが特徴です。

 

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温故知新 No.002 アーバンクライミング×ドライツーリング 目指すは、日常と非日常を繋ぎたい。 もし、見てくださった方で感じてくださった方がいらっしゃいましたら、シェアをお願い致します。 また、この様な撮影に協力してくださる方がいらっしゃいましたらメッセージをお願い致します。 撮影協力:北安醸造(株) http://daikoku.wpblog.jp Photo by 古平 和弘 (Kazuhiro Kodaira) I hope attempt to harmonize everyday and extraordinary. Urbanclimbing×drytooling – It is our project. This building has a hundred history. Special thanks! 北安大國http://daikoku.wpblog.jp Photo by Kazuhiro Kodaira #MILLET #MILLETRISEUP #キャラバン #GOBEYOND. #GOBEYONDER #cwx #GroundUP http://groundup.jp/ #urbanclimbing #drytooling

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purpose No.004 アーバンクライミング×ドライツーリング little stars and a wish ー 曇り空の中でも輝く光とひとつの願いがあります。 もし、見てくださった方で感じてくださった方がいらっしゃいましたら、シェアをお願い致します。 また、この様な撮影に協力してくださる方がいらっしゃいましたらメッセージをお願い致します。 撮影協力:株式会社キャラバン https://www.caravan-web.com Photo by 古平 和弘 (Kazuhiro Kodaira) purpose No.004 Even on a cloudy sky, little stars and a wish. urbanclimbing×drytooling – It is our project. If you are O.K. please share. Special thanks! CARAVAN CO.,LTD https://www.caravan-web.com Photo by Kazuhiro Kodaira #MILLET #MILLETRISEUP #キャラバン #GOBEYOND. #GOBEYONDER #cwx #GroundUP http://groundup.jp/ #urbanclimbing #drytooling

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past to thrive No.006 アーバンクライミング×ドライツーリング ー過去を踏み台にして進むー Photo by 古平 和弘 (Kazuhiro Kodaira) もし、見てくださった方で感じてくださった方がいらっしゃいましたら、シェアをお願い致します。 また、この様な撮影に協力してくださる方がいらっしゃいましたらメッセージをお願い致します。 past to thrive No.006 urbanclimbing×drytooling – It is our project. -Proceed past the past as a platform- Photo by 古平 和弘 (Kazuhiro Kodaira) If you are O.K. please share. #millet #MilletRiseUp #millet_jp #キャラバン #camp_cassin #GOBEYOND. #GOBEYONDER #cwx #cwxアスリート #GroundUP http://groundup.jp/ #urbanclimbing #drytooling #iceclimbing

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想いを重ね、繋いでいきたい。 アーバンクライミング×ドライツーリング 100年の歴史ある建物で、記念すべきプロジェクト最初の写真です。 もし、見てくださった方で感じてくださった方がいらっしゃいましたら、シェアをお願い致します。 また、この様な撮影に協力してくださる方がいらっしゃいましたらメッセージをお願い致します。 撮影協力:北安醸造(株) http://daikoku.wpblog.jp Photo by 古平 和弘 (Kazuhiro Kodaira)​​ Developing new ideas bested on study of past. Urbanclimbing×drytooling – It is our project. This building has a hundred history. Special thanks! 北安大國http://daikoku.wpblog.jp Photo by Kazuhiro Kodaira #MILLET #MILLETRISEUP #キャラバン #GOBEYOND. #GOBEYONDER #cwx #GroundUP http://groundup.jp/ #ubanclimbing #drytooling

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赤木:確かに凄く絵になりますね。

八木:もちろん一つ一つ許可を取ってやっているんで簡単にはできないですが、こういうカッコよさに訴えかける事で、多くの人にクライミングに興味を持ってもらいたいと思っています。この活動が今後どんな展開になるかはまだ分からないですが、やらないと結果は得られないですから。

赤木:海外ではこういうのって流行ってそうですね。

八木:そうですね。海外では建築物や建造物に登って、それをモチーフにして写真を撮ったりするのはメジャーですね。日本ではまだまだ広まっていませんが、だからこそ日本の良さを発信する意味でもやっていきたいと思っています。

今後の目標について

赤木:今後の目標について教えて頂いても良いですか?

八木:大会で勝っていきたいのはもちろんですが、最近はその上で色んな可能性をパラレルで考えています。今で言うパラレルキャリアみたいに、自分の引き出しを増やして『アスリートであり社長でありママである』みたいな道も模索しています。

クライミングについてももっと広く知ってもらいたいと思いますし、様々な取り組みに対してパイオニアとしての責任をもってチャレンジしていきたいと思っています。

同時に家族も守っていきたいと思っていますし、色んな人達に形のないもの(ハピネス)をあげられるように意識しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

過酷な条件を越えていく力強さやプロとしての高い意識、クライミング普及に対する熱意など、八木さんの取材を通して伝わるものが多くありました。

スポタスでは『スポーツ+何か』を持った人をこれからもご紹介していきます。

 

この記事の記者紹介
スポタス編集部

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五勝出:大学サッカー連盟は学生がリーグを運営しているので、実働は学生がしています。やろうとすればその分だけ任せてもらえる環境なので、全体のPR戦略も任されるようになります。社会人になる前にこういった経験をさせて頂けたのはその後の仕事にもとても役立ちました。 赤木:学生でそこまで経験させてもらえる機会はなかなかないですよね。 五勝出:実は炎上も経験しましたし(笑) 赤木:そうなんですか!? 五勝出:あまり詳しくは言えませんが、匿名掲示板に載ったりしていましたね。 赤木:その頃から既にソーシャルメディアとの関わりが始まっていたんですね(笑) 電通ライブへの入社とアスリートのセカンドキャリア支援 五勝出:就職先を選んだきっかけもリーグ運営の経験がきっかけです。 赤木:就職先は電通ライブでしたよね? 五勝出:はい。リーグ運営やお客さんへのPRをしていくなかで、プロモーションによって人を動かす事の難しさを感じました。と同時に、人を動かす事ができればそれは大きな力になると感じて広告・PR業界を志望しました。そこで、東京オリンピックにも関わりたいという想いもあって電通テック(途中から電通ライブへ分社化)への入社を決めました。 赤木:入社後はどんな業務を担当していたんですか? 五勝出:主にはイベントプロデュースです。企画からPM・現場運営・進行など幅広く担当していました。領域も広く、飲料メーカーやカメラメーカー、金融系のクライアントも担当しました。 赤木:確かにこれは学生時代の経験がフルに活きそうですね。 五勝出:広告系という事もあって決して楽ではなかったですが、充実した日々を送らせて頂きました。その時に仕事とは別でアスリートのセカンドキャリアについて情報発信をはじめました。 赤木:アスリートのセカンドキャリアというと、アスリートが引退した後にどんなキャリアを形成していくかという話ですよね。 五勝出:はい。これは学生の頃から課題意識を持っていて、学生時代から色んな情報を集めたりセカンドキャリア支援の会社を経営している方にお会いしたりお手伝いをしていました。また、社会人3年目の時にキャリアコンサルタントの資格も取得しました。 赤木:働きながらキャリアコンサルタントの資格取得は凄いですね。 五勝出:そんな中で自分なりにセカンドキャリアにアプローチするならどういう形が良いのか考えて、キャリアコンサルティングについて得た体系的な知識をアスリート用にカスタマイズしたプログラムを作り、色んな現役選手にフィードバックを頂きました。 赤木:五勝出さんのnoteにはアスリートのキャリアについての記事が沢山ありますが、それらもその一部ですか? 五勝出:はい、いくつかは切り出してnoteに掲載しています。そして現役選手から頂いたフィードバックを元にブラッシュアップした結果、今回出版させていただいた書籍のテーマ、アスリートのソーシャルメディア活用という一つの答えに行きつきました。 仮説と実際のギャップ 赤木:現役選手からフィードバックを頂いたということでしたが、最初に想定していた仮説と実際のギャップのようなものはありましたか? 五勝出:そうですね。私の想定していた仮説では、アスリートとしてのキャリア(引退)までではなく、人生を通した、いわばビジョナリーキャリアを想定し、そのゴールから逆算して日々の活動に落とし込むというものでした。ですが、実際に現役選手にそのプログラムを実施したところ、『言ってる事はわかるけど、初めの一歩で何をしたら良いか分からない』という感想をいただきました。 赤木:なるほど。企業の会社員であればゴールから逆算する思考はどこかで学ぶ事が多いですが、アスリートの場合はそうとも限らないんですね。 五勝出:もちろんゴールから逆算する方もいますが、多くのアスリートは目の前の課題を一つ一つこなして積み上げていくことが得意な人達です。その為、目の前で何を改善するか、どんなアクションがとれるかという小さな一歩を示す事が大事だと感じました。その観点で、ソーシャルメディア活用がフィットすると考え、アスリートに対してソーシャルメディア活用の支援を始めました。 赤木:ソーシャルメディアであれば無料で始められますし、情報発信のハードルも低いですからね。 五勝出:そこを支援することで、アスリートの価値を高められる。大きな絵を見据えながらも一歩を歩む。そうやって現役選手の中にある空気感を変えていきたいと思っています。私はアスリートではないですが、そんな私だからこそできる領域があると思っていますし、その中でアスリートから必要とされる役割を果たしたいです。 出版までの経緯 赤木:でもnoteで人気になったのがきっかけとはいえ、noteを始めてまだそれほど経っていないですよね?書籍化ってなかなかそんなにすぐにはできないと思うんですが。 五勝出:noteで情報発信を始めたのは一昨年の7月くらいですが、たまたま出版社の方が同様のテーマで江藤美帆(えとみほ)さんにオファーを出されていて、その共著者としてお声をかけて頂きました。 私が発信していた内容はあくまでも外部からアスリートを支援する側の視点ですが、えとみほさんはITベンチャーの創業を経て栃木SCの経営を担っている方ですし、同じく共著の飯高悠太さんはマーケティングのプロフェッショナルと言える方です。 そのようなトップランナーの皆さまとタッグを組み、アスリートの視点、クラブ運営者の視点、ソーシャルメディア運営者の視点も交えた事例を盛り込む事で、ソーシャルメディア活用の全体像が見えるような一冊になっていると思います。 赤木:アスリートにとってソーシャルメディア活用のガイドラインみたいな一冊ですね。noteで人気になるまでに工夫された事などもありましたか? 五勝出:これはテクニック的な要素でもあるんですが、自分の書いた記事の内容が誰に向けて刺さるかを明確にイメージして書いていました。それで面白いと思って下さったアスリートの方やインフルエンサーの方がTwitterで拡散して下さって、認知して頂けるようになったと思います。これも仮説検証を繰り返して勉強しながらスモールステップでやっていましたね。 赤木:まさに本の内容をご自身で実践されたんですね。 社長との出会いから転職へ 赤木:現在は株式会社Reviveに所属されているかと思いますが、 転職のきっかけをお聞きして良いですか? 五勝出:きっかけは弊社代表の前田との出会いです。共通の先輩の紹介で会ったのが最初なんですが、その前から前田は私のnoteを読んでくれていて私の事は知っていたそうです。ちょうど私も広告の仕事からアスリートのサポートへ仕事の軸足を移したいと思っていたところだったので、今の会社への転職を決めました。Reviveはアスリートの価値を最大化させる事を目的にしており、アスリートのマネジメントやアスリートのソーシャルメディアアカウントを育てて得た収益をレベニューシェアするビジネスモデルを作っています。面白いのは社長の前田自身が現役のアスリートで、Xリーグで活躍するアメフト選手という事ですね。 赤木:現役のアメフト選手で社長というのも凄いですね。 五勝出:スタートアップ企業ですが去年の6月に資金調達も実施しています。やはり現役アスリートが社長というのはインパクトが大きいですし、これも現役アスリートが持つ価値だと思います。 消費されるアスリートたち 五勝出:今のアスリートを取り巻く課題でキャリアと同じく深刻なものとして、選手たちが『消費』されているという点があります。 赤木:『消費』ですか? 五勝出:アスリートがピッチの外で価値を出すにはテレビや広告で企業や商品の宣伝をするのがメジャーですが、その場合、アスリートのキャラクターはメディアや広告主の意向によって変わってきます。ですが、選手がピッチの外で輝き続けるのは難しく、引退後も同じように価値を出し続けるのは困難です。これはアスリートに限らずタレントやアーティストもそうですが、彼らは現役でいられる時間がとても長い。 赤木:確かに、年齢でパフォーマンスが落ちるという事があまり無いですからね。 五勝出:だからこそアスリートの生涯の価値を高めていくパートナーが必要で、その為に私達のような会社があります。 アスリートの価値を広く高めたい 赤木:今後の目標についてお聞きして良いですか? 五勝出:個人としてはアスリートのセカンドキャリアや価値を高める仕組み、エコシステムを確立したいと思います。それはReviveの事業も含めて、どんな在り方が良いか模索しています。一つの取り組みとして、JFLの地域リーグ、育成年代の保護者や指導者向けにアスリートのキャリア教育をしています。これはボトムアップを狙っての活動で、ボトムのリテラシーを底上げする事で全体の意識を変えていく事を目的にしています。併せてトップ層へのアプローチも行っていて、トップアスリートのピッチ内外での行動が変わるようにお手伝いしています。後はアスリートのキャリアに関する資格も作りたいと思っています。 赤木:キャリアコンサルタントのアスリート版ですか? 五勝出:そのイメージです。例えばアスリートフードマイスターという、アスリート専門の食事プログラムを作る資格があります。キャリアコンサルタントについても同様で、アスリート専門のキャリアコンサルティングのプログラムを作って、保護者や指導者が選手の人生に寄り添う手助けができるようにしたいと思っています。 赤木:なるほど、アスリートのキャリアについて体系的に指導できるように設計されているわけですね。 五勝出:そうです。そういった情報を体系的にまとめて配布することで全体のリテラシーを底上げして、アスリートの価値を広く高めたいと思っています。今まさに、同世代のJリーガーおよびアスリートの皆が次のキャリアに悩み始めています。彼らの助けになれるよう、私自身がスポーツ界でポジションをとって明確にサポートできるようになりたいと思っています。 赤木:素晴らしい目標ですね。 五勝出:私は自分のキャリアにおいて、スポーツ×広告×キャリアという三つの軸を持っていると思っているので、この組み合わせを活かしてできる事を模索していきたいですね。 まとめ いかがでしたでしょうか。 今回はアスリートの生涯価値を高めるためのソーシャルメディア活用術という、新しい発想でアスリートを支援するスポタス人をご紹介しました。 スポタスでは『スポーツ+何か』を持った人をこれからもご紹介していきます。
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スポタス人とは スポーツだけではなく、プラスアルファの形でスポーツと関わるキラキラした人物。 スポタスでは、『スポタス人』のインタビューを通じてスポーツとの様々な関わり方を発信しています。 スポタス人紹介 伊佐 嘉矩(いさ よしのり) 1993年 大阪府堺市生 中学時代に陸上800mを始め、高校から混成競技(八種競技)に。 大学時代は十種競技で西日本インカレ2位になる。 大阪教育大学大学院を卒業し、教師の道へ。 2019年に退職、現在は株式会社ISA partyを設立し、陸上十種競技とSASUKEにて世界を目指す。 Web:https://www.isa-party.com/ YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCOQVvDDlJYGIvBw0WEDLFeQ Instagram:https://www.instagram.com/isss.ssa/ Twitter:https://twitter.com/asiasi1313 陸上十種競技を選んだ理由 赤木:中学時代は陸上800mをされていたんですよね。 伊佐:はい。本当は短距離をやりたかったのですが、走るのが遅く、顧問の先生に中距離の800mをやらされました。中学時代は表彰状をもらったのは一度だけで堺市で5番になりました。高校でも800m走をやろうと思っていましたが、同じ高校に自分より800mが速い選手が何人もいたので、顧問の先生に八種競技を勧められました。始めてみたら思ってたより良い結果が出て、そこから八種競技に転向しました。 赤木:種目が増える方が適正があったんですね。 伊佐:はい。器用貧乏です。笑 大学では十種競技になるのですが、西日本インカレで2位に入れたり、全国大会に出場できたりしたので種目を絞るより多い方が向いていたのかもしれません。 恩師との出会いがきっかけで教師の道を目指す 赤木:大学ではどういった事を専攻されていましたか? 伊佐:大学は大阪教育大学で、小学校保健体育専攻という学部を選択しました。 赤木:教師を目指した理由をお聞きしても良いですか? 伊佐:高校陸上部の顧問の先生との出会いですね。入部当初、高校3年間の間に大阪大会に出る事を目標にしようとしていましたが、顧問の先生が「それでいいんか?」と脅してきて、近畿大会を目標にしました。結果的には近畿大会に出れなかったのですが、それを目指して頑張っていたら近畿大会まで後一歩というところまでいけました。その経験で自分に自信を持てましたし、自分の可能性を信じることの大切さも学びました。 そんなふうに僕も子どもたちに成長のきっかけを与えたい。その時の顧問の先生への憧れで、教師を目指すようになりました。 赤木:ご自身の体験がきっかけになっているんですね。その後、大学卒業して教師になられたんですか? 伊佐:大学4年生の時に教員採用試験には合格していたのですが、まだ教壇に立つには未熟だと考え、採用を辞退して大学院進学の道を選びました。そして大学院で学びつつ、高校で非常勤講師もさせていただくなどし、2年間教師になる準備をしっかりとしました。 赴任した学校で直面した現実と新しい挑戦 赤木:大学院を卒業して夢だった教師になったんですね。 伊佐:はい。ですがここで大きな挫折を経験しました。 赤木:挫折ですか? 伊佐:私が通っていた高校は偏差値70くらいの進学校だったのですが、赴任先の高校は偏差値が39くらいで、環境が全く違っていました。生徒を取り巻く家庭環境や経済状況も大きく異なっていて、薬物・窃盗・貧困といった社会課題を目の当たりにしました。 赤木:それは大きなショックでしたね。 伊佐:夢や目標を持っていない子どもがこんなにいるのかと思いました。自分の可能性を信じていない生徒を沢山みました。私もできる限り生徒に声をかけて変わってくれるよう努めましたが、このままでは変えられないと感じました。 自分が変えられ子どもは他の人でも変える事ができる。他の人では変える事ができない子どもを変えられるようになりたいと強く思うようになりました。 きっかけは陸上アジア大会とSASUKEの山田勝己さん 伊佐:ある時、テレビで陸上のアジア大会を観ていました。その時に日本人選手が金メダルをとった姿を見て、自分もこんな風に大きな挑戦を成功させる事ができたら子どもたちを変える事ができるんじゃないかと思ったんです。同じタイミングで、小学生の頃にテレビでSASUKEを見て山田勝己さんに憧れた事を思い出しました。そこで山田さんに弟子入りし、SASUKE完全制覇を目指すために黒虎軍団に入れさせてもらいました。 赤木:スポーツ分野で挑戦する事で子どもたちの意識を変えようと思ったんですね。 そして現在の活動へ 赤木:その後、『株式会社ISA party』を設立したんですね。事業内容をお伺いしても良いですか? 伊佐:主な事業内容はオフィスフィットネス事業です。オフィスにトレーナーを派遣して健康管理をやったり、ストレッチを教えたりしています。 赤木:スタッフの方は何人くらいいらっしゃるんですか? 伊佐:今は業務委託しているスタッフが6名ですね。それ以外にも障害児専門の運動スクールを作って、夕方の時間に運動を教えたりしています。後はYouTubeでも自分のチャンネルを持っていて、始めて5ヶ月で登録者1000人を越えました。2020年1月からもう一つのチャンネルも更新していくので是非チャンネル登録してください。笑 赤木:全て今年に入ってからの活動ですよね。凄い成果ですね。 伊佐:元々スポーツをやっていたから、目標設定とそこまでどうやって進むかのプランが立てられるんだと思います。でも、目指すところはまだまだ先で、山田勝己さんや武井壮さん、本田圭佑さんみたいになりたいと思っています。 赤木:やはり将来はオリンピックを目指されるんですか? 伊佐:そうですね。目指しているのは2024年のパリオリンピックで、そこまでに世界大会に出場して結果を出せるようにしたいと思っています。 赤木:来年のオリンピックは目指していなかったんですか? 伊佐:最初は来年のオリンピックを目指して計画を立てていたんですが、陸上に復帰したばかりで無茶な目標をたててしまいました。それで焦って上手くいかなかったので、照準を次回のオリンピックに当てて、一つ一つ目標をクリアしていこうと思っています。 教師になりたかったのではなく、子どもたちに夢を与えたい 赤木:今の活動をしていく中で困った事などありますか? 伊佐:う~ん、、特にこれといったものは無いですね。 赤木:そうなんですか!? 伊佐:元々子どもたちの力になりたいと思って教師になったので、教師でいることが目標ではなかったので。だから今の方が夢に近いところにいると思います。 赤木:なるほど。今の活動の方が伊佐さんの中でしっくりきているんですね。 伊佐:会社とは別で私個人にスポンサーがついてくれていているんですが、私の目指している事や想いを語ると強力してくれる方が多くて、そういった教師の世界では出会えなかった方々と出会えるようになった事も良かったと思っています。 赤木:陸上で個人にスポンサーがつくのってかなり珍しいんじゃないですか? 伊佐:多分、陸上界の世界に出ていない選手で一番スポンサーがついていると思います。史上最弱のプロ陸上選手です。笑 赤木:凄いバイタリティと戦略性。 伊佐:失敗する事もありますけどね。でも失敗についてもSNS上でオープンにするようにしています。 赤木:失敗する姿をSNS上で見せるのは不安じゃないですか? 伊佐:子どもたちの中にある『失敗するからやらない』という気持ちを変えたいと思っていて、失敗してる姿を見せて笑われても、そこから頑張る姿を見せ続けたいと考えています。テレビは結果を出した人だけ出しますが、私達の人生は結果の良し悪しに関わらず続いていくので。 まとめ いかがでしたでしょうか。 高い目標に挑戦することで子どもたちに希望を与えようとする姿は本当にヒーローのようでした。 スポタスでは『スポーツ+何か』を持った人をこれからもご紹介していきます。
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