2019/09/13 16:15 986PV

支店長と社会人チームキャプテンの顔を持つスポタス人。ドイツ留学・ミャンマーA代表との試合を経て得た、サッカーによる地域貢献とは。

インタビュー

スポタス人とは

スポーツだけではなく、プラスアルファの形でスポーツと関わるキラキラした人物。

スポタスでは、『スポタス人』のインタビューを通じてスポーツとの様々な関わり方を発信しています。

高田 遼

1991年 浦和生まれ 社会人クラブ『FC.BANDELIE(バンデリエ)』所属

幼少期よりサッカーを始め、小学校~高校まで大きな戦績を上げ続ける。

大学ではサッカー部を退部した後ドイツへサッカー留学、帰国後は所属するフットサルチームでミャンマーのA代表との親善試合に選抜される。

社会人になった後、FC.BANDELIEでキャプテンを務める。

 

サッカーを始めたきっかけ

赤木:サッカーはいつから始められたんですか?

高田さん:幼稚園の年中からですね。通ってる幼稚園にサッカークラブが有って、友達がやっていた事もあって私も始めました。私の出身地である浦和はサッカーが盛んで、各幼稚園にもサッカークラブがありました。

赤木:確かに、浦和は100年以上のサッカーの歴史があるって言いますし、小さい頃からサッカーが当たり前にある環境なのも分かりますね。

高田さん:小学校では地元の少年団に入りながら、5年生時からはFC浦和という浦和の選抜チームも所属していました。

赤木:少年団と選抜チームの両方に入っていたんですね。

高田さん:はい。皆、各小学校の少年団に所属してますが、その中でセレクションがあり、FC浦和という選抜チームが結成されます。一つ上の代では全国大会で優勝している強豪チームでした。私の代は県予選で負けてしまったんですが、そのチームが全国優勝しましたね。ちなみにそこには現日本代表の原口元気選手もいました(笑)

赤木:後の日本トップ選手じゃないですか(笑)それは厳しい。

中学時代

赤木:中学はサッカーの強豪校に入ったんですか?

高田さん:中学は学区内の学校のサッカー部に所属をしました。

埼玉県大会で優勝するようなチームでしたし、少年団から一緒のメンバーが集まっていたのでさらに絆が強くなりました。

赤木:いきなり強豪校になった感じですね。

高田さん:練習量がとにかく多くて、朝錬・放課後錬とやった後、一度帰宅して今度はフットサル場で夜錬をやっていました。1日3部練…笑

そのお陰もあり、埼玉県大会で優勝したり、東日本大会でベスト8までいくことが出来ました。

赤木:凄いですね、、それだけサッカー漬けだったら勉強とかする暇なかったんじゃないですか?

高田さん:実はサッカー部には意外と勉強できる子が多かったんです。

勉強ができないと走らされたり坊主にしなければいけない事もあったので、普段の授業とテスト週間だけ切り替えて集中的に勉強していましたね。

高校時代

高田さん:高校はサッカーで選びました。浦和南高校という、漫画のモデルになったり、昔は全国3連覇を果たした伝統校です。

埼玉県では中学と高校の決勝戦が同じ日の午前と午後に埼玉スタジアム2002でやっていたのですが、私が午前に中学の決勝戦を戦った日の午後に浦和南高校が決勝戦を戦っていて、高校生ながら埼玉スタジアムをお客さんで一杯にして試合してる姿に憧れました。

赤木:高校の試合でスタジアム満員は凄いですね。

高田さん:部員は3学年合わせると150人ほどいて、まずは監督に名前を覚えてもらうことから始まりました。「高田」と大きく書かれた白Tシャツを毎日着て練習してましたね。

その中でもレギュラーとしてインターハイの全国大会に出場する事ができました。

赤木:凄いですね。練習もかなりハードだったんじゃないですか?

高田さん:そうですね。ただ練習とは別に禁止事項も多くて、高校1年時はずっと坊主。学食禁止(お弁当持参)、炭酸禁止、カップラーメン禁止、ポテチ禁止と色々と厳しいルールがありました。

当時はそれが当たり前で何も思わなかったですが、今考えるとよくやっていたなと思います。(笑)

練習は朝練と放課後練習があって、高校ではナイター設備が有ったから夜まで練習してました。メンバーの仲がとても良く、全体練習が終わったあともみんなで主体的に練習をしたりしていました。

赤木:そういうの良いですね。

高田さん:選抜で一緒だったメンバーや対戦相手として昔から知ってるメンバーも多く、勝手にベクトルが合っていたんで。

赤木:サッカーの強豪校って言うと、他県から選手を引き抜いたりしているイメージが有るんですが、そんな感じじゃ無かったんですね。

高田さん:私立にはそういう学校も有りますが、公立高ではあまり無いですね。どちらかと言うとそういう私立の高校に勝つ事がステータスになってた感じもあります。(笑)

赤木:高田さんのお話を聞いてると、『サッカー』と『地域』って密接に関わってるのが分かりますね。サッカーが街の文化として根付いているような。

高田さん:高校生の試合でも家族・OB・地元の方が沢山応援に来てくれましたし、今でも仕事等で会ったりすると気軽に声をかけてくれます。皆がサッカーに関わっているような地域なので、近隣高の選手も皆繋がりがあり、大人になってから一緒のチームでプレーすることもありました。

赤木:地域がサッカーによってコミュニティになっている感じがしますね。

インタビュー

▲高校時代の一枚

大学時代

高田さん:大学もサッカーの強いところで選びました。指定校推薦でしたが、関東1部リーグに所属していた強豪校でした。

赤木:人数も多かったんですか?

高田さん:人数は1学年10人くらいで決して多くは無かったんですが、世代別の日本代表レベルの選手もゴロゴロいました。

赤木:凄いですね。公立高校からそんなところまで行くのは珍しいんじゃないですか?

高田さん:そうですね。全国から選りすぐりの選手が集まってきますからね。でも大学のサッカーは1年生の時に辞めてしまったんです。

赤木:どんな理由があったんですか?

高田さん:サッカーに求めるものの価値観の違いが大きかったですね。

高校の時は皆で全国に行くとか、同じ目的に向かって取り組む楽しさを強く感じていました。

赤木:確かに、U18日本代表くらいになると皆で勝つと言うより『選手としての自分をどこまで高められるか』みたいなところに意識が寄ってそうですね。

高田さん:私自身、当時明確にプロになると言う意思が薄くて、『ここで絶対にプロになる』と言うような決意を持っていなかったんです。そういう自分の弱さと置かれた環境に徐々にギャップができていたんだと思います。

サッカー部を辞めてからドイツ留学

赤木:サッカー部を辞めてからはどうされていたんですか?

高田さん:フットサルをやったり、サッカー部に入ってないメンバーとサッカーやったりしていたんですが、やっぱりどこか物足りず、大学3年の時にドイツにサッカー留学しました。

赤木:ドイツですか!?サッカーの本場ですよね。

高田さん:本場でしたね。今までの人生と比べ少しサッカーから離れて生活をしていると、やはり物足りなさを感じるようになってチャレンジしたくなりました。それで海外のプロテストの選考会に参加して、合格してドイツのマインツに行く事になったんです。

赤木:期間は決まっていたんですか?

高田さん:期間は1ヶ月くらいですね。夏休みのタイミングで短期留学をしました。受け入れ先はドイツの5部・6部のチームで、プロアマ入り混じってる状況でした。

赤木:やはり日本とは雰囲気は全く違ってました?

高田さん:全く違いますね。野心が強いプロ志向の選手達が、ヨーロッパ・アジア・アフリカなど色んな国から選手が集まっていましたので殺気立ってました。

ドイツで感じた日本サッカーとの違い

赤木:いきなり環境が変わって困る事も多かったんじゃないですか?

高田さん:まずは言葉の壁が有りましたね。自分の語学力不足もあり練習メニューもよく分からなかったので、初めの内は周りを見ながらどういうメニューをやるのか理解するようにしていました。チームメイトともコミュニケーションを取りながら連携を深めたり、向こうで知り合った日本人もいました。

赤木:プレースタイル等に変化はありました?

高田さん:ありました。ドイツのサッカーって皆がエゴイストな世界で、いきなり来たような日本人選手にパスをくれるって事が無いんです。

赤木:凄いですね。ある意味合理的と言うか、競争意識を突き詰めるとそういう形になるんですかね。

高田さん:私は元々ゲームメイクや攻撃が好きだったんですが、ボールをまわしてもらえないので、守備の意識が非常に高くなりました。パスがもらえなくても守備ができれば自分でボールを奪えますからね。あとは一度ゴールを決めると、うってかわってパスをくれるようになるので。笑

赤木:まさに生存戦略って感じですね。

▲ドイツでチームメイトと

帰国後

高田さん:帰国後、当時入っていた社会人フットサルチームの監督が以前ミャンマーの代表監督を務めてらっしゃり、その繋がりでミャンマー代表と国際親善試合をする事になりました。会場はミャンマーです。笑

赤木:ミャンマーのA代表ですか!?凄いですね。

高田さん:ただ結果は私達の負けで、想像よりも強かったですね。身体能力が高くて足が速かったです。

赤木:相手は国の代表ですからね。。

▲ミャンマーでの一枚

▲現地の新聞にも取り上げられました

 

FC Bandelieに入団

高田さん:帰国後、社会人になってから4年目の時に今所属しているFC Bandelieに入団しました。きっかけは当時参加していた人材業界のフットサルにFC Bandelieの人がいて、そこで声をかけてもらった事です。

赤木:FC Bandelieに所属した理由などありますか?

高田さん:FC Bandelieの目指す理念に共感をできた事ですね。FC Bandelieは東京都2部のチームなんですが、1部昇格を目標にしています。ですが、それはより多くの人に『サッカーの価値を伝える』ための手段として捉えており、最終的には『サッカーを通じて地域の課題を解決する』事が出来れば嬉しいです。

赤木:なるほど。サッカーと地域って密接ですからね。サッカーを通じて地域の課題を解決すると言う考え方は凄く合いますね。

これからの活動について

高田さん:私は今までの人生でサッカーを通じてたくさん人との縁ができ、仲間も増えました。上手く言葉にできませんが、サッカーをプレーする楽しみだけでなく、『サッカーを通じてこんなに良い事があるんだよ』ということを広く知ってもらいたいと思っています。

今はさいたま支店で仕事をしており、地元のサッカー好きのパパさん・ママさんと関わる機会も多いです。そういった方々と仕事×サッカーを繋げたコミュニティなんかを作っていきたいと思っています。

赤木:確かに、浦和はサッカーの街で、サッカー文化が根付いている街なので、サッカーのコミュニティはできそうですね。

高田さん:最近はプロが全てじゃないと思いました。もちろん、自分にプロとして活躍できる実力があればなっていたと思いますが。

ただ、週5日仕事をしている社会人としてもサッカーに携わる事は出来ますし、プロの選手とは違った角度からサッカーを見ることも出来ると思います。

様々な縁や出会いを与えてくれたサッカーにはとても感謝しています。

仕事とサッカーについて

赤木:サッカーって競技者としてのピークが早いと思うんですが、仕事をしながらサッカーをそこまで真剣にやれる事って凄いなと思ってしまいます。

高田さん:私にとっては仕事もサッカーも同じような感覚で、サッカーを真剣にやった方が仕事もはかどるんです。私は現在FC Bandelieでキャプテンを務めていますが、会社ではパソナさいたま支店の支店長も務めています。平日は会社のメンバーに対して、土日はFC Bandelieのメンバーに対してどうやったら主体的に動いてもらい楽しんでもらえるかばかり考えているんですよね。内容は違えど根本は一緒なのでそこに垣根は無いです。

赤木:なるほど。

高田さん:何事も真剣にやっていると、自然と人が付いて来てくれたり、会社の方々も応援してくれるようになります。新しい出会いにも繋がり、それはただの知り合いを超えた関係性の構築が出来る可能性もあります。

私はこれをサッカーを通じて得られたものですし、そういった事も広く伝えていきたいですね。

▲仕事の様子を撮った一枚。『チーム長』と『キャプテン』、それぞれ通じるものがあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

このインタビューで話されている事は、スポーツと地域の関わり方を考える中でとても良い事例だと思います。

プロになる事が全てではなく、社会人をやりながら、自分だけのやり方でスポーツと関わり、地域に貢献していく姿はまさに『スポタス人』ですね。

スポタスでは『スポーツ+何か』を持ったスポタス人をこれからもご紹介していきます。

この記事の記者紹介
スポタス編集部

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2019/11/21 147PV

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『全力失敗教室』で日本の教育を変える。失敗が切り開く挑戦への道

スポタス人とは スポーツだけではなく、プラスアルファの形でスポーツと関わるキラキラした人物。 スポタスでは、『スポタス人』のインタビューを通じてスポーツとの様々な関わり方を発信しています。 スポタス人紹介 中田 真司(なかた しんじ)「ユニフォームを脱いでも変わらぬ価値創造」スポーツ選手のセカンド・キャリアを考えた人材育成を行う。 スポーツエッセンスを取り入れたプログラム『全力失敗教室』を企業にも導入し、組織開発からリーダーシップまで幅広くサポート。 自身もサッカーU-16日本代表選手として世界に挑戦した経験を持つ。 これまでサポートしたアスリートは、ラフティング日本代表選手兼監督、bjリーガー元日本代表選手、ラグビー元U19日本代表選手、ボクサー元東洋太平洋王者、ヨットレーサー日本代表選手、スカッシュ日本ランカー、シクロクロス(自転車競技)アマ選手、関東リーグサッカー選手など、競技によらず多数。 全力失敗教室について 赤木:まずは全力失敗教室の内容についてお話頂いてもよろしいでしょうか。 中田さん:全力失敗教室のコンセプトと言うか伝えたい事としては、『失敗をダメな事として受け止めない』と言う事です。これは教育の本質的な部分でもあると思います。 赤木:なるほど。失敗するのが悪い事、恥ずかしい事と言う感覚は有りますね。 中田さん:特にスポーツでは勝ち負けが最優先されるのが現状です。確かに勝ったり負けたりは重要なんですが、そこを意識すると失敗する事が恐くなってしまいます。これはプロのアスリートであっても同じ事ですね。全力失敗教室では、絶対に失敗するようなお題を出して敢えて失敗させ、失敗に対するネガティブな捉え方を変えるようにしています。 赤木:失敗をネガティブに捉えないと言うマインドに変えていくんですね。 中田さん:他にもグランドルールとして、子どもに対しては『全員強制参加』と『やりたくなかったらやらない』と言うものも有ります。子ども達には全員その場に来てもらうけど、その上でやるかやらないかは本人達が決める。やらない子たちにはお菓子とジュースを用意しているので、そこにいる事を選べるようにしています。 具体的なコンテンツ 赤木:では、全力失敗教室で実際にされている事をご紹介頂いもよろしいですか? 中田さん:例えば両手を上げて、1から10まで指折り数えるんですが、右手と左手で数字を一つずつずらして数えていきます。(右手で2を数える時に左手は1を数えている状態)これで10まで数えるんですが、まず誰もできないです。実際の全力失敗教室では、子どもと親と先生の3者に対してこういった事をやってもらいます。 そうすると、子どもも親も指導者(コーチや先生)も等しく失敗するんです。そこでそれぞれの立場をフラットにするようにしています。 赤木:子どもからしたら親や先生ってあまり失敗するイメージが無いですからね。それは見方が変わりそう。 中田さん:学校の先生は子どもに問題を出して手を上げさせますよね?でも同じ事をすると先生は手を上げないんですよ。大人の方が失敗を恐れる。だから敢えて失敗させる事で、それぞれの認識をフラットにさせる必要が有るんです。 全力失敗教室の対象 赤木:お話お聞きしていると、全力失敗教室はアスリート向けと言うより、むしろアスリート以外の人向けみたいな印象を受けます。 中田さん:そうですね。アスリートをターゲットにはしていないです。プロスポーツ選手の人口は限られますし、トッププロとなると更に稀ですので、敢えてそこにアプローチする必要は無いと思っています。私は全力失敗教室を通じて今の教育の在り方を変えたくて、だから子ども・親・指導者を主な対象に考えています。 赤木:今の教育について、どの辺りが課題だと思われますか? 中田さん:色々と課題が有りますが、大きく言うと『アップデートしない』事だと思います。親や指導者も昔の経験や自分が受けた教育をそのまま子どもにしがちです。トップダウンで、子どもの意思を無視して大人が望む事をさせようとする。そうすると子どもも自分で考えず、大人から求められる事だけをやるようになります。そうすると失敗が許せなくなってしまい、「失敗するくらいなら、何もしない方が良い」というマインドになってしまいます。 赤木:大人の促し方によって子どもの方向性は大きく変わりますからね。 中田さん:子どもの頃ならそれでも良いんですが、そのまま社会に出ると通用しなくなります。そうなる前に、子どもの頃に自分で考える習慣をつけていく事が大事になると思います。 プロアスリートの抱える難題 中田さん:例えばプロアスリートでも、引退した後に消息が分からなくなってしまう人が一定数います。現役でいる間は生活の質に違いは有っても、選手としてやっていけるんです。でも、引退後に同じ競技に関わって生きていける人はごく僅かです。 赤木:野球やサッカーくらいでしょうね。他にもコーチと言う道もあるでしょうけど、定年までコーチでいられるかは難しいでしょうし。 中田さん:でも副業が認められなかったり、スポーツに専念するしか許されないといった現実も有ります。そして選手自身も『スポーツで生きていくってこういうものだよね』と言う認識になってしまいます。 これはアスリートの世界だけに限らず、画一的な人間を育てる風潮が昔からあり、そこが変わらないでいるんです。 学校の課題 赤木:先ほどのアップデートのお話で言うと、学校教育もまさにそうですよね。 中田さん:はい。学校もまだまだ変わる事ができていなくて、それによって現場の先生にしわ寄せがかかる事も有ります。それで教育熱心な先生が辞めてしまったりする事もあります。 赤木:理想を持っている熱意ある先生ほど潰れてしまうんですね。 中田さん:全力失敗教室にはそういう熱い想いを持った先生の言葉を代弁するという意味も有ります。学校を変えるしかないんですが、想いを持った先生一人では学校を変える事はできません。だからこそ私のような外部の人間が想いを代弁する事が重要になります。 『大会』のメリット・デメリット 中田さん:私はスポーツの大会についてはメリット・デメリット両方が有ると思っています。 赤木:メリットは何となく分かりますが、デメリットと言うとどの辺りになりますか? 中田さん:大会ではどうしても勝ち負けが重要になってきます。特にマスコミが注目するような大会だとヒーローが生まれる事が望まれますが、その陰で多くの選手が潰れてしまう。でもそういう選手にはフォーカスが当たらないんですよね。 赤木:商業的な意味合いが強いとどうしてもそうなるイメージは有りますね。 中田さん:極端な話で言うなら、世に有るスポーツの大会はほとんど無くても良くて、大会で結果を出した先にプロの道が有ると言う今の形も変えてしまって良いと思っています。 全力失敗教室を思いついたきっかけ 赤木:失敗についてのお話、とてもユニークですね。そういった発想が生まれた背景ってどんな事が有ったんですか? 中田さん:私が高校生の頃、U16の日本代表になって特待生に選ばれました。そうすると周りからちやほやされるようになるんですが、いつしかその立場にしがみつくようになってしまいました。それで失敗を避けるプレーをして、完全にイップスのような状態になってしまいました。次第にサッカーが嫌いになっていき、惰性でプレーするようになっていました。 でも、それは私だけじゃなく、色んなチームに同じような人達がいて、レベルが高いチームであっても同じだったんです。 赤木:それでメンタルの課題を解決したいと考えられたんですね。 中田さん:その時すぐにと言う訳ではないですが、その経験は後の全力失敗教室の考え方に大きく反映されるようになりましたね。 アホでいる事の強さ 中田さん:全力失敗教室のテーマの一つで『アホ最強』と言うものが有ります。 赤木:アホ、ですか? 中田さん:アホって言うのは、ありのままの自分を出せる事です。皆自分の良い所や強味は言えるんですよ。でも、弱さやドロドロした部分はなかなか出せない。それを受容できた状態、人に言えるようになった状態を『アホ』と呼んでいます。 赤木:自己開示ができている状態ですね。 中田さん:これはトップアスリートも心のマネジメントとしてやっているんですが、アホでいる事で安心感が生まれて、一種の『フロー状態』になります。これが増えると『ゾーン』と呼ばれる、最高のパフォーマンスを出せる状態に近づきます。個人が自分を解放するとそうなりやすいんですが、旧来の部活動のような縦社会にいると、なかなかそれを発揮する事ができないですね。 これから先のビジョン 赤木:今後の目標などあればお伺いしてもよろしいでしょうか。 中田さん:全力失敗教室ではクラウドファンディングで資金調達をし、今までで8000人が受講してくれました。今度は冬に第二弾を立ち上げて、育成年代には完全無料で提供したいと思っています。今回は1万人に対してやりたいですね。 (https://japangiving.jp/supporter/project_display.html?project_id=20033771) 赤木:一万人は凄いですね。 中田さん:他にも、スポーツメンタルのアカデミーを作って、スポーツリーダー向けにメンタルマネジメントの講座をやったりもしたいです。考えるアクティブラーニングや、モチベーション維持、実施した事へのフィードバックからロードマップの作り方まで教えるイメージです。また、その資金を集める為にも企業向けの研修をやっていきたいと思っています。 まとめ いかがでしたでしょうか。 『スポーツ』と言う枠にとらわれず、『失敗』を許す環境、『失敗』できる自分を開示できる社会を作っていく。これもスポーツの持つ『教育』の強さだと思います。 スポタスでは『スポーツ+何か』を持ったスポタス人をこれからもご紹介していきます。
2019/11/02 119PV

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