2019/09/13 16:15 313PV

会社員とチアリーディングを両立し世界大会ベスト8へ。日本チアリーディング界を牽引するスポタス人。【スポタス人インタビュー】

インタビュー

皆さんはチアリーディングにどんなイメージをお持ちでしょうか。

チアリーディングはチームのメンバーが一つになってパフォーマンスを行う競技です。

音楽に合わせて一糸乱れずダイナミックに躍動する姿は観客を魅了します。

今回紹介するのは、そんなチアリーディングで活躍するスポタス人です。

スポタス人とは

スポーツだけではなく、プラスアルファの形でスポーツと関わるキラキラした人物。

スポタスでは、『スポタス人』のインタビューを通じてスポーツとの様々な関わり方を発信しています。

長谷川 萌

1993年 8月16日生まれ 社会人チアリーディングチーム『PHOENIX』所属

高校で応援チアを始め、大学時代にはチアリーディング日本選手権大会、通称JAPAN CUPで全国決勝進出を果たす。PHOENIXではクラブチームの世界大会で男女混成ベスト8の快挙を果たす。

チアリーディングを始めたきっかけ

赤木:チアを始められたきっかけについてお伺いしても良いですか?

長谷川さん:入学した高校が共学になって2年目で、女子の部活があまりなく、応援団を見学した時、チアの衣装姿が可愛くて入部しました。その頃はチアリーディングではなくチアダンスをやっていました。

赤木:応援団って言うと、甲子園とかでテレビ中継されるイメージが強いですね。

長谷川さん:そのイメージで合ってると思います。

赤木:高校以前は何かスポーツはされていたんですか?

長谷川さん:そうですね。幼稚園から小学校までは競技のエアロビクスをやっていました。

赤木:競技のエアロビクスと言うと?

長谷川さん:新体操みたいな競技とイメージしてもらったら分かりやすいと思います。

赤木:なるほど。

長谷川さん:小学校から中学校まではサッカーをやってて、中学に入ってからは陸上部に入りました。種目は短距離と中距離です。

赤木:色々なスポーツを経験されていたんですね。

長谷川さん:昔から体を動かすのは好きでしたので。そのスポーツ経験はチアでも凄く活きていると思います。

大学からチアリーディングへ

赤木:大学からはチアリーディングを始められたんですよね。

長谷川さん:はい。チアリーディングは応援と異なり、それ自体が競技になります。だから自分達の努力が結果に直接反映されるようになります。そこに魅力を感じて競技のチアリーディングを始めました。

赤木:確かに、応援団が物凄いクオリティの応援をしても競技の結果が伴わない事はありますよね。

長谷川さん:チアリーディングはアクロバティックな動きが出て来るので、どうしも怪我が増えたりします。でも、完成度と難易度が点数化されるので、自分の技ができるようになった事が結果に繋がってやりがいを感じるようになりました。

赤木:なるほど。ちなみにチアってポジション等は決まってるんですか?

長谷川さん:そうですね。私のポジションは『ベース』と言って、人を上に乗せたり飛ばしたりする役割です。

赤木:チアって少ない人数で上に乗る人を支えてる印象ですが、あれって重たくは無いんですか?変な質問になってしまいますけど(笑)

長谷川さん:『軸』が合わなかったりすると凄く重たく感じますね。後は自分自身の身体作りなんかも大事です。

赤木:『軸』って言うと?

長谷川さん:体の原理みたいなものですね。例えば姿勢が綺麗だと重さがきちんと足まで届くんですが、それが崩れると特定の筋肉だけで支えないといけなくなったり。

赤木:なるほど。姿勢によって負荷が上手く分散されるんですね。大学では大会等あるんですか?

長谷川さん:そうですね。インカレやジャパンカップが有ります。4年生の時にキャプテンを務めさせて頂いたのですが、その時はジャパンカップで全国大会の決勝まで行く事ができました。

赤木:凄い戦績ですね!

社会人になり、PHOENIXへ。そして世界ベスト8に!

赤木:今のチームは大学を卒業してから入られたんですよね。

長谷川さん:はい。社会人になってから今所属している『PHOENIX』に入りました。

赤木:そこで世界大会に出場されたんですね。

長谷川さん:そうですね。お陰様でクラブチームの世界大会で、男女混成レベル6のベスト8に入れました。

赤木:世界ベスト8ですからね。。それは本当に凄い。レベル6というのは種目ですか?

長谷川さん:種目と言うよる部門ですね。技の難易度や年齢や人数によって変わって来るんですが、レベル6は18歳以上で難易度の高い技が求められる部門ですね。

赤木:なるほど。

▲世界大会ベスト8の記念撮影。

世界のレベル

赤木:チアの場合、どこの国が強豪国になるんでしょうか。

長谷川さん:やはりアメリカは強いですね。後はカナダ・オーストラリア・台湾も強豪国です。

赤木:そうなんですね。ちなみに日本のレベルはどうですか?

長谷川さん:日本は世界のトップと比べるとまだまだですね。

赤木:それはフィジカルの差になるんでしょうか。

長谷川さん:フィジカルも含めて、個々の能力が違いますね。例えばタンブリングと言う、体操で言う『床』にあたる項目があるんですが、PHOENIXでは1チームに5~6人ができるかどうかだと思います。でも世界のトップチームになるとそれは全員できて当たり前になります。他にも宙返りなんかもですね。

赤木:競技人口の差もあるんですかね。

長谷川さん:それもあると思います。チームの規模も日本だと30人くらいなのが、世界だと100人規模のチームがあったりしますので、層の厚さが違いますね。

赤木:練習は平日の夜と土日ですか?

長谷川さん:そうですね。平日は仕事終わりに練習場に行っています。と言っても週1日くらいで大体21時~22時までの自主練習になってしまいますが。

赤木:やっぱり仕事しながらだとそうなってしまいますよね。

長谷川さん:チームとしての正式な練習は土日祝にやる形ですね。

赤木:いかに限られた時間の中で効率良くできるかがポイントになりますね。

チアの魅力とこれからの目標

赤木:長谷川さんの思うチアの魅力ってどんなところだと思いますか?

長谷川さん:一杯あって選びにくいですね(笑)あえて挙げるなら、表現スポーツだから誰かと戦うんじゃなく、ライバルが自分自身という点でしょうか。

誰かを蹴落とすのではなく、自分と向き合っている人達同士で上を目指せるので、スポーツマンシップと言うか、心が磨かれる感じがあります。

赤木:確かに、相手に直接干渉するような事はしないですもんね。

長谷川さん:むしろ相手チームであっても良いパフォーマンスをしていたら拍手したりしますね。

後は、心が一つになる瞬間があって、それは本当に鳥肌が立つ思いがします。

赤木:心が一つに?

長谷川さん:はい。チアってノーミスを出すのが難しくて、皆の心が一つにならないとノーミスって出ないんです。だからこそ、ノーミスが出た時は「皆の心が一つになった!」って思えるんです。

赤木:なるほど、それはチアならではの喜びですね。

長谷川さん:チアをやっていて思うのは、「これは仕事でも活きてるな」って感じる事が多くて。

目標を決めてそこからこなすべきステップを逆算していく考え方だったり、チームメイトとのコミュニケーションだったり、チアを通じて学べている事は沢山あります。

赤木:心を一つにしようと思ったらコミュニケーションは必須ですよね。

長谷川さん:はい。私のチームは18歳から35歳まで色んな立場の人がいて、それぞれをまとめる事が難しいって思う事も有ります。でも、お蔭で相手の立場にたって考える事ができるようになっているなと感じます。

赤木:では最後に、今の目標を教えて下さい。

長谷川さん:目標は2021年の5月に世界大会に行って、ベスト5に入る事です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

仕事とチアリーディングを両立し、そこで得たものをまた仕事に活かす。世界大会ベスト8のレベルでそれができる人はほとんどいないですが、長谷川さんの姿勢から学べる事は多く有りました。

スポタスでは『スポーツ+何か』を持ったスポタス人をこれからもご紹介していきます。

この記事の記者紹介
スポタス編集部

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早川:いえ、私が入学した当時はスポーツ心理学専攻ではなく、理学部の情報物理学科でした。 赤木:むしろ心理とは離れた印象ですね。 早川:きっかけは、当時のスポーツ心理学の実践している先生で第一人者の人がいて、その方の主催するメンタルトレーニング勉強会にいったことです。目から鱗が落ちるような内容で、そこからもっとスポーツ心理学について勉強したいと考えるようになりました。 赤木:大学にいるとたまにびっくりするような面白い授業に出会える時ってありますよね。 早川:その先生がメンタルトレーニングのスタッフ募集していて、学部は違うけどやりたいと思って先生の研究室に入り浸り、勉強会に参加して4年間を過ごしました。 赤木:熱量が凄いですね。 早川:学部生が終わって修士になった時、その先生の研究室に入る為に体育学科に入ります。そしてそこで2年間本格的にスポーツ心理学の勉強を始めました。 アメリカ留学 赤木:今はアメリカの大学にいらっしゃいますが、元々アメリカの大学に行こうと考えていたんですか? 早川:英語には元々興味がありました。中学の時にも英会話教室に3年間通っていましたし、漠然と、英語をもっと使いたいとは思っていました。留学の大きな理由としては、大学院1年生の時に進路を考えてて、当時通ってた大学に博士課程がなかったので外に出る必要がありました。それで先生や研究室の先輩に進路相談した時、留学を勧められたのがきっかけです。 赤木:それでアメリカ留学だったんですね。かなり勇気が必要だったんじゃないですか? 早川:学生でスポーツ心理学を学びに留学してた人はいなかったので、腹くくっていきましたね。それでまずはフロリダに行って、その後今いるテネシーに行きました。 スポーツ心理学がマーケットとして成熟していない状況ですので、自分が先陣きって後輩の目指す道をつくっていきたいという想いでしたね。 赤木:テネシー大学を選んだ特別な理由は何かあったんですか? 早川:国際応用スポーツ心理学会が年に1度あるんですが、そこで留学の情報を集めていたところ、テネシー大学の運動学博士課程を見つけました。そのプログラムが東海大学のプログラムに似ていて、研究よりも現場の選手に直接アプローチする形でした。そこに魅力を感じてテネシー大学を選びました。 その後、英語学校に2年間通い、修士としてスポーツ心理学、運動学士を2年経験して、博士課程では教育心理学や色んな学習理論、指導理論を4年間学びました。その間、不定期でアスリートのメンタルサポートも行っていきました。 ▲ポートランドで開催された国際応用スポーツ心理学会にて自身の研究をポスター発表。 アメリカのスポーツ心理学 赤木:アスリートのメンタルサポートはどういった事をされていましたか? 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早川:学校内外での選手やコーチのサポートは引き続きやっていきたいですが、今後は大学に勤めて、学生選手に関わっていきたいと思っています。例えば授業や研究室で学生を育てて、スポーツ心理学を広めていきたいです。 他にはセミナーや勉強会を開いたりして、スポーツ心理学や教育心理学を広めていきたいですね。スポーツ心理学、教育心理学の価値をレガシーとして残していきたいと思っています。 赤木:学問をレガシーにして残すというのは面白い発想ですね。 早川:目指すのはスポーツ心理学のようなサイエンスの領域と経験を合わせる事で新しい価値を生むことです。私は経験論を否定しているわけではなく、サイエンスとの組み合わせで価値が出るものだと思っています。 赤木:確かに、机上論だけで進めようとするのは難しそうですね。 早川:例えば指導者が職人のように経験を積むことも大事だと思っていますが、経験だけに頼って指導すると選手によって成長したりしなかったりしてしまいます。サイエンスはより多くの人に当てはまる法則ですので、そこを補完する事ができます。 とはいえ、それはあくまでセオリーであって、例外的な特徴を持つ選手も出てきます。そういった選手については経験で補完していく。両方の良い部分を融合していく事で、より良い選手育成ができるようになります。 赤木:なるほど、お互いの不完全な部分を補完する形ですね。 早川:近年はサイエンスが軽視される風潮にありますので、それを同等に価値あるものとして捉えて頂き、多くの人達に活用していってもらいたいと思います。   文:赤木 勇太
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