2019/07/08 18:30 218PV

スポーツによる【場づくり】の未来とは。株式会社スポタス代表に聞く、スポーツサークルの醍醐味。(後編)

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本当は皆コミュニティを求めてる

大西社長:今の時代って、皆コミュニティを求める気持ちは持っていると思うんです。

例えば上京してきた新入社員、右も左も分からない中で外の友人関係が欲しかったりする。

社会人3年目くらいになると、時間に少し余裕が出てきて、昔やってたスポーツを再開したくなったりする。

他にも、定年を前に新しい趣味を探しておきたい方や、休日に子供と一緒に体を動かしたい親御さん。

私も、子供3人共にバドミントンを一緒にやったりして、子供の頃から地域コミュニティに参加させてまして、周りの方に良く面倒を見て頂いていました。

そうすると、そこに【地縁】と言うコミュニティがあるんですよ。

【働き方改革】で余暇が生まれるようになると、そういうケースはもっと増えてくるはずです。

大事なのは一歩踏み出す気持ちと、それを後押しする存在

赤木:私も経験がありますが、そういう外の世界に飛び込むのって、結構勇気がいるんですよね。

大西社長:大事なのは最初の一歩を踏み出す事ですね。誰でも最初は不安を持っていると思います。練習会当日に「やっぱりキャンセルしたい」なんて気持ちも出てくる。

でも、一歩踏み出してみる。

やってみるとそれが楽しいんです!

スポーツサークルって会社以外の人と関われますし、サークルによっては年齢層もバラバラだったりします。

シニアの方は練習はそこそこに切り上げ、休憩の合間の会話を楽しみにしてたり、初心者の方へのレクチャーをしたりと、それぞれがコミュニケーションを楽しんでいます。

赤木:スポーツを介して、様々なコミュニケーションが発生しているんですね。

大西社長:スポーツを接点にしてこういう場が生まれるのがスポーツサークルの良い所で、そういうキッカケが日本全国で増えて欲しい。そう思ってます。

皆がもっとワイワイ・ウェイウェイ・ウォーできる世界を作りたい

大西社長:スポーツの楽しみ方って色々あると思っていて、プロアスリートの世界だけを見ているのは勿体無いなと思います。

プロアスリートの世界も素晴らしいですが、実際に自分がプレーする事による感動は代替し難いものです。

どんなレベルでも、一緒に体を動かす事で自然と湧き上がる気持ちがあって、それを皆で共有する事が大切なんです。

皆でワイワイ練習したり、テンションが上がってウェイウェイとなったり、試合で盛り上がってウォーとなったりするような時間がもっと色んなところで出て来て欲しいですね。

赤木:その感じは分かりますね。そういう楽しさと熱量が混ざった空間って、いるだけで力をもらえる気がします。

サークル仲間との一枚。

【永遠のベータ版】としてのスポタスサイト

大西社長:スポタスサイトは4月1日にリリースしましたが、まだまだ改善の余地は多くあると思っています。

その鍵になるのがユーザーです。

これは楽天の創業時の話ですが、三木谷社長は創業間もない頃、先行ユーザーの声をとにかく大事にしたそうです。

赤木:確かに、初期の段階から楽天を使っていた人って、サービスに強い魅力を感じていたり、だからこそここを改善して欲しいという課題感を持っていそうですよね。

大西社長:そういった声を丁寧にキャッチアップしていきながら、永遠のベータ版という位置付けてで改善を続けていきたい。

スポタスのサイトも、そんな風に改善を続けて、皆で作り上げていきたいと思っています。

将来の展望

赤木:今後のスポタスについて、「こういう風にしたい」というイメージがあればお伺いしてもよろしいでしょうか。

大西社長:夢風呂敷ですけど、サークル機能を拡充させた交流戦のマッチング機能、助っ人募集機能なんかも有るといいなと思っています。競技を教えたい人と教わりたい人をマッチングさせるような機能も面白い。他にも全国の競技施設の予約機能なんかも有ったらいいですね。

さっきの大会カレンダーから大会参加までスポタス上でできるようにもしたいですし。大きな話からちょっとした工夫改善まで、やりたい事は山積みです(笑)

赤木:夢溢れてる感じですね。

大西社長:でも、その為にはユーザーの皆様の協力が必要です。

皆、それぞれに「こういうのがあったらいいのに」と思ってる事はあると思います。

それらをスポタスで実現させたい。

スポタスの【タス】というのはプラスという意味です。皆でスポタスにもっとプラスを足し込んで、日本中に笑顔溢れるスポーツコミュニティをプラスさせたいと思ってます。

まとめ

いかがでしたか?

スポーツを通じて皆がより良い日々を送れるようにしたいと言う大西社長の気持ちがとても強く伝わるお話でした。

今週末の予定がまだ決まっていない方

ぜひ週末の過ごし方に、スポーツを取り入れてみてはいかがでしょうか。

この記事の記者紹介
スポタス編集部

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早川:いえ、私が入学した当時はスポーツ心理学専攻ではなく、理学部の情報物理学科でした。 赤木:むしろ心理とは離れた印象ですね。 早川:きっかけは、当時のスポーツ心理学の実践している先生で第一人者の人がいて、その方の主催するメンタルトレーニング勉強会にいったことです。目から鱗が落ちるような内容で、そこからもっとスポーツ心理学について勉強したいと考えるようになりました。 赤木:大学にいるとたまにびっくりするような面白い授業に出会える時ってありますよね。 早川:その先生がメンタルトレーニングのスタッフ募集していて、学部は違うけどやりたいと思って先生の研究室に入り浸り、勉強会に参加して4年間を過ごしました。 赤木:熱量が凄いですね。 早川:学部生が終わって修士になった時、その先生の研究室に入る為に体育学科に入ります。そしてそこで2年間本格的にスポーツ心理学の勉強を始めました。 アメリカ留学 赤木:今はアメリカの大学にいらっしゃいますが、元々アメリカの大学に行こうと考えていたんですか? 早川:英語には元々興味がありました。中学の時にも英会話教室に3年間通っていましたし、漠然と、英語をもっと使いたいとは思っていました。留学の大きな理由としては、大学院1年生の時に進路を考えてて、当時通ってた大学に博士課程がなかったので外に出る必要がありました。それで先生や研究室の先輩に進路相談した時、留学を勧められたのがきっかけです。 赤木:それでアメリカ留学だったんですね。かなり勇気が必要だったんじゃないですか? 早川:学生でスポーツ心理学を学びに留学してた人はいなかったので、腹くくっていきましたね。それでまずはフロリダに行って、その後今いるテネシーに行きました。 スポーツ心理学がマーケットとして成熟していない状況ですので、自分が先陣きって後輩の目指す道をつくっていきたいという想いでしたね。 赤木:テネシー大学を選んだ特別な理由は何かあったんですか? 早川:国際応用スポーツ心理学会が年に1度あるんですが、そこで留学の情報を集めていたところ、テネシー大学の運動学博士課程を見つけました。そのプログラムが東海大学のプログラムに似ていて、研究よりも現場の選手に直接アプローチする形でした。そこに魅力を感じてテネシー大学を選びました。 その後、英語学校に2年間通い、修士としてスポーツ心理学、運動学士を2年経験して、博士課程では教育心理学や色んな学習理論、指導理論を4年間学びました。その間、不定期でアスリートのメンタルサポートも行っていきました。 ▲ポートランドで開催された国際応用スポーツ心理学会にて自身の研究をポスター発表。 アメリカのスポーツ心理学 赤木:アスリートのメンタルサポートはどういった事をされていましたか? 早川:剣道のユース選抜チーム向けに練習会の様子を見てアドバイスをしたり、セミナーやワークショップを開催したりしていました。日本でも一時帰国のタイミングでセミナーに登壇したりもしていましたね。 スポーツ心理学に関する世界の関心 赤木:アメリカなどではスポーツ心理学がかなり盛んだと聞いていますが、やはりそういった点は体感されますか? 早川:そうですね。まずスポーツのスケール感が全く違っていますね。それは建物や施設、マーケットについても言えます。そしてスポーツに対する裾野の形が違っています。 赤木:裾野ですか? 早川:アメリカでは誰でも気軽にスポーツができる環境があるんですが、本格的にやりたいと思ったら学校ではなく地域のクラブチームに入ることになります。日本のように放課後に部活動があったり、学校単位でどこかに遠征するというものはないです。 赤木:学校以外の場所にもスポーツができる場所が沢山あるんですね。 早川:例えばテニスコートやゴルフ場は凄く安いですし、色んな所にジムがあったり、バスケコートも多くあります。メジャースポーツについてはどの競技も気軽にできますね。 赤木:日本だとメジャースポーツは特に競技する場所に困ったりしますが、そういった困り事が無いのは羨ましいですね。 早川:プロスポーツに対する投資もアメリカは大きいですね。特にトップにいけばいくほど投資金額は大きくなっていきます。それはスポーツサイエンスに対しても同じで、トップにいくほど科学的な分野への投資がなされますね。 赤木:やはりトップチームではメンタル面のサポートも手厚いですか? 早川:そうですね。どのチームも専属のメンタルコンサルタントがつくようになります。例えば野球ならマイナーリーグでも全球団にメンタルコーチがいますし、スポーツ心理について理解はありますね。とはいえそれもトップレベルに限られていて、草野球のレベルで言うと日本と大差はないと思います。 赤木:アメリカでもまだメジャーな分野という訳ではないんですね。 早川:アメリカは規模が大きい分、スポーツ心理学を学べる大学は多いですが、まだまだスポーツ界の中ではマイナーな分野ではありますね。やはりフィジカルや生理学アスレチックトレーニングなどがメインになっていて、スポーツ心理学は修士課程や博士課程として取り組む人が多いです。その人達が現場に入っていく形でスポーツ心理学の認知が広がっているのが現状です。 成長の楽しさを味わってもらいたい 早川:スポーツ心理学のテーマとして、成長する楽しさを味わうということがあります。例えば競技中のプレッシャーを無くしたり、競技力を最大にするといったことで、特に私が興味を持っているのは後者の方です。 赤木:競技者が自分の持っているパフォーマンスを最大に発揮する点ですね。 早川:スポーツにおける様々な場面を目にしていて感じる事なのですが、指導者と選手の関係に行き違いがあると思っています。効果的なスポーツサイエンスのナレッジがない為に成長できていないという場面をよく見かけてきました。それは選手に限らず、指導者ももっとスポーツサイエンスを取り入れると成長する事ができるのにと感じる事も多いです。 赤木:確かに、指導者も過去の経験の範囲からしか指導ができないというのはありそうですね。 早川:今後はそういった部分にもアプローチしていきたいと思っています。以前、中学校の地域バスケチームに関わっていたんですが、その子たちのメンタルサポートをすると周りの指導者が驚くらいに成長した姿を目にしました。その時の喜びが忘れられなくて、選手たちが劇的に成長したり周りをあっと言わせたりする瞬間をつくりたいと思うようになりました。 日本のスポーツ教育 赤木:日本ではどうしてもスポーツやメンタルというと、根性を鍛えるといったニュアンスが連想されてしまいますね。 早川:日本の場合は、まず選手と指導者の関係を見直す必要があると思います。元々、日本のスポーツは体育が起源と言われています。体を育む為のカリキュラムですね。それがスポーツという面も持つようになってきたのが今の状況だと思います。 赤木:体育とスポーツでは必要な指導の在り方も変わってきそうですね。 早川:そうですね。体育では指導者と選手はそのまま上下関係になっています。それは年上を敬う考え方からもきています。ですが、近年では社会が変わって、文化が変わってきました。その為うまくいかなくなってきたことも多く出てきています。例えばパワハラ、体罰問題もそうですね。 赤木:元々そういった事はあったけど、選手の意識が変わったから表に出るようになったというのはありそうですね。 早川:そういった点で、指導者の意識を変えていく事が必要だと思います。これは何もパワハラや体罰に限らない話で、指導者側が良かれと思ってやっている事でも、選手サイドの声が加味されてないため選手の納得を得られない事などもあります。 赤木:正解と納得解みたいな話ですね。 早川:その判断にあるリスクを理解した上で、選手にも責任を持たせることが大事だと思います。やらされていない分、選手達も納得しますし。それがもし間違っていても、間違いから学ぶ機会を得たと考える事もできます。全て指導者が環境整備してしまうと、そういった間違いから学ぶ機会が無くなってしまいますので。 赤木:常に正解を選び続けるというのは難しいですからね。社会に出てからは特に。 早川:まずは指導者と選手の関係作りです。指導者は選手の声を聞き、選手の責任を認めてあげる。選手は自分で判断する事を与えてもらった代わりに責任を取る。そうやって、お互いを尊重し合う関係性を作っていく事ですね。そういった部分で、スポーツ心理学が役に立ちます。指導者と選手のコミュニケーションだったり、練習環境・指導環境のアイディアなどはスポーツ心理学が担える部分でもあります。 赤木:指導者と選手が一緒につくっていくのが大事なんですね。 早川:そうですね。ともに学びあって良い練習環境をつくる事が大切で、スポーツ心理学や教育心理学はそういった場を作るのに役立ちます。 学生と指導者にとってより良い関係を 赤木:今後の目標やビジョンについてお聞きしていいですか? 早川:学校内外での選手やコーチのサポートは引き続きやっていきたいですが、今後は大学に勤めて、学生選手に関わっていきたいと思っています。例えば授業や研究室で学生を育てて、スポーツ心理学を広めていきたいです。 他にはセミナーや勉強会を開いたりして、スポーツ心理学や教育心理学を広めていきたいですね。スポーツ心理学、教育心理学の価値をレガシーとして残していきたいと思っています。 赤木:学問をレガシーにして残すというのは面白い発想ですね。 早川:目指すのはスポーツ心理学のようなサイエンスの領域と経験を合わせる事で新しい価値を生むことです。私は経験論を否定しているわけではなく、サイエンスとの組み合わせで価値が出るものだと思っています。 赤木:確かに、机上論だけで進めようとするのは難しそうですね。 早川:例えば指導者が職人のように経験を積むことも大事だと思っていますが、経験だけに頼って指導すると選手によって成長したりしなかったりしてしまいます。サイエンスはより多くの人に当てはまる法則ですので、そこを補完する事ができます。 とはいえ、それはあくまでセオリーであって、例外的な特徴を持つ選手も出てきます。そういった選手については経験で補完していく。両方の良い部分を融合していく事で、より良い選手育成ができるようになります。 赤木:なるほど、お互いの不完全な部分を補完する形ですね。 早川:近年はサイエンスが軽視される風潮にありますので、それを同等に価値あるものとして捉えて頂き、多くの人達に活用していってもらいたいと思います。   文:赤木 勇太
2020/03/29 77PV

  • インタビュー

【ワタシの家トレ】vol.2 心身の状態をリセットする家トレ(パーソナルトレーナー 川上 陽子さん)

  ──今だからこそ、家で手軽に運動を──     大型イベントの中止や外出自粛のムードが広まり、社会不安が高まっています。 そこでSPOTAS+では、スポーツに関わる人達の家トレ(家でできるトレーニング)を紹介し、少しでも皆さんが健やかに日々を過ごしていけるようお手伝いします。 今回ご紹介する方はこちらーーー   川上 陽子 さん  パーソナルトレーナー。 2014年から2016年にかけ、TIP.X TOKYO SHIBUYAにてトレーニング指導やパーソナルセッションを実施。2016年から2018年まで、岩手県沿岸部(大槌町・釜石市・大船渡市・陸前高田市)にて仮設住宅や災害公営住宅、地域の公民館、フィットネスジムなど、全50ヶ所以上で運動指導を行う。 現在はイマレ生活リハビリサポートセンターにて介護認定を受けた方々に運動指導や講義、移動・排泄介助をおこなう。 並行して、パーソナルトレーニングセッションの実施や岩手県釜石市における運動イベントの主催にも力を注いでいる。日常生活で無意識・意識的に選択している姿勢のとり方や身体の使い方、ライフスタイルを掘り下げながら、目的に合わせた身体づくりを包括的に指導する。解剖学や運動力学、神経生理学、心理学、栄養学、中医学などを学び、筋肉のみに特化しない、多角的なアプローチを実施。パーソナルトレーニングのご依頼はこちらから     自律神経のバランスを整える   川上 今回はカラダと心のスイッチを切り替えしやすくする種目をご紹介したいと思います。自律神経って聞いた事ありますよね? 内臓の働きを24時間365日休まずにコントロールしてくれている神経ですよね。 川上 はい、私たちは、いわば『戦闘モード』である交感神経と『休養・消化モード』の副交感神経のバランスを、必要に応じて整えていくことが大事になります。仕事やストレスフルな環境においては、交感神経を積極的に働かせることで乗り越えやすくなります。ですが、その際にガチガチになってしまった心身が、就寝時など本来リラックスしていいときにも緩まないことがあります。そうすると、睡眠の質の低下やカラダの冷え、浅い呼吸などにつながりやすくなります。 交感神経が働き続けてしまうことで様々なデメリットが出てしまうんですね。 川上 今回ご紹介する家トレは、心身の状態をリセットしやすくして、ストレスの軽減や睡眠の質の改善、仕事の効率の向上などポジティブな連鎖が期待できるものです。 ぜひ教えて頂きたいです! 身体をほぐして呼吸を整える   川上 いくつかありますので順にご説明しますね。まずは股関節まわりをゆるめます。下の2枚の写真のように足裏を合わせながら足をパタパタと上下に動かします。これはご自身が心地良いと思うスピードや動きの大きさでおこなってください。 一定のリズムは自律神経を整えることに有効です。「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンは、一定のリズムの動きの際に生成されやすいのです。 ▲足をパタパタと上下に動かして股関節をゆるめます。   一定のリズムでするのがポイントなんですね。 川上 次は下の写真のように、背中とお腹まわりをゆるめます。まず、足裏を合わせて手のひらを上に向けて足の下にくぐらせます。頭の重みに身を委ねながら首の力を抜き、口もぽかんと開けて全身を脱力させます。丸まった背中に新しい酸素を取り込み、背中が膨らんだししぼんだりするイメージで呼吸をしましょう。 ▲身体の力を抜いて丸くなる。   身体がほぐれていくのが分かりますね。 川上 次は下の写真のように、お腹まわりをゆるめていきます。手を重ねて、主に手の付け根をお腹に触れさせます。上に溜まっているものを下に流していくようなイメージで、強さはご自身が心地よい加減でおこないます。 ▲上に溜まっているものを下に流していくようなイメージで。   身体の中がキレイになってる感じがあります。 川上 ストレスや食生活などによる冷え、日常の姿勢などで、お腹は意外とかたくなっています。筋肉がかたいとその奥に入っている内臓もかたく、機能が落ちやすくなる。逆も然りで、外側からゆるめてあげることで、内臓にもアプローチすることができます。 内臓も整えることができるんですね! 川上 最後に呼吸に関係の深い部分です。下の写真のように、鎖骨近辺など胸まわりをゆるめます。胸まわりはストレスの影響を受けやすく、かたくなりやすい部分のひとつでもあります。鎖骨や肋骨の間は、筋肉で敷き詰められているので、骨と骨の間を指の腹でほぐしていくことが大事です。ご自身の手の温かみを伝えながらおこないましょう。胸まわりがほぐれることで、深い呼吸がおこないやすくなります ▲胸まわりがかたい状態では、深い呼吸をしようとしても胸まわりが広がりにくい。   なるほど、胸まわりの筋肉をほぐして呼吸がスムーズにできるようにする... 心地よさの追求が家トレ継続のコツ 家トレ継続のポイントについても教えて下さい。 川上 大事なのはご自身の声に耳を傾け、心地よさを追求していくことです。今までおこなっていないこと、ルーティンに含まれていないことを実践し、さらに継続することは簡単なことではありません。まずは実践し、それに対してご自身の心身がどのように変容しているのかを観察してみることです。 自分の心身の変化に意識を向けるんですね。 川上 意外と、普段ご自身のお身体に触れることは多くないと思います。例えば、お腹に触れてみて初めて冷えやかたさに気付いたりするものです。かたさや冷えが気になるところを重点的に温めることで、次第にお腹がゆるみ、深い呼吸につながっていきやすくなります。さらには今の状態に気付いたあと、「何でだろう…」と想いを巡らせてみて、「そういえば、最近暖かくなってきて冷たい飲み物を飲む機会が増えていたな」と思い返すかもしれません。 そういう変化を感じることができたら、冷たい飲み物を控えたり、お腹を温めるアイテムを使ったりするような具体的なアクションに繋がりそうですね。 川上 今ご自身のカラダや心がどのようなことを感じ、どのような状態に導いていきたいのか、そのために、何をしていくのか、一つひとつ丁寧におこなってみてください。カラダや心の心地よさを追求していれば、自然と結果的に「継続」が達成されているものです。 川上さんから読者の皆さんへ  お読みいただき、ありがとうございます!  このご時世の中で、ワークスタイルをはじめライフスタイルに変化が及んでいる方々も少なくないかもしれません。とくにこれまでと変わらない日々を過ごされている方々も、漠然とした閉塞感や不安感を抱いているかもしれません。  私も、今回の一件の影響を受けやすい立場の一人でもありますが、今の環境を最大限に活かしたいと思いながら日々過ごしています。例えば、在宅勤務の環境をより快適にするために、観葉植物を育ててみる。早起きしてカーテンと窓を開け、部屋をポジティブなエネルギーで満たしてしいく。仕事がキャンセルになった時間で読みたかった本を読んでみる。仕事の合間に散歩をして、春の訪れを感じる。これらは、今の状況に置かれたからこそ実現出来たことです。  そもそも、現代は、VUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)の時代と言われて久しいですが、それをあらためて思い出させてくれている機会であるように感じています。私たち自身の心身も、取り巻く環境も、常に変化し続けています。それらの揺らぎを受容しながら、個人や周囲の心地よさを追求し続けていくという積極的な姿勢が今、求められているのかもしれません。 制限されることが増えることで、ご自身が本当に大切にしたいことが見えやすくなることもあります。  ぜひ、一緒に心地よさを追求しながら日々を過ごしていきましょう!